カーナビとカーナビアプリ

タイトルが示す大きなカテゴリーの話を包括して喋る気はありませんで、一身上の些末な出来事について記録します。4月4日に納車された、前期型のDS3クロスバックの操作性について、苦言を呈する中の一説として書き残します。

先週苦しめられた腰痛の原因として考えられることのうち、気候の不安定さを除けば、車両入れ替えに伴うドライビングフォームの大きな変化くらいのもので、それについては徐々に妥協できるシートポジションを得られつつあります。が、満足には至りません…。

ダッシュボード中央にタッチディスプレイが屹立しており、エアコンからオーディオまで、ほぼ全ての設定や操作は、その表示を出して、直接指先で触れて変更を加えるという現代的で、圧倒的に不便な仕様となっています。

そして、当然ここにはカーナビゲーションのマップも、そのモードへ切り替えることで表示されます。カーナビのハードウェアがインストールされていれば、ということですが。

このタッチディスプレイは、全体で9インチほどのサイズがありながら、大きな黒枠を残した、中央7インチ(対角で180mm)の領域しか液晶になっておらず、その理由は日本製のナビの仕様に準じているとのことです。よくわからないのが、カーナビ以外の表示も、その枠内でしか活用されることは無く、筐体の馬鹿でかさは目障りなだけで無駄でしかありません。しかも、ドライビングポジションとの兼ね合いで、体を起こさねば触れることができない距離にあって、事実上、走行中にエアコンを点ける、といった操作は危険行為に見做されるでしょう。何回かタッチしないとそこへ辿り着けませんからね。エアコンは、オフにするのだけは別のハードウェアボタンで行えます(オンにはできません、なんのために?)。

でナビなのですが、私が購入した元試乗車にはオプションアクセサリー扱いのカーナビは搭載されていません。シトロエンのカタログでは、これらは25〜27万円ほどのオプションです。500万のクルマに、カーナビがその価格でオプションって、私にはよく理解できないです。付いてるのが普通では? このディスプレイはアップルカープレイとアンドロイドオートに対応しているので、車載ナビなんて時代遅れでしょ?と主張しているともとれます。だったらなぜ、7インチなんでしょうか。矛盾があります。

でiPhoneとiPadとXperiaを所有しているので、iPadは接続できないけど、それらを繫いで各種マップ系のアプリを使ってみました。が、ひどいものです。

7インチはiPhone 15pro maxよりも、もちろん表示面積は大きいものの、解像度に別次元の差があって、体感で画素数がSDと4Kくらい開きがあります。結果、マップ系アプリの地図が、切り抜いたようにエリアが狭くなります。尺度を変えても情報量が少なすぎて、少なくともそれは私がこれまで車載カーナビで見てきたものとは雲泥の差があります。だったらiPhoneやiPadそのもので見た方が余程マシ。

で、ルート案内に関して、アップルのマップ、グーグルマップ、ヤフーカーナビ、コッチ(パイオニア製)を試しました。以前、ミニに乗っていたときにも、既に車載カーナビとiPadで使うヤフーカーナビを同時使用しており、アプリの方が、その予測の正確性と適格性で勝っておりました。

ヤフーカーナビは、ずっと昔に買いきりで3千円だかそれくらい払ったのに、いつの間にかサブスクに変更されており、無料ユーザーに堕していました。一応ヤフーのIDがあって、何かとカスタマイズされているようではあるのですが、毎度毎度保険だの、タイヤの買い替えだの、あらゆる営業が絡んだり、車種に関してヤフー質問箱に回答するよう言われたり、うるさくてたまらないのは、まぁその精度の高さをもって許せる範囲としていました。

コッチは無償だと使いもになりません。ルート案内は3つ4つ提案してくるのですが、結局そのうちの1つだけしか案内してくれません。もし良いと思えるルートがあっても、それを選択すると有料会員になれ、という案内ページに飛ばされ、そこから戻ると目的地検索からやり直しをさせられます。そして、iPhoneで運用するコッチとiPadで運用するヤフーカーナビで、「用意ドン」させると、ご想像の通り、コッチの案内ルートはベストなものではありませんので、何度やっても(無料版)ヤフーの勝ち。ヤフーの場合は、提案される複数ルートから、好みのものを自身で選ぶことができます。

一応、個人的なランキング申しますと、カーナビ的利用において、ヤフーカーナビ>コッチ>グーグルマップ>アップルマップの順で使いやすい。iPadでヤフーカーナビを運用するという、ミニ所有時代からのルート案内法で十分ということになります。

その頃のことを書きます。ミニのセンターディスプレイは大型で8.8インチだったかと思いますが、2018年式に採用される純正ナビは、操作がジョグダイアルからになるので、文言の入力がストレスフルで使い勝手は良くなかったです。が、ディスプレイを縁取るLEDランプが、曲がるべきコーナーが近づくと設定色に点灯して知らせてくれるという便利機能がありがたかったです。それにより、案内ボイスを切っていても注意喚起してくれ、その際ちらっとマップを見てルートを誤ること無く進むことができました。音楽をミュートして割り込んでくるルート案内が大嫌いですが、重要な案内をさせる場合はiPadからヤフーアプリの音声を鳴らし、ミニが光ると車載の地図を目視するといった複合での運用法が快適でした。

