徒然なるまま、醜男の恋愛語り草

高校の同級生、女の子二人と久々にご飯に行ってきた。
腹を満たして、お酒も入り、話し込むと、出るわ出るわ。

恋愛話。

高校時代にはその二人と、そんな話を全くしたことがなかったもんで。
二人がそんな話を止まることなく顔の全部の穴から垂れ流している光景は、なかなか衝撃的なものだった。初めて食べるたこわさぐらいの。


こういった状況に陥った俺のスペックを整理すると
・ろくな恋愛経験がない
・メンヘラ属性に目のない
顔面偏差値39
・虚言癖あり

いかなる行動を求められていたのか。
その会話が始まった場所が居酒屋から喫茶店に移ってからで。
あんまり下世話な方向にもっていって逃げることもできない状況。
ほんとにどんな顔していたんだろう。あの時の俺は。


暇を持て余している大学生の頭なんてセックスか賭博、あと酒で7割埋まってる。あくまで暇だって感じてる奴は、の話であるが。
自分で稼いだ金か、マジ親かパパ活か知らんが、なにせそういう大学生が金を持ってしまう。ならそれを脳の欲求に正直にぶっこんでおぼれて怠惰に過ごす。大定番のコース。世間の話で某KO大みたいに股間に正直すぎてやらかしている方々もいらっしゃるわけで。

何が言いたいって大学生ってまともじゃないのはデフォルトってこと。



対照的に、というか、上記みたいなやつらもいる中で、大学時代に出会った方と将来結婚ってケースもめちゃくちゃある。大学生7割が「今の彼氏、彼女と結婚」を考えているらしい。うまくいく・いかない、は別で。

なにせそこまで真剣に恋愛をしてらっしゃる方もいて、クズもいてって当たり前のことが、そのさっきの二人に、「私の彼氏かくかくしかじかなんだけどどう思う?」なんて聞かれている時にぐるぐる頭の中に駆け巡ってきた。酔いが醒めるレベルで。というかその駆け巡りで別の酔いを覚えた。

そうしたらどうなるか。

俺が分離してしまった。
片方の俺が「知らねえよ、大概クズなんだからそれを頭に入れて付き合えよ馬鹿か」って言ってて。
もう片方の俺が「わかる、でも彼氏さんこうしてあげたら嬉しいんじゃないか?」なんて真面目風な返しを言ってて。脳内で同時再生。

結局時々で両方の俺が出てきてしまった
真面目な回答は経験が少ないから的外れ
あとたまに俺のスペック内の虚言癖とメンヘラ嗜好の一面も出てくる。

しかも顔が顔だ

二人には、なかなか狂気的な時間に感じさせてしまっただろう。本当に申し訳なかった。
あの時の正解は(というか女性との会話はいかなる時も)、同意だけでよかった。酔って出てきた二つの俺はどっちもダメだった。

この謎の会はまた開催しようと後日連絡が来て、ああよかったと思いつつ、謎の感情も残った。もしや面白がられているだけでは…?



全然関係のない話だけれども。
酔っているときはそういう卑しい話がうまく進むって思っていた。だがそれは気遣いが必要ない時だけだと、心から理解した。
ああいう謎の揺らぎと気持ち悪さをかき消すには酒は向いていない。
吸ったことないからわからないけど、煙草が一番向いているんじゃないか。

家族で外食したとき、嫁子供の中身も取り留めもない話を聞いた後の帰り道、一人で缶コーヒーとセヴンスター持って家じゃない別のところへ向かう親父の後ろ姿。あれの意味。なぜか二人と別れた帰りの電車で思い出した。
大嫌いな親父に成人してから少しだけ共感を覚えるようになった。

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