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うちのJWB-JP-JB V

今年の買い物、第一弾となったJ.W.Blackの国産5弦ベースについて、ネック回りの測定を行ったのでアップしておきます。()内はメインで使っていたCrews Maniac SoundのBe Bottom' 21の値です。

ネック
ナット幅 43.35mm (46.6mm)
12F幅 61.05mm (64.9mm)
20F幅 74.55mm (72.5mm / 21F)
ナット厚み 25.6mm (NA)
ネック端厚み 25.6mm (25.2mm)

ボディ側ネックポケット
最大幅 76mm (72mm)
縦幅 100mm (99mm)
深さ 15mm (15mm)

両者を比較した場合に、JWBのローポジションでのスリム具合が際立っていることに気付きます。これは理想です。Crewsでも許容範囲ですし、その細さも得難く、何本も買い替えをしてきた末の到達点でありますが、更に3mm以上削ってある。で、その反動での錯覚とは思いたくありませんが厚みは程よくあって、剛性は十分な気がします。今度Crewsも測定します。

JWBはナット部が狭い反面、20F側のネック端が幅広で、F-bass以上にテーパーはきつい気がします。けれどそれをネガティブに感じることはありません。ネックポケットの最深部(ボディ中央側)の幅がCrewsよりも4mmも広く、ネック自体のボリューム感は、雰囲気的に19mmピッチフルサイズに近いものがあります。これだとスラップがやりにくい、といったことは余程の拘り人でなければ無いでしょう(と私は思う)。

たぶんオリジナルデザインのブリッジが、ボールエンドからサドルまでの角度が浅く、弦の折曲げが緩やかです。ナットからペグポストへの傾斜も同様に緩く、ストリングリテイナーにはゴトーのRB30という足の長いものが付いていました。自分の楽器では全てこれに交換しているのですが、デフォルトで装着されている事例を初めて見ました。弦に掛かるテンションを意図的に弱めて、素直に振動するよう設計されている点、共感できます。各弦のイントネーションを決める際に、スケール理論値からの乖離を最小にとどめる利点も得られるでしょう。

ナットからピックアップまでの距離は、実測ネックPUで708mm、ブリッジPUで799mmで、60年代のジャズベースに準拠するものです。私自身は707mm、798mmをリファレンスとしていますが、共に1mm下がっているとは言え誤差の範囲であり、基準は同じです。ブリッジ側を808mm(ネック側707mmの場合)へと下げれば70年代ということになり、どちらかというと個人的には70推しです。

この楽器を大枠では気に入っていると言って差し支えありませんが、そもそもCrewsでも文句があったLo-B弦の鳴りが、このJWBでも全く駄目で、そこはこれのために売ってしまった、34.5インチスケール(だけの理由では無いにしても)のdragonflyにまるで叶いません。あのベースは音では完全に満足できていました。

そんなわけで、私の5弦ベース、今は仕事をぽつぽつとしかできていませんが、仕事用のメイン楽器たる位置に、最終的にこのJWBが嵌まるとは考えにくいです。でもひとつの指標を与えてくれた意味で、所有する意義は大いにありました。完璧な調整を施して、これからもうしばらく使ってみます。


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