第48回「理想に追いつこうと急いて、秋を追い越す」

天皇賞(秋)の予想をします。
とはいえそれがメインではなく、菊花賞のときと同じように近況ブログnoteとしての機能を兼ねつつですが。

今後しばらくはこの形式でいこうと考えています。

更新タイミングも不定期で。でもなるべく継続して。

第48回です。

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10月が終わります。早いもので11月。
天皇賞(秋)? (冬)の間違いではなく?
それくらい寒い毎日ですね。

今期はドラマもアニメも映画も見たいものが多くて、時間が足りません。
その中で、話題沸騰しているsilentの話、というか脚本の話をしたいと思います。
silent - フジテレビ (fujitv.co.jp)

内容についてはTVerなどの見逃し配信で追ってください。というのも、あらすじをここで書いたところで、そこまで目新しさがないのです。
絶対に見た方がいい。
というのも、このドラマの大筋のストーリーに特に斬新さはありません。それはsilentに限ったことではなく、すべてのストーリー性を持つエンタメにいえることだと考えています。

やたらと主語を大きくして語るべきではありませんが、必要なこと。
それは、クリエイターの理想とはなにか、を考えると理解いただけるかと。

クリエイター、扱うジャンル、それらによってそれぞれ差異はあれど、目指す先はおそらく120%です。理想、それすなわち、自身の持てる力すべて=100%に加えて、それを超える新たな力=20%で120%の完成度のものを創り上げること。

ストーリー性のある創作物は、はるか昔から作られてきました。神という概念の成立にも、ストーリーは欠くことのできない要素です。
ストーリーの歴史は、人類の歴史とイコールであると断言してもいいほどに、長く深く連綿と、刻まれて紡がれてきたものです。

その研究も幾度となく行われ、ストーリーというものは体系化されて理論として分析されました。誰でも作れるものだからこそ、差別化するためにはロジカルでなくてはならない。すなわち、意図的に、積極的に、既存の路線を選んで進むということ。

極端な言い方をすれば、面白い物語などは存在しない。
あるとすればそれは、いわゆる王道と呼ばれるもの……。しかしそれは、何に対しての王道であるのか。

エンターテイメントにおいて面白いもの、新しいものとされるのは、媒体やタイミング、テーマ、見せ方……、すなわち調理法であると考えました。

媒体、マンガなのかドラマなのか、CMや絵画などか、音楽か。
タイミング、コロナの世でパンデミックを扱うのか、平和な世で戦争を扱うのか。
テーマ、SNSにおける幸せとはなにか、電脳世界で死とはなにか。
見せ方、困っている人を放っておく優しさも、人と人をつなぐ害悪もあるんじゃないか。

silentの話に戻れば、やはりあらすじに目新しさはありません。ストーリーだけを抜き出せば、類似作品は多く見つかるでしょう。
私は、脚本を担当している生方美久さんの魅力について少し考えてみました。

第33回フジテレビヤングシナリオ大賞 を獲得した『踊り場にて』。これはヤングシナリオ大賞のページで読むことができます。
フジテレビ ヤングシナリオ大賞 - フジテレビ (fujitv.co.jp)

この作品こそ、夢を扱ったオーソドックスな内容のものでした。
そのうえで私が考えたのは2点。これはsilentにも共通しています。

まずはキャラが死んでいないこと。生死の話ではなく、ストーリーにおける機能として、死んでいないという意味です。
特にsilentの1話を見て驚いたのは、登場キャラクターが多いこと。しかしそれらを効果的に見せてキャラ分けを印象付けさせつつ、あるキャラは闇の深さを、あるキャラは危うさを。つまり負の面も見せた。
1話では主人公と直接絡みのないキャラクターに対しても、限られた時間で的確に行うのは、簡単ではありません。
踊り場にてでは、登場する高校生キャラクターが主人公と双方向のやりとりを行いました。主人公の成長を促す役目と、成長した主人公から成長を促される役目。400字×60枚という限られた字数のなかでそれを簡潔に行っています。

これは私の理想です。登場キャラクターの機能を殺さず、かつ双方向で影響し合わせる。言えば簡単ですが、短くなればなるほどこれを複数のキャラクターで行うのは困難です。
これを最小化し、最大化したうえで繰り返している最たる例がバディもの。まずはバディもののいい作品を一つ書かねば。

silentはまだ始まったばっかりのためなんとも言えませんが、話数はまだあります。最後まで話をまとめきりつつ、すべてのキャラクターに見せ場をつくれれば、現状の話題性のまま覇権になるのではないでしょうか。

そして2つ目は、キャラクターがスマホを触っている時間が長いこと。
これは時代性を反映しているというか、新しい要素といえば新しい要素です。
スマホはただの連絡ツール。例えばこれまでも、ケータイのアドレスを消して失恋、とか、そわそわと相手からの連絡を待つとか、そういう使われ方はあります。スマホが主流になってからは、それがスマホに置き換わっただけです。
しかし、silentも踊り場にても、例えばちょっとした調べものをするとか、YouTubeを見て落ち着くとか、そういったリアルなスマホの使い方が目につきます。
意図的なのか無意識なのかは定かではありませんが、スマホを連絡ツールとしてではなく、スマホとして、描いているのです。

ことsilentにおいては、コミュニケーションツールとして大きな意味を担っています。これが今後どう活用されていくのか、注目です。

こうして様々な作品に触発されて、私は今色々な作品を書き始めています。
手探りですが、脚本も書いてみてはいます。
ネットに更新する作品やnoteのペースが落ちたのはやる気の低下ではなく、むしろ新しいことへの挑戦の結果だったりします。それらを両立できないのではまだまだだとは思いますが、まぁ。そこは良しとしています。

やりたいことができるのは、学生の特権でしょう。社会人になれば、やらなければならないことと、やれることを往復せざるを得なくなりそうです。
では、今のうちにやりたいことを、やれることにしてしまえばいい。
ビバ挑戦。

例えば、イクイノックス単勝一点賭けとか。

…第48回 了

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勝とうとしすぎました。
ワイドボックスとか、3連複パターン買いとか。

欲を捨てろ。
己の信じる道を往け。

ということで、明日の天皇賞はイクイノックス一点賭け。現在1番人気、単勝オッズ3倍程度ですが、関係あるもんか。稼ぎたいわけでも、勝ちたいわけでもないので。ので。

……ので。

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