どんな想いもだきしめるために

うっすらと目をひらくと、まぶしい光が窓から身体にあたっていた。


あれっ?


いつの間にかねむっていたからか、まだぼんやりとしている。


わたし、何していたんだっけ?

ゆっくり身体をおこす。バスタオルに顔をうずめていたようで、くしゃくしゃのままわたしの下敷きになっていた。

そばには、充電がきれそうなスマートフォン。飲みかけのペットボトル。ティッシュの箱。


この身体のだるさでなんとなく、思い出すものがあった。

★★★


週末、数週間後の連休のことで、なかのいい友人と連絡をする予定だった。
メッセージをやりとりするよりも、話した方がはやいと、電話にすることになっていたのに。どうしても楽しい気分にはなれなかったから。


ひさしぶり凹んでいたからだ。週明けには、また向き合わなければならない、その凹んだことが、鉛のようにのこっていた。


だから、かかってきた電話をとるのが億劫だった。けど、話さないとも決めていた。だって、今日は楽しい予定をきめるのだもの。自分のことで、その楽しさをなくしたくなかった。


だだ、わたしは、うそをつけないらしい。
電話ごしでも、友人には、バレバレだったようだ。

「どうしたの?」


そのやさしくも心配する一言に、わたしの涙の壁はかんたんにくずれてしまった。



前の日のよる。お休みエンドロールのメッセージをみたとき、ちょっとだけホッとしてた。

口から出す言葉は、いいことばかりじゃなくていいよ。たまには、息をはくように、どんな想いをだしてこう。


きっとこのメッセージが心にのこっていたからだ。わたしはそのまま、電話ごしに泣きながら話したんだ。

どのくらい話したのだろう。泣いて泣いて、ほとんど聞きとれなかっただろう声に、相づちを打ちつづけてくれたことを、はっきりとおもいだす。


泣いたあとは、そのまま眠ってしまったみたい。よくやってしまうのだけど、それだけ泣くことは体力をつかう。それが分かっているから、ずっと、泣くことができなかったんだ。


まだ涙腺がゆるいのが、視界がゆがむ。でも、同時にあくびもでたから、きっとあくびの涙だ。

たくさん泣いたからか、顔にはタオルのあとがついているだろうな。でも、まぁいっか。


もう一度、ごろんと横になる。もうひと眠りしよう。それから出かけるのも悪くない。
まどろみのなか、ありがとうってつぶやいた。

話をきいてくれた友人に、そして、お休みエンドロールのメッセージをくれた人に。

いつも読んでくださり、ありがとうございます♡