糸巻きの精度について

これは昔から、ことあるごとに各方面で喋っているので、私をご存じの方はまたかと思われるかもしれません。どうしてもベース用のゴトーのストリング・ペグ(マシン・ヘッド、チューニング・キー、糸巻き)が腑に落ちません。

現状メインで使用しているdragonflyにはGB707が採用されており、私にとっては久々のゴトーのペグとなります。所有するフリーダムCGRのPBはGB640へ交換してあるのと、古い国産のエレベのいくつかに搭載されておりますが、これらを仕事では、ほとんど使用しておりません。そう言えばKen SmithだってF-bassだってGotohがデフォですが、もう持っていないし…。

というわけで、演奏仕事自体ここ3年間激減してしまった影響もあるけれども、長らく持っていくベースの全てがHipshotのペグを搭載しています。多くは元からではなく、Gotohからの載せ替えですが。だから久々と書いたわけで、現場で、あぁこれに悩んでたんだということを思い出しました。

Gotohは日本の技術力が高いことを謳います。シャフトとギアのところに、わざわざ計算された「遊び」を設けているというのです。それが原因と確信していますが、なのでピッチが安定しません。本当に困ります。

演奏直前にピッチを入念に合わせて弾き始め、しばらくすると聞こえによって怪しくなり、確認すると合っていません。それが上ずっていたり、下がっていたり様々ですが、ではそれを修正しようと、例えば上げる方向へペグを触るとカクッと動きます。ペグボタンは、その微小な抵抗感で回るのですが、そのときペグポストのギアには噛んでいないようで、チューニングメーターに変化はありません。で、それ以上のところへ、つまり僅かにギアを回してメーター上でピッチが合うとしても、またほんの数分で、今度は上がりすぎたり下がりすぎたりということが起きています。

ですから、そのカクッときたところで止めるのがコツではありますが、その時点ではピッチは修正されておりません。Gotohのチューナーは、少なくとも私の経験する限り、このように必ずお釣りがくるのです。1日を通じて非常にストレスが溜まります。はっきり言いますがHipshotでは皆無の現象です。

Gotohに確かな技術力はあると思います。例えばウクレレ用のUPTは鉄板です。これ以外有り得ないと思います。不満が無いどころか理想だと断言します。翻ってベース用はどうなんでしょう。私は、搭載されたベースを弾いている時、日によっては気が狂いそうになります。

というわけで、dragonflyも早晩Hipshotのウルトラライトへ付け替えるつもりですが、今までのUSAではなくて、ここでひとつLicensedの方を試してみようかと思っています。値段が半額であるから不安でしたが、Sadowskyなどでの使用実績があり、トップビルダーの一部にはUSAより好んでいる方がいるようです。


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