お名前

先週末、フジサンケイレディスクラシックでルーキーの神谷そらさんが初優勝を飾りました。彼女はプロテスト1位合格だったそうです。そうした凄いプレイヤーが続々とデビューする世界で、ベテランがどう生き残っていくのか、やはり私の関心は、少しそちらに向いています。

そら、という名前は平仮名表記であることを含め、印象が良いです。今月最初のトーナメントでは、ベテランと言える穴井詩さんが4年ぶりに優勝しており、一気に注目選手の一人になりましたが、以前より、詩と書いてララと読む、上品な方のキラキラネームの範疇かと思いますが、そちらはプラスにもマイナスにも印象が振れてしまい、その意味で2度と忘れないお名前であるとは感じます。

私が末席を汚す芸能の世界では通称というか、芸名が当たり前となっていて、デビュー時やキャリア途中の改名も含め、マーケティング的な思惑を孕んで検討される、ひとつの「表の顔」の体を成しています。

一方、スポーツの世界、他にも私の好きな棋界などでも同様に、プロフェッショナルが本名を使っていることが殆どではないかと思います。その所以は、たぶん子供の頃から地域の垣根を越えて競い合ってきたからでしょう。プロ野球選手となるような有望な若手は、高校時代にも全国に名を知られていたりします。そこから地続きでプロになれば、アマチュア時代の名を、本名を継続使用する流れは自然なことです。

珍しい例として真っ先に思い当たるのはイチロー選手ですが、真意を存じないながら、苗字の鈴木人口が多いための、差別化を目論んだ登録ではないかと察しますすが、それひとつとっても野心家の証明と言えますでしょう。

海外の人々が公式な場でも通称を用いている自由さを羨ましく思うこともあります。イチロー選手は、そもそも米国でのプレイを視野に入れていたのかもしれません。アメリカで出会った台湾出身の留学生は、Bruceと名乗っていました。英語名というやつでしょうか、事情に明るくないのでわかりません。

ジャクソン・ブラウンという人がいて、ジャック・ジョンソンという人がいる。省略名で良しとしたり、正確に名乗りたい人もいるのは面白いです。そしてジョー・ジャクソンのジャクソンは、では苗字なのでしょうか? さっぱりわかりません。あ、マイケルはジャクソン家なのだから先の二人が意味不明なのか…。

ミドルネームというのも書面に記入欄があったりして、日本人としては空欄が必至ですが、それが通称であったり、はたまたクリスチャン・ネームというものであったり。日本の、おそらく法的に厳密に決められているのでしょうが(戸籍法?)、「うじ」(氏)と「な」(名)のみで個人名が形成される、というのがひどく窮屈な気がして参りました。

Family nameとGiven name。それに加えて、自らが、相応に自己表現の狙いを込めて、自身の名を決められるとよいのですが。まさに芸名というようなものです。個人事業主が確定申告する時、屋号またはペンネームを記入する欄がありますので、税法のみならず、身分証明たる書式へも記載するようにしたらいいのです。そしてそれは、個人の特定には優先されることにします。戸籍名は、むしろマイナンバーの数列みたいな役割にする。素性を明かさねばならない時以外は用いないで済むようにするのです。

自分で決めた別称が、公式に記帳され、登記された個人情報として扱えるようになれば、夫婦別姓を希望する人々に、事実上の解決を示すことができるのではないでしょうか。

とは、ただの思い付きであり、特段グッド・アイディアと思っているわけではありませんが、私も別の名をもって活動してみたい気がしてきました。てなことに考えが飛んだJLPGAの結果でした。



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