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作られた分断

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#沖縄

自民候補者陣営に空砲投げ込まれる 断ち切れぬ暴力の連鎖 | 沖縄知事選

今こそ暴力行為に対して政治的立場を超えてNoを示すべきではないか。 今回は自民党候補者に暴力被害が及んだわけだが、対立候補の陣営にも波及するおそれがある。 最大の対立候補現職の玉城デニー知事は、これまでのところ本事件について言及がない。 自身が知事を務める県内で発生した民主主義を脅かす蛮行に対し一切の声明を出さない点に、玉城氏の危機管理意識の低さが垣間見える。 さらに言えば、首相経験者が凶弾に倒れるという戦後かつてない事案が発生してから間もないにもかかわらずだ。 一方

「作られた分断」について(米軍基地編)

2017年12月よりスタートした連載企画「作られた分断」では、みんながイヤだと思っていることを誰に押しつけるのかがテーマとなっている問題、おもに米軍基地問題、原発再稼働の問題を取り上げています。 本連載を途中から読まれる方にも理解していただけるよう、米軍基地問題、原発再稼働問題に関する基礎情報を2回に分けて掲載致します。1回目の今回は在日米軍基地をめぐる問題です。 ◇沖縄県への基地集中は1956年ごろから2019年現在、日本に存在する米軍基地の数は51。そのうちの約7割が

「お金をもらっているので反対できない」地元住民の苦悩|作られた分断#15

沖縄は四方を海に囲まれており、陸路で向かうことはできない。その地理的特性が影響しているのだろうか、デマが流布され、固定化しやすい。 「辺野古の座り込みは県外あるいは国外の人間がほとんどで、彼らは(日本の再軍備化を警戒する)中国や韓国から資金提供を受けている」、「(辺野古移設に反対する)玉城デニー氏が知事になれば、中国が沖縄を占領する」など誰でもデマだとわかるようなことがらが拡散し、固定化される。 辺野古移設に反対する座り込み抗議活動に県外や国外の人たちが多いのは事実だ。座

作られた分断:第十四部 国策の犠牲になり続けた沖縄 基地問題への無関心はこうして作られた

24日投開票を迎えた辺野古新基地建設の是非を問う県民投票は、移設反対票が賛成票を大きく上回り、あらためて「辺野古ノー」が示された。 沖縄県民投票の結果 投票率52.48% 開票率:100% ・賛成:114,933票(18.99%) ・反対:434,273票(71.74%) ・どちらでもない:52,682票(8.7%) 県知事の玉城デニー氏は移設反対票が県内有権者の4分の1を超えたとして投票結果を日本・米国両政府に通知した。結果通知を受けた日本政府は結果にかかわらず移設工事

削られる年金 膨らむ防衛費 | 作られた分断#10

なぜ、辺野古の新基地建設が沖縄県に住む人たち以外にも関わってくる問題だといわれるのでしょうか。 辺野古の埋め立てに反対する理由は実にさまざまです。 ローラさんの「美しいサンゴ礁を埋め立てないでほしい」という純粋なものから、「反対する人たちの意見に耳を傾けようとしない政権のやり方に反発している」という手続き、手法について批判する人もいます。 じゃあ、あなたはどうなの?ってことなんですが、辺野古の話題を出すとよくこんなことを言われます。 「辺野古のことは政治に関わるよく分か

作られた分断:第八部 デニー氏勝利は基地反対の民意なのか?

翁長雄志沖縄県知事の急死にともなう県知事選は辺野古新基地建設に反対する玉城デニー候補が当選。 この選挙は、日本政府が米国との【辺野古の海にコンクリを流して基地にする】約束を認めるかどうかが問われた選挙であり、日本の安全保障のあり方も左右するものだった。 しかし、議論の矛先は 「デニーさんが知事になれば沖縄県が中国に乗っ取られる!」 という非常にレベルの低い方へと向けられた。 特に頭が柔らかく、想像力をフルに使ってしまった10代、20代の若い世代の多くが「デニーさんが

作られた分断:第六部 諸悪の根源は日米安保

※本記事は2018年4月27日に執筆した記事を加筆修正し、再掲したものです。 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に向けた護岸工事が着工してから1年が経った。 海岸から沖側に延びる“道”が護岸ブロック。護岸を敷き詰めれば、そのなかに土砂を埋め立ててそこを米海兵隊が滑走路として使用する=沖縄タイムス 国が進める護岸工事は、県の承認が下りたわけではない。 県の判断を無視して強行されている工事だ。 ◇「米軍が日本を守ってくれる」という幻想政府が辺野古移設を正当化するために用意する