うっかり見落としてた

Youtubeの監視能力はとてつもなくて、先日の記事で「縦振動」というワードを使った翌日のお勧めには、Jiraudさんのショップで撮影された古い動画が含まれていました。aiさんは熱心にnoteを読んでらっしゃる。驚くほかありません。

ともかく、仕事に使う道具としてはカスタムしたCrewsの5弦で基本的には満足していて、ライブとかパフォーマンスを見せなきゃならない用に24フレットあってローB弦のピッチがしっかり聴き取れる選択肢を必要としたのが、今回物件を探している所以です。絶対条件、それも揺らぐかもしれませんが、弦間18mm以下(18.5mmでも広く感じる)、ナット幅46mm以下といったナローネック仕様であること。34インチにずっとこだわっていましたが、Sugiを弾いて35も容認した、という次第です。今の所マルチスケールには進まないつもりです。

STRを気にしだしたのは、マダガスカルローズウッドとアッシュを検索ワードにした時に、TE548が引っかかり、70年代位置のピックアップ・ロケーションといい、スペック的にぴったりはまったからでした。その後の流れはこのところ、ずっと書いてきたとおりです。

一方、これも以前に述べましたがパーフェロー指板も良いと考えている要素でしたので、それで調べるとハリーズのDragonflyがヒットしてきます。大方345という34.5インチ仕様だったので、当時は除外していたのですが。

最近のYoutube履歴から、Dragonflyを製作する戸谷さんのインタビューが勧められており、拝見したところ、とにかくピッチのいい楽器を作りたいとする動機が根本にあると聞いて関心を持ちました。ピッチ大事。

というのも、こればっかりは主観なのだけれど、アンサンブルをやって決まってる感が得られるかどうかというのは大事なポイントで、名前を出して申し訳ないのですが、自分の使っていたコッポロもF(34インチ)も、それで手放しました。音は合ってるのだけれど、時々合ってない感じがしたり、みたいな。もう気持ちよいか良くないかの、もしかして気のせいかもしれない部分です。特にテンションバーというやつが、ナットとの間で弦をこじらせてる気がして、そういうのは交換するか、楽器ごと使わなくなるか、という展開を繰り返してきました。

おそらくは、録音の現場ではミュージシャン以外から、ピッチの話が出るのだと思います。彼はうまいんだけど、なんか合ってない気がするんだよね、といったコントロール・ルームでの内緒話がイメージできます。戸谷さんはそうした声を拾って、楽器製作に反映させてきたようなのです。

もうひとつ、ハリーズのブランドであるWeedの製品が以前より好きで、最初は既製品の改造みたいなことをやっていまして、例えばアーニー・ボールのボリュームペダルでポットを取り替えるなどの例が成功しています。私はボリュームペダル・マニアックなので相当に試しましたが、今メインなのはWeed modのペダルです。持ってるものの中では、これが一番いいんです。

といった履歴を持ちながら、外観が少し無骨な印象のDragonflyのベース群を敬遠するのは、今こそ改めようと思いました。戸谷さんのインタビューで印象的なのは、35インチにするとA線の音が違ってきてしまう(まぁ製作家がイメージする良きサウンドとは、という意味で)という部分で、ですからハイC弦を張る6弦の楽器には、あえて33インチという設定を行うのも、考え方としては支持したいものであります。

たしかF-bassのジョージも、自社が34.5を標準とするのは妥協点であると述べておりますが、ローBは34では駄目、A線は35では駄目、となるなら間を取るしかない、という見方で共通しています。いやこうなってくると、もう答えはマルチスケールしかないんじゃないか、ということになりますが、まだ私はこっちで踏ん張りたいと思います。

近いうちに時間を見つけてDragonflyのベースを、全数なんて言わないから、少しでも弾いてみたいと思います。ちょっと調べるとダブルコイルのPU搭載機が多いのですが、私はシングルコイルの方がいいです。で軽いとなると、あれか、あれ、みたいな…。ちなみに、だいぶ昔に某アンプヘッドの試奏時、中古の4弦を店頭でお借りして、それが凄く良かったのを覚えています。テレキャスターみたいなボディシェイプでしたが、翌週に行ったら売れてしまっていました。

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