ベース買ったよ

東欧の某国で作られた非常に好みの楽器(5弦ベース)が渋谷の店頭に出ていて、調整中、価格も決定していないという段階でしたので、販売可能になったらお知らせください、とその日は言い残して帰りました。20万円台前半だろうとのことでした。

それから一月ほどは経ったでしょうか、資金の目途も付いたしこちらから連絡してみようかなどと動き始めようとした矢先、過去の検索履歴からのおすすめ商品がメルカリにありますが、偶然にも、見紛うことなきその個体がほぼ倍額、45万円で出品されているではないですか。転売ヤーにやられました。こうやって評価値を超える相場が作られていくのです。

その日の夜、デジマートで久しぶりにベースを検索したところに、かねて興味を抱いていた某国産ベースの中古がトップに現れ、それもまた運命と思い、今度は逃すまいとすぐに購入を決めました。試奏無しで。なにより価格は順当と思われます。

3日後にリハーサルが控えており、そこで試して本番に投入したいという思いから、その旨記しましたら、ご厚情に甘えることができ、無事間に合わせることができました。お店の担当者には感謝しかありません。

アトリエZは、薄型コントラバスを愛用していますが、エレキベースはこれが初所有となります。青木智仁さんの時代では5弦用のブリッジは17mm間隔となっており、以後18mm、19mmバージョンも展開されており、それらの弦間に対応する専用のネックプロポーションで、きちんと生産されるのが間違いなく希有な存在です。

かねてから幅の狭い細ネックが欲しいと訴え続けてきましたが、現行のメーカー既製品としては、おそらく一番細いネックの5弦ベースが、この17mmバージョンかもしれません。代表の本橋さん曰く、一番音が太い、というような、正確な言葉を失念しましたが、音質的なメリットもあるようです。ネックシャフトは細く、その分質量も減りますが、どうやらイメージに反して優れ物なのです。

しかしながら、ナット幅は3種のネック共通で48mmと、むしろローポジションは幅広傾向、ただ実測すれば5〜7フレット付近においても細身にはなってきます。実際に弾いて、少し残念な感じは認めますが、それでも許容範囲です。

この個体は、アッシュボディにローズウッド指板という組み合わせで、メイプル指板を好まない私にピンポイントで刺さります。ローズならマダガスカルであったならば満点ですし、パーフェローも一段魅力を高めてくれるはずなので、仮にオーダーならばインドローズにはしないけれど、それはもうおまじないの一種なので、これはこれで良し。

エレクトロニクスに関して。アトリエZと言えばバルトリーニTCTが定番のところ、本機はアギュラーOBP2搭載でした。2バンドならNTBTだったり、なんならアトリエ製EQ-Mが最高だし、OBP-1でも許せたかもしれません。購入直後のリハーサルでも、本日別件の本番でも、OBP2は、それ自体では望む音が作れないので、個人的には減点ポイントと言わざるを得ません。

それを搭載することをもって、パッシブトーンを廃しているので、ならば潔くパッシブに戻すことを選択します。現状フロントボリューム、バイパススイッチ付きのリアボリューム、トレブル&バススタックという3ノブ構成になっているので、2ボリューム、1トーンのJB標準の回路へ載せ替えます。

今日を迎えるに当たって、昨日ニッケルのダダリオ弦からDRのファットビームに交換し、無加圧の状態からロッドを締め上げていき、ちょうど良いリリーフを得られたと思える状態は、そこそこの順反りでした。ハイ起きが見られるため、全域でバズの発生を最小限に抑えようとすると、好みの弦高まで下げられません。といっても終日のステージに支障を来す程ではなく、弾き心地への少しの妥協のみですから、まずはそれで持ち込むことにします。

仕事を終えた足でSleek Eliteへお邪魔し、ここには過去のリペア履歴で、私の理想値はデータ化されておりますので、預けてしまえば間違いはありません。同時に回路のパッシブ化も依頼しました。

楽器が戻ってから、さらに所感や細部のデータ、画像などを公開するつもりです。アトリエZの代表的な楽器類は、パッシブでも良いことは検証済みですし、今日の仕事でも、パッシブ、OBP2、パッシブ+M-box(アウトボード化されたEQ-M)、OBP3+M-boxを全て試しました。というわけで仕上がりが楽しみです。

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