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桜の季節に何を思う

有名な分厚い本のタイトルみたいだけど。

私の住む地域は日本の南方にあるのに、何故か桜の開花は遅い。
今年もようやく開花宣言があった。
開花宣言があったと思ったら、急に咲き始める。

毎年自然に咲く花を見て思う。
誰に頼まれたわけでもないのに、この時期になると次々と蕾を膨らませ、花を付ける。
どの草花も同じだけど、何故か桜の花だけは人の心に強くその姿を印象づける。
遠くから見るとピンクなのに、いざ散った花びらを手に取ると、驚くほど白い。

スイミーみたいだな、と毎年思う。

ところで、私の住む地区には小さな川が流れていて、その小さな土手は3月になる頃から菜の花でいっぱいになる。上には桜並木が並び、それはそれは毎年見事な光景だ。

20年くらい前に越してきた私にとって、土手沿いの菜の花と上に咲く桜のコントラストは、ある意味春の代名詞で、毎年当たり前の風景だ。

ところが、菜の花刈られてるよ。とある日の我が子が言った。その川沿いの学校に通っている。
見に行くときれいにバッサリだった。しかも学校側だけ。
確かに菜の花は、虫がつく。独自の香りもあるし、理由は様々なのかもしれない。
どこぞのどなたかの判断で、刈った方に責任なんてない。

でもピンクと黄色のコントラスト、楽しみにしていた人はたくさんいたはずだ。

生徒が登下校する方角は様々で、菜の花と桜が同時に見れるところもある。我が子の通う位置からは桜しか見れなくなってしまっただけだ。
多感な時期のあの子たちに、あのキレイな風景を見ながら登下校して欲しかったな。と思う。

学校に行けない子どもがとても増えている、と聞く。我が子の通う学校も違わず。
もしかしたら、戸惑う子どもたちの背中を押す力になるのかもしれないのにな、と思うのは、深い気持ちを知らない外部の戯言なんだろうか。


学校から少し離れると菜の花は残っている。
上には桜も咲き、昨日はそこで写真を撮った。
何となく物寂しい気持ちになったけど、桜は今年も変わらず咲いていて、そこには菜の花もあって、やっぱりキレイだった。

満開まではもう少し。
自然がくれた春の知らせを楽しもう。

今年も桜がキレイと思えて良かった。



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