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Mayones Caledonius 6について少し

昨日のライブで入手したてのベースが初の本番をこなしましたのでご紹介したいと思います。一緒に登場した愛用のフレットレスとも比較します。

ポーランド製の楽器で、特にエレキギターは売れまくってるらしく、エレキベースのリードタイムは約2年とも聞きます。一時、好きなスペックで作れそうだったのでオーダーを考えたこともありましたが、しないでおいて良かったかと思います。その2年間は特に大きく嗜好が変化した時期に当たり、出来上がりに不満を抱くことが高確率でありそうです。一言でそれは弦間を狭くしたいという部分ですけれど、5弦の19mmは全て売り18mmのみ残して、6弦も実は1本残して全て手放しています。それが後で説明しますK.Nyuiの6弦フレットレスとなります(以前に改造箇所など紹介したことがあります)。

カレドニアスはメイワンズとしては初のシングルカットデザインであるだけでなく、27フレット指板としてはたぶん2作目のロングネック仕様、またシングルカットにモンキーグリップデザインを取り入れた「くり抜き」を特徴としています。メイワンズのベースとしての基本仕様に870mmスケールというのがあって、フェンダーよりも6mm長く取っているのも個性ではないかと思います(オーダーで34インチも可能なので前段で企んでいたのはこの部分です)。これが障壁かなとずっと信じていたのは、試奏でも最高の快適さではなかったからですが、こちらのカレドニアスを弾いた時に、二択で迷っていた他機種が864mmであるのに対して、まるで弾き心地の不利を感じなかったのが時間の効果と言いますか、不思議です。

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この個体について推測を交えて成り立ちを話します。1982年創業のメイワンズの35周年行事が2017年の6月に本国にて開催され、日本のディーラーも招待を受けています。その場で選ぶことのできる木材を使用したスペシャルモデルが数本、後日輸入された中の1本となりまして、楽器店は即座に試奏動画をYoutubeにアップしています。その日付は18年9月20日ですので、この時はリードタイム1年で製作されたことが窺われます。シリアルナンバーの末尾2桁が19で終わっていますので、当初19年モデルと思いましたが、逆に冒頭2桁が18、続く2桁が06なので18年6月生まれなのでしょう。もうすぐ3歳。

ディーラーの指定した細目はわかりませんが、ボディトップにハンドピックで選定したバールメイプル材を使い、表面をパープルに、背面をブラックにサテン塗装する外観と、まさに記念モデルとして奢られたのが指板トップとサイドにグリーンのLEDを仕込んだことでしょう。かつてネックエンドとネックPUの隙間を広げるための26f仕様を見たことがありますが、不思議と27f指板によるスペースの狭さでもスラップは問題ありませんので、既にその議論は終わったようです。

エレクトロニクスはAguilarのSuper SingleとSuper Doubleの組み合わせで、プリアンプにMayonesオリジナルの3バンドEQを内蔵し、パッシブトーンも備えています。私はブリッジ側(Super Double)にやや寄せて、アクティブEQはセンターにしてトーンを3割くらいカットした位置に合わせて気持ちの良い音が得られています。

以下に実測でのサイズ比較を掲載します(クリックすると少し拡大します)

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K.NyuiのPUロケーションがネック側732mm、ブリッジ側815mmでしたが、私が求めているよりも双方ともブリッジ側に寄っていて、フレットレスの美味しい音色を得るのに痛痒を感じます。一方ボディの小ささから、見た目上はブリッジ寄りに思えるCaledoniusは723mmと813mmで、6mm長いスケールを34インチfに換算して配置し直すなら718mm、807.4mm(いずれも数値はナットからPUカバー中央までの距離)と、かなりオーソドックスな取り付け位置ですので扱いやすさも頷けます。ちなみにジャズベース(60年代仕様)上だとどの位置になるか画像に示します。

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フロント・リアいずれの場合もPUカバーの縁のあたりにセンターが来るようになっており、特にリアがダブルコイルになっていることを考慮すれば、ほぼJBの60s位置で振幅を拾っていると言えます。70年代位置との比較は、今該当する楽器がないのでコメントできません。ちなみにPBをフリーダムで測ってみますとスプリットコイルの低音弦側がネックから713mm、高音弦側が741mmとなります。このカレドニアスがアッシュボディであることも含め、PU配置の妙によってフェンダー的な、言い方を変えればオーセンティックなトーンを出しやすく設計されていることは確実です。その証拠に以前はBartolini(セラミック)でしたが、今はアルニコ5を搭載するAguilar製に替わっています。その上で、私の好みとしては、もう少し力強い音が出せればいいなと感じたので、むしろセラミックの何かに交換を考えています。アルニコ5は全般に好きではないので…。でもまぁ先の話ですね。

LEDを搭載しているので9Vバッテリーを2個必要とします。背面にバッテリーボックスが2個あるのですが、サイトで確認するとLEDのない通常のモデルでも同様です。18Vで動作するプリアンプで、LEDへの配線はプリアンプと共有しているのですかね?裏蓋は開けていないけれど、もう一個中に入っているのかな? それで、そのボックスがドライバーなどの道具無しで開閉できるものなのですが、非常にタイトでボックスの爪を早速折ってしまいました。昨日の本番直前に気になって電圧を測ったら7V台と8V台だったので、慌てて近所のコンビニでパナソニックのアルカリを2個、1000円以上払って買ってきて、1stセットがもう始まるというのにステージ上でバタバタと作業しました。蓋が固くて焦りましたね。折れても固定には問題無いのでこのまま使いますが、次の交換の時蓋が開けられるかどうかちょっと心配。離れたところに配置される独立した2個のバッテリーボックスですが、たぶん直列にしていて、そのために合計16V近くを保っていたので、減っていても音は出ていたということも考えられます。間違っていたらごめんなさい。

スペックのところで比較したナローネックのK.nyuiはやはり楽ちんです。

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これもちょっとコンディション良くないのでなんとかしたいですが、昨日の本番から持ち帰って今日、順反りしてるんですよね。先にお話ししていたKnoorenができあがるまではこちらがメインなので、頼みますという気持ちが強いです。下は同じくJB上でのK.Nyuiのマイク位置です。

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6弦なら16mm最強と思うのだけれど、ネックの幅がちゃんと狭ければ17mmも可です。以前にAdamovicの6弦でナローネック仕様が店頭にあったのですが、迷っているうちに売れてしまいました。あまり間を開けずに同様のがもう一回入荷したのですが、その時も慎重にしていたら入手できませんでした。その後は6弦でのナローは見ていません。あまり人気がないのでしょうか。あ、33インチはあったかも。僕は34インチがいいですね。34.25(メイワンズ)は誤差の範囲でOKですが、34.5はF-bassの経験から手を出さない方が賢明だと思っています(あくまで個人の感想です)。

そんなわけで、今はこの2本に満足ですし、持ち替えの違和感が全然ないのが嬉しかったです。頑張って使いこなしていきたいと思います。
では今日はこの辺で

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