【考察】赤い瞳の福音 Ver.2
※世長ルートを始めとするネタバレを一部含みます。
※注意※
本記事には以下の実在する疾患に関する内容が含まれます。
・眼皮膚白皮症(指定難病164、通称アルビノ) ☆ttps://www.nanbyou.or.jp/entry/4492
※上記URLの☆をhに変更すると難病情報センターの該当ページを確認できます。
この機会に閲覧してみてください。
差別的な意図は一切ありませんが、現時点で不快感を催される方は閲覧をお控えください。
キャラクターの元ネタのみ知りたい方は上記に関する内容をオミットした下記のURLの記事をご覧ください。
【考察】赤い瞳の福音 Ver.1 https://note.com/snowblossom_jj/n/n257be671a35d
また、本記事の内容に関して、知識や配慮が至らない点などあった場合に関しては、先に深くお詫びを申し上げます。
なお、今回はわかりやすさを考慮し、以下の記事内の表記はアルビノで統一しています。
では、本題へ入っていきます。
今回の考察の中心になるのはジャックジャンヌの作中に登場する赤い瞳のキャラクターたちです。
実は彼らにはある共通項があります。
それは、名前やモチーフに必ず一つは神話や伝承に登場するヘビの怪物や神が織り込まれていることです。
そして、この共通項から導き出される内容を整理することで、ジャックジャンヌの物語の鍵を握っていると考えられる世長創司郎に関して、一つの推測を立てることが可能になります。
※参考 https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
では、順に紹介していきます。
①加斎中 ナーガ
加斎「中」
→ナカ
→インド神話の「蛇」神ナーガ
なぜかというとナーガは、インド神話に登場し、その容姿がコブラ風とされることが多いため。
・ナーガは「インド」神話に登場する「コブラ」風の蛇神
・蛇使いは「インド」発祥で主に「コブラ」を使用して「踊っている」ように見せる芸を行う
・アタルは「ダンス」に力を入れているオニキス所属
→オニキスで「踊る」アタル=ナーガ
なお、見た目は世長と繋がりのあるキャラクターなので、イースターバニーと因幡の白ウサギから。
※世長はイースターと関連があり、元ネタの一部に日本神話の大物主神を含む。
イースターについて https://note.com/snowblossom_jj/n/nc976944dbeb4
大物主神について https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
・イ-スター
そのままイースターバニー。
・大物主神
因幡の白ウサギは大物主神と縁深い大国主神にまつわる伝承。
世長ルートのバレンタインなどでアタルが希佐と世長の仲を取り持ってくれるのもおそらくここから。
②忍成司、稀 セイレーン(+稀はメデューサ)
二人は兄弟なのがポイント。
司
→ツカサ
→翼(ツバサ)
稀
→マレ
→魚(マナ)
よって、二人で二枚の「翼(=兄の司)」と「魚(=弟のマレ)」のような下半身を持ち、「歌(=ロードナイト、トレゾール)」で主に男性を魅了する、ギリシア神話の怪物セイレーンの体を構成している。
またその姿については、上半身が人間の女性で、下半身が鳥または魚とされることもあるため、単独でもセイレーンになれる。
おそらく苗字の忍成も言葉遊びで
忍成
→忍=ニン、成=セイ
→セイ+ニン
→セイレーン
なお、セイレーン自体にヘビ要素はないが、
・神学者イシドールスにヘビと関連づけて紹介される
・フランス伝承のヘビの怪物メリュジーヌなどと関連があるとされる
・ヘビも魚も鱗を持つ生き物
といった関連性から広義のヘビの怪物としてモチーフに起用されている。
さらに、弟のマレは
・マレ、ユキ、エーコのジャンヌ(=女)三人でよく行動する
・首にチョーカーをつけている
といった特徴から外見は、ギリシア神話で英雄ペルセウスに「首を斬られて(=チョーカー)」殺害された「ゴルゴン三姉妹(=マレ、ユキ、エーコのジャンヌ三人組)」の末娘、「ヘビ」の髪を持つ怪物メデューサ。
(司もネックレスという形で首にアクセサリーをつけているため、弟のマレの影響を受けてメデューサが同じように取り込まれている可能性あり。)
(補足)
ジャックジャンヌの中で首にアクセサリーやタトゥーのあるキャラクターは、斬首や首吊りによって命を落とした存在を元ネタの一部に起用していることが多い。
