Gotohの現行ベース用ペグについて

昨日のアップをしてから、あわてて調べたところHistoryなどに採用されるGotoh GB2は、GB640(軽量モデル)とパッと見でもわかるくらい互換ではありません。それなのに、ちょっと古い上級モデルに常用されていたGB9と(要は数字が一桁なので)、型番からの連想だけで同型と思い込んでしまいました。

GB640はGB9の素材を変えて軽量化したモデルで、GB9は随分流通してあちこちで見ていたため(たぶんFender互換?)、不朽の名器と勘違いしましたが、軽量ペグの需要が上回ったのでしょうか、GB640(GBR640も同じ)に代替となってしまって姿を消しました。

そう言えば1974年製のジャズベースを持っていたときにもGB640へ交換していましたから、やっぱりGB9は、なんといいますか昔のフェンダーに取り付けられていたペグのコピーなんでしょうね。トルク調整機構とか、むろん工作精度とかでアップグレードを目論むアフターパーツとして世に出たのでしょうけれど。あまり詳しくなくてすみません。

糸巻きの重量が重いためにヘッドが下がる現象、ネックダイブとも言いますが、これが大変困りますので、なぜなら私は右腕を楽器のボディに置かないで弾くからですが、楽器の鳴りをマックスに持って行けなくても軽量ペグには、絶対に交換します。ですから、所有して、現場で使う楽器は全部HipshotのUltraliteかGotohのGB640(もしくはGBR640)に交換済みです。

今、Gotohの現行品をオフィシャルサイトで見ています。このメーカーは、ほんと品番の入れ替わりが激しく、お気に入りパーツが買えなくなることがしばしばあり、エンドユーザーは勿論、楽器ビルダー泣かせでもあります。メーカーとしても生き延びるための戦略を厳しく押し進めることは、大きな目で見ればより重要ですから致し方有りません。

ベースペグは、シャフト径によって大きく2つのグループに分かれます。大径のシャフト(直径14mm)でブッシュ径が17.6mmのもの。ブッシュ径はネックに開けるペグ用の穴のサイズに一致します。フェンダー互換と言ったらこれでしょうか。

GotohではGB9にとって変わった軽量のGB640、GBR640(回転方向が逆に設定されている)がそれです。

他にFB30、FB30LP(いわゆるパドルペグ)、GB2があります。ペグを固定するネジ穴の配置は各機種で異なっており、機種交換には穴埋め、穴開けの作業が必要になります。しかしブッシュは寸法表で見る限り共通ですので、ペグ本体を交換するのは容易です。

以上の機種を重量で見ていくと、重い方から
GB2   110.3g
FB30   104.2g
FB30LP  104.0g
GB/GBR640 61.8g
となります。

GB2が採用されているベースのペグをGB640へ交換すると194gの軽量化が果たせます。ちなみに、Hipshot Ultraliteだと1/2inch(12.7mm)シャフトのモデルがペグホール17.5mmにフィットし、取付方法が異なりますが比較的容易な交換が可能です。

元がGB9でしたら外観が変わらないGB640へ替えますが、それ以外でしたらむしろHipshotの方が、より軽量でメリットが多いです。ペグのつまみ部分の形状が選択でき、それにより微妙に重量が異なりますが、フェンダーのようなクローバー型であれば55gと書かれています。GB2の半分以下ですね。計算上221.2gの軽量化が見込めます。

ところで、Gotohでは、オーソドックスなフェンダーヘッドにフィットする以上の機種以外に、小径のモデルも永く作っています。ギアがケースに入って露出していないタイプです。多くは2:2のレイアウトで使われるような、あるいは多弦にも用いられる、ペグ自体のサイズが小さく設計されているモデルです。現行ではスタンダードなものと、プラスチックペグやアルミのワッシャーを使った軽量なものの2種がカタログに残っています。こちらもディスコンの品番がいくつかあり、昔の製品を探す人も結構いますね。

GB707   60.2g
GB350   31.3g

両者はペグ自体の形状、外観は同じに見えます。取付に要する部品にサイズの違いが見られますが、取付径は一緒です。ポストの径が11mm、ブッシュの径が14mmです。これらのペグが取り付けられている楽器には、Hipshot Ultraliteの3/8シャフトのモデルが、原則取り付け可能です(わずかにブッシュ径が広い)。Gotohに似たYキーの重量を見てみますと、42gとあります。6弦ベースにGB707が取り付けられていた場合に、350へ交換するのが筋というものですが、仮にHipshotへ付け替えても109.2gの軽量化が可能です。

Gotohにはオープンギア型でありながら、14mmのブッシュ径に対応するGB11というモデルがあります。最近、5弦ベースでよく見るようになりました。ベースビルダーは、少しでも自社の楽器の鳴りを高めたいがために、ペグ(あるいはヘッド)は重たい方が良いと考える向きが少なくありません。物理の法則から、それは正解なのかも知れず、私は反論しませんが、そうした需要にマッチする製品がこれです。

GB11   78.6g

重いと言えば重いし、軽いと言えば軽い。繰り返しますが、14mmブッシュ、ポストは11mmですので707や350と互換です。私が持っている何本かの5弦ベースが、オリジナルでこれが装着されており、Hipshot 3/8へと全て交換しました。クローバーキーで50g、5弦分で143g軽量になり、ネックダイブが消えました。3/8inchは約9.5mmですので、ペグポストはだいぶスリムです。本音ではGotohの11mmがいいなと思います。根拠はありません。

さて、多弦需要に応じる形で、私にとってはあまり馴染みのないペグが取り付けられた高級楽器を頻繁に見るようになりました。海外製は、ほぼHipshot一択の状況ですが、国産のハイクォリティな楽器にはGothoが選ばれます。変わり種と言ってはなんですが、特殊な、といいますか上記のブッシュ径と異なるモデルがラインナップされ、ビルダーの支持を受けているようです。いずれもオープンバックタイプです。

GB10  ブッシュ径15mm、ポスト径12mm、重量88.3g
GB528 ブッシュ径16mm、ポスト径12mm、重量48.4g

GB10がデフォルトで取り付けれた楽器は、ヘッド重量を下げることについてはお手上げです。互換の軽量ペグが存在しません。プレート形状は小型なんですけどね。私的には要注意です。

GB528については、これが採用されているベースがヘッドダイブするようなら、いずれにしても救いようはありませんが、たぶんそのような問題は起きにくいでしょう。互換のペグは無いものの、交換需要を考える必要もありません。ペグホールがフェンダータイプよりも小径で済むので、当初から載せるのなら、フェンダー型多弦ベースに有用な選択肢だと思います。

と、ここまで昨日の反省を踏まえて、現行Gotoh製品をチェックしてみました。GB9は貴重かも知れませんね。640とミックスして使っていた人を知っています(笑)。




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