KickAss Bass Bridge
一昨日リハーサルに持って行っていたのはこの楽器です。Crews Maniac SoundのBe Bottom' 24(オーダー品)です。21フレットの方も持っていまして、4年前にSadowskyをやめてメイン楽器にしました。サドが24フレットでしたので、時々21では困ることもあって、今回のオーダーでは24にしたのですが、それが大きな間違いでした。サドをやめた理由はネックの幅が広すぎたためで、ウィル・リーモデルのように狭ければ手放さなかったかもしれませんが、理想的なネックのBe Bottom' 21に出会ってしまったので潔く交替させました。ですが予想に反して、24の方はサド以上にぶっといネックでした。そのままでは弾けません。
ブリッジの方は、18mm弦間のCrewsオリジナルが載せてありましたが、ナットの方で21に合わせた切り方にして弦を中央へ寄せ、ブリッジの方も、このたびKickAssに交換することで17mm程度まで弦間を狭めました。
Hipshot KickAssは、入手困難になったLeo Quan Baddass IIの亜種として生まれました。しかしサドルが外れるようになっており、ブラスかスティールの素材選択と共に、弦間設定が自由にできることが工夫です。重量級ではあるものの、元々付いていたCrew純正よりも軽量でした。両者を図ったデータがどこへ行ったか見当たりません。いずれ計り直して(と言っても付けてしまいましたが)比較を数値で載せたいと思います。
ですから重量は楽器全体で4kgを切って理想的。音質もまた非常に良くなった印象です。バダスの音として認識しているのとは少し違います。私はバダスのファンでは無くて、あれは結構高域が出ないと感じているのですが、こちらはそういうこもった感じはありません。ちょっとギラッとしている嫌いはありますが、素直さも感じますし、低域は量感を保ちつつも締まっています。交換によって、こうした変化が見られました。好きなベクトルです。
見た目はごついです。ベースプレートが大きすぎるんですね。ちょっと存在感が出すぎて、ディンキーサイズには悪目立ちします。
で、この楽器にはいささか問題がありまして、元々フレットレス用に作られたネックが使われたようで、フレット高をカバーする指板の厚みになっているため、そこへ打たれたフレッテッドともなれば、かなりボディ・トップから遠い位置に弦が張られることになるのです。従って、KickAssに予め使われているネジだと、そこまで弦高を上げられませんでした。
できるだけ長いネジを買って交換しています。またサドルも溝の深さが3種類あって、浅い物、中間、深い物が組み合わせてあるのがデフォルトとなりますが、別売で浅い物(弦高が高くできるもの)を調達して、少しでも弦高を稼げるパーツ類で補っています。つまり当初の設計範囲を超えるほどの距離ということになります。ベースの側の瑕疵であると言えます。
以上のような、根本的な不満を考えないことにして、とりあえず幅広ネックの中央寄りに5本の弦を並べ直して、弾き易くなったかと言えば、結論としては駄目でした。指板の縁から弦が遠いため、ネックの余白が邪魔です。常に人差し指の内側に当たってくるので、その存在を意識させられます。思い切ってG線をノーマルな位置に張り、そこからB線側をもっと寄せていくアシンメトリーな弦の張り方にしたら大丈夫かもしれませんが、いわゆるセンターずれ甚だしい、おかしな楽器になってしまいます。
でも音は悪くないです。手放したいけど買ってくれる人もいないだろうし、このまま実験を続けて、たまに使ってみます。このオーダーは大失敗でした。得られた経験は次に生かします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?