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読書記録

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僕が読んだ本の感想や印象的なフレーズが書いてある記事です。
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2023年4月の記事一覧

#43『自望自棄~わたしがこうなった88の理由(わけ)』(著:遠藤麻理)を読んだ感想

遠藤麻理さんのエッセイ『自望自棄~わたしがこうなった88の理由(わけ)』 僕は数年前から、ラジオを聴く機会が増えました。その中で最近欠かさず聴いているのが、BSNラジオで放送されている遠藤麻理さんの番組『四畳半スタジオ』。時に優しく、時に毒あり?の内容にいつの間にか聴き入っていました。本作は、番組を聴き始めたことがきっかけで手に取った1冊です。 あらすじ感想素敵な話、素敵な言葉が詰まっている1冊 失敗してもなんとかなる!と思わせてくれる 遠藤麻理さんの魅力が知れる

#42『ランチ酒』(著:原田ひ香)を読んだ感想

原田ひ香さんの『ランチ酒』 先日『三人屋』を読んでから、原田さんの食べ物系の小説が読みたい気持ちが強くなったのがきっかけで手に取った1冊です。 あらすじ感想食欲と酒欲がそそられる1冊 メニューが目の前にあるのがイメージできる 「そばにいる」だけでも人は互いに変わっていくのだと思った 次々に登場するメニューに食欲と酒欲がそそられる1冊でした。 丼ぶり、お寿司、ハンバーガーなどに、祥子が必ず注文するのがお酒。ランチで食べるメニューはほとんどがなじみ深いものでも、お酒が加

#41.5『スター』(著:朝井リョウ)を読んだ感想・番外編【オンラインサロンについて】

朝井リョウさんの『スター』 僕は先日読了し、『スター』を読んだ感想について書きました。 物語の中でオンラインサロンについても書いてありましたが、読んでいて共感できる部分がありました。朝井さん何かしらのオンラインサロンに入ってる?と思うくらいに。 その点についての感想を書いていなかったので、僕が実際にオンラインサロンに入っていた経験も合わせて軽く触れたいと思います。 『スター』を読んでオンラインサロンについて感じたことを振り返ってみたオンラインサロンとは会員制のコミュニテ

#41『スター』(著:朝井リョウ)を読んだ感想

朝井リョウさんの『スター』 先月に文庫版が刊行されました。 今の世の中におけるSNSやメディアに関して、モヤモヤとした何かを感じていることは誰しもかあると思います。それが見事に言語化されていました。 あらすじ大学の同じ映画サークルだった立原尚吾と大土井絋。 2人が監督を務めた作品『身体』が、ぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞します。 慎重派で「細部に神が宿る」を信念にしている尚吾と、感覚派でかっこいいと感じたものをかっこよく撮る絋。 2人は大学卒業後に対照的な道

#40『三人屋』(著:原田ひ香)を読んだ感想

原田ひ香さんの『三人屋』 あらすじを見て気になり、手に取った1冊です。 料理によって心が温かくなる内容と思いきや、どこか複雑さを感じさせる人間関係についても描かれていました。 あらすじ感想どれもシンプルな料理なのに極上の美味さを感じさせるようだった 商店街の雰囲気を思わせてくれてくれる温かさがあった 朝は三女の焼きたてパン、昼は次女の讃岐うどん、夜は長女の炊き立てご飯。時間によって業態が違う「三人屋」。三姉妹が出す料理にお客様は魅了されるのは共通しているけど、その三姉

#39『しろがねの葉』(著:千早茜)を読んだ感想

千早茜さんの『しろがねの葉』 第168回直木賞受賞作です。 直木賞受賞作が発表された今年の1月以降、書店の店頭で見かける方も多いのではないでしょうか? 僕も直木賞をきっかけに読みました。 あらすじ感想運命に抗い続けるウメの生き様は銀のように輝いて見えた 何か1つの言葉では言いきれないような壮大さに満ちていた 戦国末期の石見銀山が舞台の少女ウメによる物語。 ウメは稀代の山師と呼ばれる喜兵衛に拾われて坑道で働き始めます。そこからのウメの生涯が描かれています。 喜兵衛と

#38『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』(著:標野凪)を読んだ感想

標野凪さんの『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』 今月は食べ物・料理系の小説を読みたいと考えている中で、SNSでよく見かけたのがきっかけで手に取った1冊です。 あらすじ感想何かに縛られたり焦ったりする時こそ、自分をいたわろうと思った 何気ない一瞬でも幸せは感じられることを改めて感じた 心が落ち着くメニューやフレーズ、 各話のつながりも素敵 本作の舞台は、店主のそろりさんが営業している「喫茶ドードー」 そこにやってくるのは、目まぐるしく変化する今の時代に対して疲れた人

2023年3月に読んだ本【読書日記】

こんにちは😌 2023年3月は14冊の本を読みました。 内訳は、 小説11冊(内Audibleで2冊) エッセイ2冊 ビジネス・自己啓発本1冊(Audible)。 今回は、2023年3月に僕が読んだ小説、エッセイ13冊をまとめた記事です。 各作品で、印象に残ったフレーズを載せました。 あなたにとって響くフレーズがあるかもしれません。 1.『麦本三歩の好きなもの 第二集』(著:住野よる)2.『噛みあわない会話と、ある過去について』(著:辻村深月) 3.『爆弾』(著

#37『成瀬は天下を取りにいく』(著:宮島未奈)を読んだ感想

宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』 先月の2023年3月に刊行されたばかりの宮島さんのデビュー作。 本作の中の短編「ありがとう西武大津店」で、第20 回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞しました。 ここ最近では1番かもしれないくらい、タイトル、装丁、帯文がとにかく気になった1冊です。 あらすじ感想これほど疾走感と爽快感溢れる主人公は記憶にないかも 成瀬の姿に、読んでいて元気がみなぎってきた 滋賀が気になってしょうがない?

#36『食堂かたつむり』(著:小川糸)を読んだ感想

小川糸さんの『食堂かたつむり』 小川さんのデビュー作で、2011年にはイタリアの文学賞であるバンカレッラ賞料理部門賞を受賞しました。 あらすじ感想さまざまな素敵なメニューに僕の心も満たされた 大地の恵みによって生かされていることに感謝しようと思った かたつむりのように少しずつ前に進んでいけばいい 物語の舞台は、主人公の倫子が経営している、お客様が一日一組だけの「食堂かたつむり」 倫子は、失恋に加えて何もかもを失った後に故郷へと帰り食堂を開きました。 倫子さんが作る