新しいSTR

イケベ楽器店ベースコレクションに行ってきました。デバイザーのブランドSTR GuitarsのTEというニューモデルが4弦4本、5弦5本、本日までがフェアということで並んでおります。販売価格が最も安い4弦の407000円から最も高価な5弦、625900円と結構な開きがあり、その差は使用する木材と仕上げに関わるアップチャージと見られ、基本的な仕様は統一されています。

私は、とある1本のスペックに目が留まり、試奏しに参ったわけです。以前、noteにてイタリアのブランドAlusonicについて多くを語りました。依然として興味を持っておりますが、オーダーの見積を求めた結果が大変高価にございまして、いまや躊躇する気持ちが芽生えています。であるならば、現市場にあるものを購入するのが良いのではないか(そちらは462000円)と考えるところもあります。白紙撤回ではありませんが、まだ少し迷ってみようと熱を冷ましたタイミングで、このTEを知りました。

TEはトラディショナル方向へデザインを見直した24フレットモデルです。おそらくはオーダー可能でしょうが、5弦はいずれも548というナンバーが振られています。即ち5弦・34インチ・弦間18mmを意味しています。これまでSTRは549などの19mmピッチのものが多く流通してきた印象で、このような新しいモデルの規範を18mmで造ってきたことに、まずは関心を寄せました。

この時点で、フォーマットが、私の欲しい形となっています。もちろんAlusonicも同様でした。しかしここでは、ボルトオンネックの、ボディへの仕込みを浅めに変更したために広がった、ボディトップと弦のクリアランスを適切に保つためにピックガードを標準装備。2ボリューム、1トーンに3バンドEQとアウトプットジャックが、このピックガードに乗せられますがどうでしょう、私の理想とする形なんですが…。

もう一点、以上の9本に共通するのはAguilar 4J/5J-HotとOBP-3の標準装備です。J-Hotは弾くのも見るのも初めてでした。ポールピースが大径、巻数も増やしたパンプアップ・バージョンです。それらの野蛮なパンチ力が、各種のラスティックな仕上げが表すワイルドな意匠に見合うものとなっています。

詳しくないジャンルなんで的外れかもしれませんが、ふとレッド・ホット・チリ・ペッパーズのような音楽への適性を感じました。フリーの音が出るという意味ではありません。楽器のエステティカルな方向性、エレクトロニクスのクセが妙にマッチしております。うまい商品企画と思いました。ある意味、若い世代へのアピール力があるように感じます。

ボディ材は、アッシュ・アルダー・トチなど。指板材はマダガスカルローズウッド・マッカーサーエボニー・メイプルなど。トップ材を貼るものもあります。ネック材は3ピースプライのメイプル。どの組み合わせもヘビーボトムとざっくりと切り込みむハイエンドを持っていて「使える」音でしょう。どれも良い、という言葉の裏付けとなるでしょうか、ボディ材を当てるのが難しいような、統一された印象を与えられました。

さて、私自身の楽器として迎えるにはどれが良いか、という部分で、5弦5本のうち3本が候補に残ります。面白いことに、その3本は指板がそれぞれ異なります。先日、指板から楽器を選びたい旨を書いておりますが、それがここでは通じません。もっとも、先で取り上げたパウフェローは、ここにありませんが…。

そしてピックアップはまだ良いとして、個人的にはOBP-3が嗜好に合いません。あれは繊細さを太い線で塗りつぶすように感じます。わかりやすくするために言い方を変えると「綺麗な」音になりません。そこが不満です。ですが、レッチリをイメージしたように、ああしたパワーポップには向くのです。しかしオンボードプリアンプに、そのような変換を、私自身は求めません。(この続きは明日にでもまた)

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