ブギウギ

朝の連続テレビ小説は、すでに5週を終えようとしています。ようやく感想を述べられるようになりました。というのも、録画がたまる一方で追いついていなかったからです。頑張って、今朝(木曜日)の分まで見ました。今週は号泣。

スタートは例の如く子役からで、だいたい私はその頃のお話が好きです。子供の視点というのは、いつも新鮮で(大人が作ったものとは言え)感動と共に学びがあります。今回は短いスパンで趣里さんにバトンが渡りましたが、非常に良く似た二人で、時間は飛ぶのですが、人物は本当に連続しているように見えました。

上方言葉の激しい応酬は賑やかしが過ぎるようにも思われたのと、2週目くらいまでは、どこか既視感のあるエピソードという、一種のステレオタイプを感じ、リタイアしようかと思っていました。ですから、すぐに大人になり、芸能の世界に飛び込んでしまったのは良かったです。作品への興味が少しは引き伸ばされました。

そのうちに、何が素晴らしいって趣里さんが圧巻で、あぁこれは見る価値があるなと思い知らされるのですが、それでも録画を空き時間に優先的に見たいとまでは思えなかったのです。ゴルフと将棋とF1に忙しくて。一方、夜は『ミワさんなりすます』が開始し、こちらは原作漫画の連載を読んでいますので要チェックというわけで、どちらかと言えば後回しになりがちでした。

ミワさん、の方は、これまた俳優がよくやっており失望は全くありません。劇中歌がドラマのスリルを程良く緩和してくれ上手い配剤だと思います。15分枠というのは、まさに連載に匹敵するボリュームで、この作品のドキドキの展開には合っています。1時間枠だとしんどいかもしれません。

話を戻してブギウギですが、ひとつ気になるのは劇伴のサウンドがハイファイ過ぎて昭和初期に馴染まないところです。ビッグバンドのキレが良すぎるのも同じ意味で乖離を感じます。自分が昭和の人間だから、当時聞こえてきたはずの音像で流れてくれば良いのにと思います。マイク1本、あるいは2本を一発で録る、という当時の録音法でやれてたら琴線に触れることでしょう。ロウファイを望むのはかえって贅沢かもしれませんが。

9/15の記事『テレビドラマが続々、終わっていく』で芹沢興人さんに触れ、宇野祥平さんの名も並べたところ、なんとブギウギに出ていらしてびっくり。もちろん彼を見ることができてとても嬉しいですし、いい役どころを的確に演じていらっしゃいます。楽しみです。

今朝、昭和12年ということで母の生年になりました。母は踊りが好きでSKDに入りたかったという夢を語っていました。そうはならず日舞へ進みましたが、そうした事情で私にはこのドラマをとても生々しいものとして受け止めてしまいます。

ドラマではその年、SKDをモデルとしたUSKの花形だった大和礼子(蒼井優)が急逝するという報せで閉じ、明日の展開が待たれます。今週、香川での一件も胸が締め付けられる思いで見、そこに居る全ての人物が、役者ではなく、その役として生きている様子を見終えて実感するという臨場感の創成には喝采を送りたいです。

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