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雨降りの絵画

自分が生きてきた中で一番の表現をしたことは何だったんでしょう。
ある人は、演劇であったり、ダンスであったり、歌や演奏であったり、スポーツであったり、または。。お習字であったり、絵であったり、写真であったりと。。。
私も色々と表現をしてきました。たぶん基本的に好きだったのでしょう。、
それは、充分大人になっても演劇の世界で自分を表現し続けていることを見ても,上手い下手は別としても天性のものだったのだと思います。
人生の中で色々な表現をしてきましたが、一番の大作はと言われてみると、それは総合芸術の演劇だったのでしょうが、何が面白いかというと、無から有を生んでいくことが、たまらなく面白いのです。公演の何ヶ月も前に何もなかった、白いワープロのページに、最初の文字を打った瞬間から、何百人のお客様を目の前に、形あるものに変身させたものを公演している。それは白いキャンバスに初めて筆を入れて絵を描いていくのと同じ感覚です。
演劇のことは後に譲るとして、私の絵心はいつからかといいますと、やはり、幼稚園に入る前のように記憶しています。
ある雨の日、そんな日は外で遊ぶこともできずに、母親や当時まだ生きていた祖母が居る掘りごたつのある茶の間や、姉妹が使っている板の間の部屋とか、両親と私が普段寝ている和室などを行ったり来たりしていました。
 やがて、雨の日の家の中に飽きてきた私は、和室で大作を創り上げる作業に没頭していました。
当時、マイブームだった歌読み絵?は「蛸入道」っていう遊びでした。
誰から教わったかは忘れましたが、歌いながらそれを紙に描いて絵にしていくという遊びです。順番がちがうかもしれませんがこんな歌です。
「雨がザーザー降ってきた。アラレもぽちぽち降ってきて、ミミズが三匹現れて、お団子三つころがって、あっという間に蛸入道。。」
という歌を歌いながら、私は和室の白い壁いっぱいに鉛筆で何個も何個も書き込んで
いました。
当時は部屋の壁に描くのがいいとも悪いともわからず、無心に大作を創っていたのです。
それを両親が知るところとなり。。。。何を勘違いしたか、親は絵の才能があるのかとかと思ったのでしょう。それから絵画教室に通うことになりました。。
その壁の方はというと、消しゴムで消したようですが消えずに、かなり大きくなって塗りなおされるまで、そこに残っていました。


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