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英弱でもディスカッションしたい!


スピーキングがボロボロの大学3年生が、オールイングリッシュの授業に特攻した話を書きます。ただの覚え書き・感想ですが、興味があったら眺めて下さい。

履修理由

・「院試あるし、興味ある分野は海外がメインだし、そろそろ英語何とかしなきゃな〜」という危機感が醸成されていた
・自分がサボり魔であることをよく知っていたので、強制力を働かせないと何もしないと思った
・授業内容(英語で学ぶ日本の教育)に興味があった……し、ある程度知っている内容なら何とかなると思った
・(2Aでレポートを出し忘れたせいで不足していた)他専修の補填に丁度良かった

履修者

    他専修が足りないっぽいことに気がついた教育心理学コース3年生。不真面目。1SのTLPで「英語でフランス語を学ぶ」という修羅から敗走して以降、語学アレルギーが甚だしい。日本生まれ日本育ちなので授業の前提知識はなくもないだろう、と甘めに見積って履修申請。

授業構成

・日本の教育について、毎週異なるテーマを扱う
・授業前に英語文献(私にはそれなりに重かった)を2つ読み、要約して提出。授業ではそれを踏まえてディスカッション。
・各回毎にディスカッションのリーダーが発表をする。内容は文献の簡潔な紹介と自分の体験、あとはディスカッショントピックの提示。

各回の感想

Week 1
・イントロダクション。zoomで自己紹介。
・それなりに予想はしていたが、3分の1くらいが留学生だった。
・残り3分の2は教育学部の2年生(駒場開講だからそうなるよね)  自己紹介でみんなsophomoreって言ってて、なんかすいません……となった。seniorです。

Week 2  (教育社会学の理論)
・ディスカッションに怯えまくっていたが、前提知識となる理論(機能理論/葛藤理論etc.)をひたすら紹介する回だった。
・教授(イギリス出身)は「授業になるとテンション上がって早口になっちゃうんだよね、すぐ止めてね」と言っていたが、本当にハイペースだった。
・近来稀に見る真面目さでノートを取ったが、半分くらい分からず暗澹たる気持ちで終了。3Sで教育社会学を履修していたから多少何とかなったが……

Week 3(社会的地位と教育)
・いわゆる教育格差の話。階層によって子どもへの教育に関する態度が変わる、という質的研究がとても面白かった。
・課題が重すぎて提出に間に合わず。というか前週は出せてすらいない。半分DeepLに突っ込んでどうにかした。
・確かこの回で初めて手を挙げ、1単語を発している。(???「1990年代の日本って何があった?」❄️「recession……?」)

week 4(小学校教育)
・小学校の道徳教育について論じる文献×2を読んだ。課題提出に初めて間に合った。
・ディスカッションもどうにか参加でき、「道徳の教科書にはリアリティがないよね」みたいな話をするなどした。
・日本人学生のテーブルと留学生のテーブルが出来ていて、教授が「もっと混ざろう!」と声を掛けていた。私はそもそもアウェーだけれども。
・履修者の経験が多様なので、各国の情報が共有されて(教授もそれを奨励している)楽しい。「私が小学校教育を受けた国では、道徳は自国が一番素晴らしいと教わる時間だった」と言っている人がいたのが印象に残っている。

week 5(中学校教育)
・文献のテーマは「生徒指導の変遷」と「東京の中学受験」。前者の生徒指導がより「優しく」なって生徒があまり言うことを聞かない、というのはピンと来なかった(大変幸運なことに、治安の良い中学校で育っている)   後者の「中学受験が公教育にダメージを与えている話」「地元公立中の校長の語り(中受で挫折を経験している生徒が多く、自信のなさに苦慮している)」あたりは分かるなぁ、となる感じだった。
・ディスカッションで「校則がないと生徒が"裏校則"を作る可能性がある。だから最低限のルールが歯止めとしてあった方がいい」と伝えようとしたが、英語力がなさすぎて全然伝わらず他の子が通訳してくれた。泣きたい。
・「中学受験したことある人?」に日本出身者の殆どが挙手。プレゼンターが見せる某塾の過密スケジュール/テスト問題、そして「クレイジーだろ……」by留学生s。
・中受算数の問題を暗算で解く学生に湧く教室。あと誰かが「これSAT、こっちの大学入試の数学ね。超簡単でしょ?」って見せてくれた。

Week 6(中間試験)
・この雰囲気絶対レポートだろ、と思ったがなんと試験があった。といっても送られてきたものを1週間で解く感じ。
・350~500wordsくらいで解答する問題が5問。問題内容も「𓏸𓏸の文献と××の文献はどちらも△△について論じているが、その違いを述べよ」的な感じ。えっ授業でそんなこと言ってた?みたいなのがバンバン出る。書けるか。
・受けたことがないタイプの試験でかなり苦戦した。ついでに言うとこの期間にPCも壊れたので大変だった。スケジュールの余裕大事。