以下、分かりやすいものをいくつか例に挙げておく。
1.高科更文 洗礼者ヨハネ
初期モチーフである戯曲サロメの中で、洗礼者ヨハネは斬首によって命を落とす。
2.田中右宙為 オーディン
肩の緑が世界樹ユグドラシルの色、ネックレスがそこで首を吊った時に使った紐。
3.百無客人 オーディン
百無個人の元ネタは別に存在するが、彼が執着する田中右は②の通り北欧神話の軍神オーディンをビジュアルに取り込んでいる。
このため、首のタトゥーは田中右の影響で、オーディンの首吊りの痕がモチーフとして取り込まれたもの。
※写は黒く長い袖=オーディンが纏う黒いローブの形で田中右の影響が表現されている。
4.娘(不眠王) オルフェウス
オルフェウスは体を八つ裂きにされて殺され、河に生首を投げ捨てられたとされる=首に巻かれた白いリボン。
※娘=オルフェウスについては https://note.com/snowblossom_jj/n/n4d4daadb2d37
ここから先のクォーツ三人は大伊達山信仰にも関係しているためか(詳細はいずれ解説)、関連性が簡単に分からないように捻られています。
※大伊達山とヘビについては https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
③鳳京士 ケツァルコアトル
鳳
→中国神話の「鳳」凰
→鳳凰のモデルの一つと言われる実在する鳥「ケツァール」
→アステカ神話の「翼(→鳥要素)」を持つ蛇神「ケツァル」コアトル
他にも論拠がありますが解説がとても煩雑になるため、詳しくはいずれ個別記事で。
④高科更文 コカトリス
・継希は月の王=ヘビの怪物バジリスク
※参照 https://note.com/snowblossom_jj/n/n3a79a307ee04
・フミは継希の元パートナー
・かつてはフミがアルジャンヌ(=女)で継希がジャックエース(=男)だった
よって、バジリスクと雌雄の関係(→男女のペア)とも言われる、「ヘビ」の尾を持つ怪物コカトリス。
かなり重要なポイントだが③の鳳と同じく解説がとても煩雑になるため、詳しくはいずれ別記事で。
⑤世長創司郎 ミシャグジ様(+大物主神)
まさかのそもそも本人が(人間の体を持って生まれた)蛇神様のパターン。
※参照 https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
さて、ここからが問題です。
①~⑤に挙げたキャラクターたちには赤い瞳以外にいくつかの共通する特徴があります。
・立ち絵の作画がヘビ顔風に描かれている
瞳や鼻のタッチが周りに比べて独特で特に分かりやすいです。
・全員が舞台に関して恵まれた才能を持っている
アタル→オニキスの次期ジャックエース候補
司→ロードナイトの組長でありアルジャンヌ兼トレゾール
マレ→いずれは司を継ぐと期待される存在
鳳→(なんだかんだ)成績優秀者
フミ→クォーツ最強のアルジャンヌ
世長→クォーツの器(=透明な器)
※参考 https://note.com/snowblossom_jj/n/nc976944dbeb4
さらに、世長と同期で各クラスの代表的な存在であるアタル、マレには彼と下記の共通項が見いだせます。
・元ネタの神あるいは怪物には雨(あるいは天候)や水に関する何かしらの伝承がある
世長→ミシャグジ信仰の一部に諏訪湖(水)が関係する、大物主神を祀る大神神社の巳の神杉に関する雨乞い伝承
アタル→ナーガは雨を降らせる能力を持つ
※因幡の白ウサギも海(水)が関係する伝承
マレ→セイレーンは嵐(雨)の時に歌う、メデューサは海神ポルキュースの娘であり同じく海神であるポセイドンの恋人
ここから本人が蛇神(あるいはそれに近い存在)である世長を参考にして、以下の推測を立てることが可能です。
※参考 https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
1.赤い瞳を持つ人物はおそらく何らかの蛇神あるいは水神に関係する血筋を引いている
※特にクォーツの三人(世長、フミ、鳳)は玉阪家の血が混ざっている可能性が高い(詳細はいずれ)
2.舞台に関する突出した才能も人外の力を受け継いでいることが一因の可能性がある
3.彼らが立花希佐に惹かれる理由の一つは彼女に生まれつきヘビに愛されやすい性質があるから
希佐は世長という蛇神に愛されている(=神の祝福)ことも含めると、ある種の神の花嫁(巫女)になれる素質があるのでは?
