条件とか、諸々見ていくと…

先日、FCGR Dulake Flatの試奏をさせて頂いたお店、担当の店員さんには大変お世話になりました。そちらでは、迷っているのは何とですか?という質問があったのでSTRと答えました。私が弾いている間、その方は(本来は管楽器が専門)奥に戻ってタブレットで調べていました。やがて戻ってきて、DeviserのHPを開きながら、素敵ですねぇと仰りつつ、どのような楽器なのか具体的に聞いてきます。そこに写っているのは従来品でしたので、それとは少し毛色の違う、対象品であるTEを探してもらうとスペシャルサイトができているのを発見、リンクに飛んでもらいました。

そこにはスタートアップのための9本が詳細に取り上げられていて、中々の熱量でした。店員さんとのやり取りを経て、本日は決めることができないと告げました。折角来たのだからと店内を見せてもらいましたが、昨日の動画で取り上げたWood Custom Guitarsの5弦ベースは展示があったかどうかも記憶にありません。私が訪れたのは、生配信のあった二日後ですから、恐らく楽器はまだそこにあったものと想像するのですが、あとの祭りですね。もし目の中に入っていて意識になかったとしたら、ネックの幅広さを一瞥して除外したのかもしれません。

ところで、私はここに書いていることを、ほぼほぼ忘れてしまうのですが、ちょっとしたきっかけで振り返ってみたところ「STRというブランド」というタイトルで記事を残しておりました。

アップしたのがちょうど1年前。すでにフラグが立っていたというわけです。

シリアル#508は、そもそもきっかけとなった個体で、弾いた印象も良かったです。定期的にマダガスカル・ローズウッド指板でアッシュボディの楽器を検索する過程で拾った情報です。シリーズ中では、ある意味ベイシックと呼べる仕様でした。ただそこに、もうひと味足したい欲求は確実にありました。電気の部分ではなく木材構成に関してです。最終的にこれだろう、というウッドレシピを、自分なりに想定していましたので、その差かと思いました。しかしながら、それ以外のところで、本当に理想だと思うアレコレが実現していたのは、俄に信じがたい。

ネックはスリーピースのメイプル。これは善し。貼り合わせにすることでロスを減らしてアングルドヘッドにすることが可能です。ワンピース材ではその分の厚みから削り出していかなくてはならない。アングルドヘッドであることが、まず◎。これはSTRのアイデンティティですね。

ペグはHipshotのUltralight 1/2"ペグシャフトを本当なら付けたいところです。対して、本製品はGB707を採用。重量は前者が55g、後者は60.2gと合計でも26gの差違ですから問題なし。ペグホールは前者が17.5ø、後者は14øとなり、ブッシュの接触する面積が増えます。ギア本体もHipshotが一回り以上大きい分、接地面積も大差あるように見えます。

ヘッドストックの木部へ直接触れる部分の大きさで比較するのは意味の無いことでしょうか。軽量化目的でGotohペグからHipshotへの交換後に、音の変化を歓迎した経験はこれまでに何度もありました。というわけで、オーダーするならこだわりポイント(以前Tuneでオーダーした際にもそうした指定をかけました、そういえばAlemibicの時も)になるペグ選択です。そうは言っても、レゾライトの350でなく707の方なら、きっと慣れることができるでしょう。従ってこれを減点とはいたしません。

指板はマダガスカルだからOK、オーダーならパウフェローにします。コスト削減でドットマーカー希望ですが、本品にはブロックインレイが入っています。むろんそうならそうで構いません。

ブリッジ。BスタイルでOK。Aよりも好きです。フレットはJESCARのニッケル・シルバーで定番のもの。オーダーでしたらEVO(ゴールド)で、もう少し小さめを指定するかもしれません。まぁこれも問題なし。

PU、サーキットに関してはこれまで述べてきたとおり。TCTに載せ替えるとすれば9Vですので電池室がひとつ余る。それとアクティブ/パッシブの切り替えは独立したフリップスイッチにしたいところです。しかし何より、ピックガード上のトップジャック仕様となっているところが理想的。サイドジャックにはいつも困らせられるので助かります。

ピックアップの位置が、この個体においては70年代仕様を採用しています。4弦にもう1本70sがあり、他の7本は60sロケーションとなっています。はっきり記憶していることは、この個体のローが比較的薄かったことですが、関係あると思われます。最も完成度の高い音がしていた#502、アルダー/メイプル(指板)でこれで善しと思えた#505も60sであり、音はより厚みのあるものでした。その上で70sロケーションを私は好みますので、仕様としては問題ありません。

フィニッシュはトップ・ラッカーです。オール・ラッカーを望みたいところですが、私が日頃もの申しているポリ塗装のクセは感じられなかったのでOK。音色に塗装の影響が乗っかっていると感じた時点で、その楽器を愛せなくなる性癖があるのですが、きっとこれなら大丈夫。

ナット幅46mmとあります。あと1mm狭い方が嬉しいですが、48mmとかではないので許容範囲内。弦はエリクサーですからすぐに交換です。コントロールノブが6個も付いていて、それがアルミなのは嬉しいポイント。FCGRが採用するHATAノブは、ちょっと指先に痛いです。

そんなわけで既製品のTEに行っちゃっていいんじゃないかと、朝に夕に脳がそればかりを訴えるのです。あ、カラーを忘れていた。白ですか?これ。私、色がわからないもので、SBBDと符号があるからソニックブルーですかね。見た目の印象ではこれじゃない方が良かったですけど、まぁいいです。楽器の本質ではありませんから…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?