Week 7(高等学校)
・この頃から履修者が顕著に減っていた。元々20ちょいとかだった気がするが、最後は10人くらいになっていたような。
・文献のテーマは「所属部活と自己像の関連」と「都内の"底辺校"とされる高校の実態」。「多くの高校生は部活に行くために学校に通っている」という記述がちょっと刺さった。
・あまりに眠くて絶起してしまい、ディスカッション後半から出たのでぶっちゃけ記憶が薄い回。「若者が知識不足で劣悪∧不安定な雇用に取り込まれてしまうのはどうしたらいいんだろうね」「学校でもっと教えるとか」「いっそのこと学校から保護者に教育を」みたいな話で盛り上がった覚えだけはある。

Week 8(マイノリティの教育)
・何が来るのかな、と思っていたら文献のテーマは両方とも民族的なマイノリティの教育だった。片方がエスニックスクールの概要と選択される理由、もう片方が法的地位を獲得するまでの運動の流れについて。全く知らない領域で、英語なのも相まってやや読みづらい文献だった記憶。
・学生自身の体験が反映されてか、ディスカッションがかなり盛り上がった回。教授の「移民2世が家庭内でしか民族の言語を話さないので、親世代の(つまり、現代からすると古い)言葉を覚えてしまう事がある」という話が記憶に残っている。あと朝鮮大学校ってどんな場所なの?みたいな議論があったのもこの回だった気がする。 
・学校ボランティアで関わった帰国子女の子が、日本語がまだ不得手で寂しそうにしていたのを思い出した。元気だろうか……。

Week 9 (元フリースクールスタッフの方の講演)
・某フリースクールでスタッフをしていた方がお話しに来て下さった。文献読まなくて良い回。
・一瞬ボランティアに行ったフリースクールだったので「かなり知ってる話だな〜」と思いながら聞いた覚えがある。不登校への捉え方の変遷とか。
・今ちょうど不登校支援をやっている塾で働いているので、その話をした。毎回思うんだけど、拙い英語でも汲み取って議論を回してくれる周りが凄すぎる。ほんと済みません。
・次の週が自分のディスカッション担当回だと気がついて震えた。無理無理無理無理

Week 10(「影の教育」-塾・予備校-)
・待ちに待った(まってないよ)プレゼン担当回!留学生と協力して2人で各文献を受け持つことに。
・文献テーマは「塾と社会経済的格差(難しい)」、「塾の種類と多様性、役割(簡単)」。「簡単な方やりなよ!君の経験が生きるのはそっちだし」と言って貰ったので、ありがたく簡単な方を担当。
・プレゼンではスパルタ進学塾に通って、補習塾と不登校支援の塾で働いた話をした。緊張すると頭が真っ白になるので、原稿をひたすら読んでいた。土下座。
・プレゼン自体は一応?成功。「文献には書かれていない役割だけど、進学塾は"浮きこぼれ"の受け皿になっている側面があるんじゃないかと思う」と語ったところ教授に褒められた。やったね!

これはとりあえず塾の写真貼りまくったスライド

・ディスカッションで「中国が塾を禁止したが、タピオカ屋に偽装した闇塾が横行したらしい」という話をしたところ、やたらと盛り上がってしまい中国塾事情トークに。
・終了後にロールケーキといちごが出てきてクリパが始まった。最高!

Week 11(特別支援教育)
・文献テーマは「引きこもりの若者と教育」「特別支援教育とインクルージョン」。前者の要旨は学校・社会でつまづく子ども/若者が医療に繋がれず、家族etc.でなんとかされてしまう……というやつだった。某特論で学んだ精神疾患へのスティグマの話を思い出す。
・ディスカッションでは聴覚障害のあるクラスメートたちと学んだ話を聞かせてもらった。やっぱり設備が大事だな、という感想。
・「日本みたいに子どものラベリングを避けるのと、アメリカみたいにバンバン診断して個別配慮するのどっちがいいと思う?」「両極端だね〜」という議論に。個人的にはアメリカ型に賛成です。

Week 12(最終講義)
・授業前に雑談。イギリスの美容院事情、共通テスト(と海外でそれにあたる制度)の話etc.  
・教授の専門(部落差別と教育)について講義してもらった。正直分からない部分も多かったが、「2つの学校における同和教育・生徒の態度を分析する」みたいな質的研究をやっていたらしい。
・研究の内情についても色々話してくれた。校長から「部落という言葉を生徒に教えないで」って頼まれ、研究が危機に瀕した話とか……。あとやっぱり人を対象にする研究はコネの要素が大きいのね、という感想。教授は当時の生徒たちと未だに年賀状をやり取りしているらしい。

総括


 ・物凄く負担が重かった。あと自分が英語を喋れない/抵抗感なく読めない/聞き取れないことはよく分かった。
・ネイティブと対等に喋れるようにはならなかったけど、取り敢えず何か言ったらディスカッションに参加できる。人々がそれに触発されて自分の経験を話してくれたりするので、黙ってるよりお得。
・一緒に授業を受けている子達と仲良くなったことで、ちょっと安心して喋れるようになった。心理的安全性!
・「英語力の不足を豊富な経験でカバーしてしまった」みたいな所は若干あるが、やっぱり怖いものは得意なものと結び付けて頑張るのが吉。
・論文を強制的に毎週読まされるのはかなり良かった。今後も読もう、英語論文。
・とにかく今期一番取ってよかった授業でした。

長すぎる。読んでくれた人ありがとうございます……











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