さて、上述の内容以外にも実は世長を除く5人には、他にもある共通項が存在します。
それは、アルビノをモチーフとしていることです。
アルビノというと、シルバーの髪に赤い瞳を連想する方が多いように思います。
この一般的なイメージ、瞳の色については全員が赤で統一されていて一目で条件をクリアしていることがわかります。
では、髪について。
この人数が全員シルバーの髪では、創作物としては個性が乏しくなってしまうからか、全員がパステル系の色素が薄めのカラーに調整されています。
1.加斎中→シルバーにピンクのメッシュ
※元ネタの一つである白ウサギ自体が動物のアルビノ
2.忍成兄弟→水色
3.鳳京士→金髪
4.高科更文→金に近いシルバー(もしくはシルバーに近い金)
さらに、ここで世長の容姿に疑問が浮かんできます。
世長はビリジアンの髪をしていますが、本来は上記で解説した他の5名と同じように本来はアルビノ系カラー、おそらく地の色はシルバーではないかということです。
他は全て共通しているのに、一人だけ――それもたった一点だけ法則が乱れているのはちょっとおかしいです。
以下に論拠を挙げていきます。
①肌や瞳の色
世長の瞳の色は赤(もしくは赤紫)で肌も作中では比較的白く、一般的にイメージされるアルビノの特徴である。
また、現実のヒトのアルビノの瞳は必ずしも赤くはなく、青や紫の瞳のことがあるとされる。
ユニヴェールコレクションなどに収録されている世長の瞳は紫であり、こちらでも一致するところがある。
②白ヘビ
世長の元ネタにはミシャグジ様や大物主神などのヘビにまつわる神話や伝承が複数含まれており、何らかの形で白ヘビ(アルビノのヘビ)が登場することが多い。
雨降りそうしろう(スイ先生のツイート:2021.6.21)のイラストの鱗も白色。
また、白いアルビノのヘビを始めとして、何らかの疾患などにより他の個体と異なる特徴を持つ動物(ヒトも含む)は、神聖な存在として宗教上崇められることが多い。
神の子であり特殊な生け贄である世長が何の特徴もない容姿をしているとは考えにくい。
※参考 https://note.com/snowblossom_jj/n/n57449ab553e6
その他、先に挙げたキャラクターを含めヘビに何かしらの繋がりのある元ネタを持つものの一部には、マフラーを着用している立ち絵が存在する(おそらく観光などで行われるヘビの首巻き体験からのイメージ)。
※なお、根地の場合は、彼の大きな元ネタの一つがヘビの怪物ヤマタノオロチを倒したスサノオだから。
世長の冬服は白いマフラー=白ヘビ(アルビノのヘビ)。
③視覚障がい
アルビノは特有の視覚障がいを持つことが多い。
さらに、上記とは別に世長は男性である時点で、色の識別が困難な色盲(色覚異常)が発症しやすい性別である。
以下の作中の描写などから彼は、日常生活が送れる、演技で誤魔化せる程度の何らかの視覚障がいを持っている可能性がある。
・服のデザインが独特な上に好みと合わなそうなものを来ていることがある(夏服や水着が顕著)
色の判別がしにくい、あるいはできていない?
世長ルートの休日会話(2月20日)で根地に衣装デザインへの挑戦を進められて戸惑う描写もある。
勘が鋭くて知識もあるので診断を受けていなくても、小中学生の美術や工作で他人との視覚の違いに自分で気付いた可能性はある。
さらに、服のセンスが独特なだけならば、スズのように作中でネタにされてもおかしくない(織巻ルートの最終公演)のに特に何も触れられていない。
・同年代と異なりゲームを特に好まない(親愛イベ2)
アルビノは羞明などによって電子機器の画面が見えづらいことがある。
・視界の悪い上に慣れないはずの被り物をした状態でダンスや大道芸をこなせる(最終公演、夏劇)
普段からモノがよく見えていない、あるいは見えにくいのなら納得できる。
・元ネタや対比に目が見えないことがキーワードとして含まれる
主に身毒丸やサマエルなど。
※参考 https://note.com/snowblossom_jj/n/n4aae5212c3da
また、キルツェのようなサーカス団はかつて奇形と呼ばれるような人たちが集まって働いていた。
最終公演にアシンメトリーなデザインが多い理由の一つは、この奇形をモチーフに落とし込んでいるためと考えられる。
世長のイザクも片目が隠されているため、目に奇形(障がい)を持っている。
また、イザクは世長にとって一つの完成形の姿でもある。
他にも目を隠している団員が多くいるためこれだけでは断言できないが、世長には上述した通り気になる点が多いのも事実である。
④イタチのオナカ
世長と深い繋がりがあると考えられる大伊達山の神の使いと言われているイタチのオナカ。
二次元なので忘れがちだが、種にはよるもののそもそも現実のイタチは基本的に白くない。
つまり、オナカもアルビノの可能性が高い。
⑤立ち絵の彩色
スイ先生のブログ(2019.12.31投稿)には、立ち絵は同じ描き方やタッチになるようにしたと記載されているのに、ゲーム内で使用されているもので世長のみ髪の塗りが特徴的になっている。
一見するとビリジアンだがいくつか色が滲んだような部分があり、なぜか毛先が肌に溶けるように白く透けている。
シルバーの髪を染めて誤魔化している?
⑥家庭環境
攻略キャラのうち世長のみ家族構成や家庭環境が一切不明だが、最終公演のイザクのセリフから実父からは虐待を受けていた可能性が高い。
(該当箇所が存在せずとも会話や進行に問題がないのに加えられている。
顕著なのはスズのチャンス、フミのアドラ、カイのレヴィだが、役者の背景まで役に落とし込んで制作された台本なのに世長のイザクにだけ無意味かつ無関係な設定をつけるのはおかしい。)
世長がアルビノで容姿が実父と似ていないのならば、(悲しいが)虐待された理由の一つにはなりうる。
また、アルビノ特有の視覚障がい、もしくは男性に多い色盲に加え、強力な霊感を持っていたのだとしたら……。
※参照 https://note.com/snowblossom_jj/n/n484d20c94f5d
常に周囲の人間には見えないモノが見え、聞こえないモノが聞こえる状態であるために気味悪がられた可能性はある。
以上、①~⑥より世長創司郎はシルバーの髪に赤い瞳を持つ生まれつきのアルビノの可能性がある。
髪は親の方針や自分のトラウマから染めて隠しているのではないだろうか?
そしてこの事実は幼馴染みの希佐も、もしかしたら知らないのでは?