DS3のタッチディスプレイにスマホを接続してナビアプリを使う際、同じスマホ内の音楽を再生できますが、それは音声案内によって中断させられます。これをやめさせる方法が見つかりませんでした。ナビの音声は他から出てきて欲しい。

そんなわけでポータブルナビも検討しました。パナソニックの「ゴリラ」とケンウッドの「ココデス」という候補があって、以前ユーザーだったケンウッドの表示が見やすく好きですが、VICS WIDEはパナの最上位機種のみで一択です。そのG1500VDは7インチ。ケンウッドには9、7、5インチのバリエーションがあって、それらを型紙を作って車載可能か実車で試しましたが、結論としては無理ですね。見えるところでは、もう設置場所がありません。

じゃぁ7インチのディスプレイあるのだから、25〜27万する純正ナビはどうだろう?と、このようにストレスが溜まると、打開のためにコスパを考えなくなる悪い癖で、本気で搭載を考えているのが今の地点。良くないよね。

DS3は頭にくることがもう一つあって、センターコンソールに非接触充電器を装備しているのが「売り」でもあって、取説にもそう書いてあります。ですが私の所有車には、その部分はただの「物置き」で装備がないのです。タッチディスプレイの入力用にUSB端子が1個あって、そこへはUSBメモリを挿しています。DS側はAIFFを認識せず、WAVとMP3系しか再生しません。AIFFはスマホを繫ぐことで再生できるのですが、曲送りとかサーチ機能がプア過ぎて(面倒なことを色々やれば可能ではあります)、ただ垂れ流すのみという利用法になってしまいます。いくらフォーカルを積んでいようが、運転中に聴きたい音楽を、視認無しに選択できない。メニューを辿りリスト表示させたタッチディスプレイからできなくもないが、それって走行中にしてはいけない、と思う。今言ったようなこと、全てミニでは可能でした(ミニはね、標準装備のオーディオでも非常に音が良かったです、何の不満も無かった)。

今構想していることは、車載カーナビを入れて、タッチディスプレイではその地図を表示する。アプリで同時運用するスマホかタブレットでルート案内の音声を車載オーディオ外で鳴らす。オーディオはUSBで圧縮音源を再生する。という使用法になります。試してないけど、Bluetoothでスマホ内の音楽を飛ばせるかもしれません。そして、それらの外部機器の充電は、センターアームレストの下にあるシガーソケットから有線で取る(普通はダッシュボードの側にあるよね?)。第三者から疑問の声が上がりそうですが、やりたかったことをやるとすればこうなります。アホな無駄遣いを避けるためには、運転中のルーティンを見直す必要があり、大袈裟に言えばライフスタイルのパラダイムシフトが求められているかもしれません。ただ、すぐにそれは見いだせなくて、まだまだ試行錯誤が続きそうです。

最後に、なぜカーナビ専用機を求めているか、について記します。還暦超えとなり、ますます記憶に自信がなくなってきました。グループレッスンに新入会者が現れたとき、既存の生徒さんを紹介したりします。全員の名前を当然把握していますが、端から一人ずつ、名を言っていくうち、例えば4人目くらいのところで、その方の名前が急に出てこなくなったりします。こんなことが日常、当たり前です。今朝も、定年で先月お辞めになった「伊藤さん」という方のお名前を、ずっと「加藤さん」と呼んで別の社員の方と喋っていて、その時待機されていた生徒さんが「加藤さん」でしたので、自分のことかと思って輪に入ってきましたが、それで私は思い違いに気付いたという次第で、本当に周囲に迷惑をかけてばかりです。

それと同根の問題ですが、これから行く目的地の名を思い出せないことがあります。アソコの○○へ行きたいのだけど、なんだっけ、となってスマホで検索ができないのです。仮に御茶ノ水のイシバシ楽器へ行こうとして、御茶ノ水の、あれなんだっけ、何楽器だっけ?と迷って、じゃぁ駅までのルートでいいや、と頭を切り替えた瞬間に、えっ?、今度はどの駅なのか忘れてしまっています。これは実例ではなくて、創作ネタですが、そういった、固有名詞が出てこない病の弊害で、「検索」そのものが非常に苦手になっているのは、たぶん高齢者のあるあるなんだと思います。

ですから、自分の検索履歴、あるいは訪問履歴といったメモリーを頼りに、その日に行く場所をルート案内させる、という使い勝手がカーナビに求められます。パイオニア製コッチでは「お気に入り」としてメモリー可能ではあります。ミニに搭載される純正ナビだと、メモリー地点を、現在地からの距離順に並べ替えるメニューがあって嬉しい機能でした。例えば青海の展示場へ行くとなれば、近い方から順に見ていけば、然るべき距離感の位置でそれを発見することになります。つまり、設問に対する回答を筆記で行うよりも選択で行いたい、というわけです。ナビアプリもマップアプリも、そうしたリストを作れないような気がしていますが、私が無知なだけでしょうか。もっともDS3用の純正ナビにそのような便利機能があるかどうかは不明です。が、少なくとも登録地、あるいは案内履歴、といったリストから今日の目的地を見いだすことができるだけで、スマホ/タブレットのアプリよりは何百倍も使いやすく感じるのです。戸惑いつつ高齢者である自身を受け入れるしかないながら、ガジェットはその助けでなければならないと切に願います。以上、本日の愚痴、おわり。

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