楽器選定のお手伝い

このところ経年劣化の日報のようになっていますが、昨日また事故がありました。ぽろっと上の歯が落ちたのです。左上の親知らずのひとつ手前、虫歯の治療を何度も繰り返し神経も抜いていたため、痛くも痒くもありませんでした。ところが抜けるというのと違うことは、歯を拾ってわかりました。歯茎を境に根はまだ残っています。虫歯の進行が進み、古木が倒れるようにちぎれ落ちたのでしょう。加齢というよりメンテナンスの不備かもしれません。ただこうして、また自前の歯が減少しました。親知らずは勢揃いしており、とは言え、まだ本数はたくさんあります。

生徒さんの2本目のベースを選ぶ話の続報ですが、スギと国産サドのユーズドで迷っているメールが画像付きで送られてきました。返事を1日遅れで出そうとしていたら、その前に今日買いに行くけどどっちにすべきかと、切羽詰まったメールが届きました。

複数の店舗を回って、私の提案(過去記事をご参照ください)に従った中、好みのカラーだったのがその2本しかありませんでした。値段は倍ほど違います。ていうかSugi、50弱ですから思いきったものです。そして、私はとてもハラハラしてしまいました。適切なアドバイスをしなければ、と。

夜だったら合流できますと伝え、急遽楽器選びに同席させていただくこととなりました。その後ふと考え、渋谷はまだ歩いていないとおっしゃっていたので、まずはその界隈で懇意にしているお店を見てみようと伝えました。少し視野を広げることで落ち着ければと考えました。

そちらで33インチの楽器を試してもらいました。それを含め、私が気になる数本を触ってもらい、結果、第三のブランドでお気に入りを見つけてくださいました。色は、その日気に入っていると伝えてきた2本とは傾向が違いましたが、元々そういう色が好きだったと、古い記憶が呼び覚まされたようです。

それから電車移動し、別の土地にある候補の2本を見ることにしました。国産サドとスギには、格の違いがありました。私も触り、音を出しましたが、今まで聞いた4弦のスギの中でも1、2を争う音の良さでした。弾きやすさは言わずもがな。仕上げがいいし、見た目も綺麗(音も綺麗)。私はスギならノーマルPUの方がパワードよりも好きだと、いつも感じされられるのですが、この個体はパワードでも全く嫌な部分はありませんでした。

ですから、スギを買って後悔することは無いだろうから、気持ちが強く惹かれるのであれば購入すべきですと伝えました。ただ、33インチの含みは考えた方が良いでしょうと。というわけで、その前に渋谷で見たSTRの方も、カスタムオーダーで33インチ仕様を見積依頼しました。またサドなら、私のNYCがあるので、一度弾いてみてください、それで良かったらお譲りします、とご案内しました。というわけでペンディング決定。

スギを弾いた店でも、目に付いたドラゴンフライを試奏させていただきました。私のは34.5インチの5弦でハムバッカー付き。その楽器は34インチ、シングルコイルの4弦でした。以下、お勧めする・しないは別として、その3本(スギ・STR・ドラゴンフライ)のインプレを述べます。

自分が買うならドラゴンフライと思いました。現状のままで一番音がいい。その個体はアッシュボディでした。スギは音が綺麗すぎて、ちょっと線が細い気がしました。自分の楽器としてならば不満が生じる予感がします。もちろんそれはバンドで音を出してみないとわかりませんが。STRは弾き心地が一番好き。過去一かもしれない。ただし、これも繰り返しですがアギュラーのファットタイプ(磁力増強、巻数多し)の音が気色悪いです。PUとプリアンプは総入れ替え必至、その前提で買わなくてはなりません。

以上が、個人的な評価であり、自分が買うならば、という視点でのお話であって、その方が、そのスギを気に入っているのであれば、大いに背中を押してあげたいです。そして、そのクォリティは裏切りません。とてもいい楽器でした。お目が高い。

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