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「緊縛」とは何なのか?

みなさんこんにちは、縛師のたかせ秦之助です。

とんでもなく主語の大きいタイトルを掲げてみましたが、緊縛の全てを語ろうなんて無理すぎまして、今日は「緊縛」という名称について考えてみようかなというヤツです。

ちなみに、あんまり着地を考えずに書き始めたので、訳のわからない着地をする可能性があります。
#大体ノリだけで書いてる

あと、たぶん結論はないです。
#無理です

「緊縛」という名称は、誰がいつ考えたものなのか

過去の記事でも何度か言及していますが、たかせ的には、緊縛の始まりは伊藤晴雨氏にあると考えています。
#諸説あります

その伊藤晴雨氏が「責め絵」に取り組み始めたのが1910年代後半とのことですが、この頃は「責め絵」と呼ばれていたようです。

「責め絵」という名称も誰がいつ考えてた言葉なのか、定かではないですが。

で、1940年台後半に、いわゆるカストリ雑誌ブームが興り、その中でいつの間にか「緊縛」と呼ばれるようになったらしい、という噂を聞きました。

この辺り、当時のカストリ雑誌をしらみつぶしにすれば、あるいは定かな情報が得られる可能性もありますが、実際にやろうと思ったら、時間もお金もとんでもなくかかってしまう…

それもさることながら、今日の記事の本題はそこではなかったりしまして。

「緊縛」とはどういう意味なのか

ここなんす。

ここが結構曖昧が故の諍いというか、すれ違いというか、そういうものって少なくないなーと思ったりしています。

ちなみに、ネットでざっくり調べた結果こんな感じ。

[名](スル)きつくしばること。「既存の価値観に―される」

goo辞書

1. 等でしっかりと縛るという意。
2. アダルトビデオなどで受身の者を縄あるいは紐状もしくは帯状のもので拘束し身体の自由を奪う行為を指す。SMプレイでは服従的なパートナーを征服し性的欲求を満たす行為の一つ。縛り方により様々な形があり、服従的なパートナーを縛った状態で吊り上げる方法もある。ここで詳説する。

Wikipedia

ロープなどを使って身動きが取れないほどに縛ることである。

ピクシブ百科事典

これらの説明は、実際の行為としての「緊縛」を表してはいないということは、多くの緊縛に携わる方々において共通の見解なんじゃないかと思っています。

つまり、「緊縛」という字面、特に「緊」の字に引っ張られすぎている感。

①かたい。きつくしめる。かたくしまる。ひきしめる。ちぢむ。「緊縮」「緊張」「緊密」
②さしせまる。きびしい。「緊急」「緊迫」

goo辞書

というわけで、「きつく縛る」「しっかりと縛る」「身動きが取れないほどに縛る」といった説明は、ここから来ているのだろうと思われます。

が、実際の「緊縛」は必ずしもそうとは限らないわけです。

実際の「緊縛」とはどういうものか

緊縛未経験の方に縄を縄を掛けさせていただいた時に、大体最初の感想としていただくのは「痛くないんだ!」です。

これ、お心当たりのある方も多いんじゃないかと思います。

緊縛において痛みを与えることは、本意ではありません。
#プレイスタイルによって意図的にそうすることもありますが

実際のところ、縛る人(縛り手)のプレイスタイルによって、縄の掛け方は大きく異なります。

まず前提として、下記の分岐があります。

  1. 縛り切った形を重視した緊縛

  2. 縛る過程を重視した緊縛 

  3. その両方を重視した緊縛

その上で、下記の分岐があります。

  1. 責めることを目的とした緊縛(責め縄)

  2. 性行為の代わり、もしくは延長とした緊縛(エロ縄)

  3. 社交ダンスのようなものとしての緊縛(?)

  4. スポーツのようなものとしての緊縛(?)

  5. アートやパフォーマンスの表現としての緊縛(ロープアート?)

  6. 上記を複合した緊縛

今、パッと思いおついた代表的なプレイスタイルを列挙しただけなので、実際はもっといろんなスタイルがあると思います。

括弧書きで通称なんかも並記しましたが、おおよそこれらを全部まとめて「緊縛」と呼んでいるのが現状です。

そこには、荒々しく縛る縄もあれば、優しく縛る縄もあり、しっとりと縛る縄もあれば、テキパキと縛る縄もある。

そんなこんなも全部含めて「緊縛」と呼ばれています。

つまり、「きつく縛る」「しっかりと縛る」「身動きが取れないほどに縛る」とか、そういう次元の話ではないということは、なんとなく伝わるかなーとか思いつつ。

では何と呼んだらいいのか?

先述した通り、現状、「緊縛」には様々なスタイルがあり、それらを一括りに表現をするのが結構難しなーという状況になっています。

最大公約数的なところを抽出するのであれば、縛る人(縛り手)と縛られる人(受け手)との合意のもと、縄状のもので縛ること、みたいな感じですかね。

その上で、じゃあなんて呼んだらいいの?ということになると、うーん…となってしまいます。

また、それぞれのプレイスタイルを個別の名前で呼ぶのか、どうかとか、そういう問題もあるかと思います。

例えば社交ダンスと言っても、例えば武術と言っても、その中には様々なジャンルやスタイルが存在するよねという感じで、いずれは「緊縛」もそのような枝分かれが必要になるのかも知れんすね。

ただまぁ、現状はまだ「緊縛」と一括りに呼ぶしかない現状かと思っております。

余談

これは、あくまでたかせ個人としてのコンセプトの話であり、「緊縛」という名称を置き換えようとかそういう話ではありませんので、くれぐれも、そのつもりで読んでいただきたいのですが。

そんなこんなを踏まえた上で、たかせが悩みに悩んで捻り出した言葉が「縛楽(しばらく)」だったりします。

たかせとしては、先述したような様々な「緊縛」のスタイル全てが好きで、この多様性を受容できるところこそが、「緊縛」の一番の面白さだと思っています。

なので、ウチのジャンルはこれです!みたいなことは言いたくなくて、その時々の気分で、今日はこんな感じ、明日はこんな感じ、という風に遊べたら良いなーと思ったりしています。

その上で、縛り手も受け手も、その時間楽しく過ごせることが一番大事で、逆に言えば、楽しければ何でも良い、みたいに思っています。

拘りを持って、徹底的に研ぎ澄ましていくような「緊縛」も素敵だと思うし、そういう取り組みが新しい境地を切り拓いてくれることも知っているので、素直に、本気で尊敬しています。

くれぐれも、どちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではなく、個々の嗜好に応じて、それぞれの道を選べたら良いなーと思う次第であります。

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