見出し画像

ファイターズ選手名鑑2023 Part2

はじめに

 Part 1に引き続き、Part2の投手5人をご紹介します。スポナビの選手一覧が更新されたことに伴い、2023年シーズンを”今季”、2022年シーズンを”昨季”と表記することにします。誤字脱字や数字の誤植等を見つけた場合は、ひっそり教えていただけたら幸いです。

伊藤大海

入団から二年連続二桁勝利

 ルーキーから2年連続で二桁勝利を達成した道産子の好投手。先日WBC代表入りが内定するなど、名実ともに日本を代表する投手の一員となった。タイプとしてはオーソドックスな本格派で、最速156キロのストレートと数種類あるスライダーを中心に複数の変化球を投げ分ける。特筆すべきはスライダーのコマンドで、1年目は変幻自在に投げ分け、コーナービタビタにコントロールしていた。四死球は少なくないが、あえてギリギリに投げているシーンも目立ち、潜在的に制球難というわけではない。
 また、野球への取り組む姿勢やストイックな面が話題となることが多く、以前はYouTubeチャンネルで自身のトレーニングを公開するような一面も持ち合わせている。ファイターズは他にも達孝太や今川優馬など、自分で考えて取り組む選手を好む傾向にあるのかもしれない。
 昨季は2年連続二桁勝利を達成し、大卒2年目の投手としては十分と言える成績。しかし、個人的には伊藤のポテンシャルはもっと高いと考えており、さらに伸びると予想。昨季は長いイニングを投げることを意識したのか奪三振が減るなど指標は悪化。
 今季は速球の球速や質の向上を目指す旨の発言もあり、オフには憧れのダルビッシュと自主トレも実施。もうワンランク上の投手になる可能性が十分に感じられるだけに、15勝200奪三振くらい期待している。ローテーションの柱として躍動してほしい(一部報道にあるクローザー転向には反対)。

吉田輝星

キャリアハイとなった昨季。今季に期待。

 金農ブームの中心となった甲子園のスター。大きな期待とともに入団したが、入団後数年間結果が出なかったため、落胆の声も聞こえていたが、昨季遂に開花。藤川球児のアドバイスもあり、ボールの強さに磨きがかかり、リリーフとして大きく飛躍した。投手としてはノビのあるストレートが武器で、リリース時に手首が立ち、地面と平行な回転軸となるためボールは綺麗にノビるような軌道を描く。登板ごとのムラやクイック時の出力低下、変化球など課題があるものの、高卒5年目にしては十分ではないだろうか。
 昨季はリリーフで51登板。勝ちパターンではないものの要所で起用され、波に乗り切れないチームを支えた。ボールの強さや奪三振能力など課題が散見されたものの、ポンセからアドバイスを受けた直後の試合など、良い力感で投げられた試合ではストレートでも空振りを奪える”らしさ”が垣間見えた。
 本人は先発を希望も、今季は主にリリーフ起用か。リリーフ不足のチーム事情もあり、一気に勝ちパターンを狙うことも可能。オフには年俸の増額分の一部をドライブライン社製のトレーニング器具に充て、球速アップを誓うなど、トレーニングに励んでいる。目を引く容姿やストーリー性のあるバックグラウンドなど、スターになる要素を詰め込んでいるため、今季の飛躍に期待だ。

玉井大将

今季も50試合登板なるか

 2016年ドラフト8巡目という下位指名ながら、ルーキーイヤーから毎年安定して活躍しているリリーフ投手。シュートとカットボールをインコースに投げ込みゴロを打たせるスタイルが持ち味で、近年はファイターズの火消し役を担う。シュートは全体の34%を占め、ストレート(25.9%)を上回る。
 昨季は2年連続50試合登板を達成。崩壊したリリーフ陣の中でフレキシブルに起用され、気を吐いた。横変化が中心のスタイルもあり、空振りが少なく奪三振率は低いが、被本塁打も少なくランナーを背負っても大怪我はしない印象。
 今季もチームの火消し役を担う予定で、背番号も19に変更。年々チーム内での存在感が増しており、年齢的にもリリーフ陣の中心人物となってほしい。

上原健太

キャリアハイのシーズンを過ごした

 二刀流にも挑戦する長身左腕。2015年にドラフト1位で入団し、春の紅白戦は1/3回8失点と大乱調でキャリアがスタート。元々素材型の側面が強かったことや故障もあり、伸び悩んでいる時期が長かったが、近年頭角を現す。投手としては威力のあるストレートが武器で、フォークとチェンジアップで空振りを奪う。野手としては抜群のスピードが武器で、二刀流挑戦の前からスプリントスピードは度々話題になっていた。
 昨季はキャリアハイの25試合に登板し、73回を投げた。防御率もさることながら、K/BB 2.81は60回以上投げた投手の中ではリーグ16位。また被本塁打もわずか2本で打球管理に優れており、内容は良かった。
 今季のファイターズのローテーションは近年トップクラスの内容で、3本柱(加藤、上沢、伊藤)に加え、ポンセ、ガント、メネズの外国人やプロスペクト根本、昨季ブレイクの鈴木がいるため、競争は激化。しかし、上原のポテンシャルなら食い込むことは可能なので、まずはローテの一角を担って欲しい。また、毎年大小問わず故障を離脱の期間があるため、1年間ヘルシーに過ごすことも目標として欲しい。大きく成績を上げる可能性のある一人である。


杉浦稔大

移籍後最も成績を落とした昨季

 2017年にヤクルトからトレードで加入した速球派の大型右腕。190cmの長身から腕をムチのようにしならせ、両コーナーに威力のあるフォーシームを投げる。ストレートの威力は出色で、好調時は全く打たれる気配がしない。移籍後は先発とリリーフを行き来しているが、1回限定なら簡単に150キロを超える出力を持ち合わせ、パワーピッチが可能な数少ないファイターズの投手。このように投手としてのスペックは高いが、懸念点はスペ体質で非常に故障が多い。先発登板後必ず一度抹消されるなど、移籍後は慎重に起用されており、負荷をかけられないことから使い勝手の悪さが目立っている。
 28セーブ 防御率2.96をマークした2021年と比較して昨季は大きく成績を落とし、42.2回を投げて防御率5.27。試合によってムラがあり、投げてみないと調子がわからないため、起用法を選んだ。また、近年の傾向として精神的な脆さが見られ、マウンドで不安そうな表情をしているシーンが印象的であった。しかしボールの威力は本物で、イニングを上回る奪三振をマーク。いかに調子を維持するかが課題。
 今季は先発・リリーフのどちらで起用されるかは不明だが、まずはコンディションを戻すことが大事。リリーフならプレッシャーのかからない場面から状態を上げ、先発なら長いイニングを投げることが目標。素材や実力は間違いなく、圧倒的なピッチングをする杉浦が待ち遠しい。

※引用元(https://sports.yahoo.co.jp/https://spaia.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?