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Weed BeePee

Harry's Engineeringによるdragonflyベースの検討を続けていますが、オンボード・プリアンプ(dfbp-3)をアウトボードに組み直した製品がWeedブランドから発売されているので試してみました(てか、買いました)。

扉の写真は仕事の時に必ず足元に置くボードで、入り口のMESA High-Wireが入力と出力でインピーダンスを下げるバッファーになっています。常時出力のチューナーアウト、エフェクト・ループを備え、そこにローインピー仕様のボリュームペダルをインサートするというのが導入の目的です。

そうすることでボリュームペダルをただ通しただけで起きるサウンドの劣化を最小限に抑えています。また信号系にチューナーを挿入する時の悪影響も避けられます。画像のように点灯が無い状態でも作動していてバイパスはありません。踏むと右側の青いLEDが灯り、ブーストすることができます。

上のつまみでその時のブースト量を調整できるほか、下のミニスイッチでユニティゲインのバッファーからワンタッチで+3dB増幅できます。フットスイッチは長押しで出力のミュートも可能です。これらを実戦で踏むことは少なく、ただ信号の取り回しの良さとバッファーの性能に惚れて必須アイテムにしています。

で、何かエフェクト、例えばEQやコンプレッサーなど使いたい時に真ん中のスペースに一つだけ置くのですが、ここにBeePeeを仕込んでみました。

ベース内蔵プリですからハイインピーダンスを受けるよう設計されているところへ、信号はローインピーダンスで送っています。でも問題は無さそうでした。EQの効きはトレブルが15kHzで±15dB、ローが60Hzで+13/-14dB、ミドルは300Hzにすると±10dB、ミニスイッチによって480Hzとで選択できるのですが、その場合は+11dB/-12dBとなっています。作動電圧は9Vです。

トレブルの周波数が高めなので音色を激変させることはありません。家で使っているアンプにはツイーターが備わってないので、ちょうどその辺りを強化したい時に便利です。ツイーター付きのキャビネットでは、はっきりとその有効性が確認できるでしょう。

ローも高めです。でかいスピーカーのブーミーなボトムエンドをカットするのに良さそうです。これらを互いに上げても、いわゆるドンシャリになりにくい感じがオーディオ的と思います。飛び道具としてではなく黒子に徹するタイプ。一般にボードのプリは歪ませたり音造りの要所であったりしますが、こちらは本体に仕込む回路ですから素直であることは当然です。

ミドルは300Hzの方が個人的には勝手が良くて、ブーストしてもカットしても、それを使いたい時の目標に近づく感じがしました。480は鼻詰まり感(ホンキー)のコントロールで、アンプに変なクセがあったりすれば補正に有効でしょうが、積極的に使う意義はあまり感じませんでした。もうちょっと上、320Hzがいいかな〜と思いますけど(グライコの刻みが1/3オクターブだったら250と400の間は315だし、160のオクターブ上と見たら320です)、その違いがわかるかどうか知りません。

あと、楽器試奏の際に、オン/オフ(バイパス)での音質変化について勘違いによる間違った評価と、その訂正記事を出しましたが、実際ここで試してみても、元よりローインピーダンスで入れているせいか、全くと言っていいほど違いがありませんでした。

楽器搭載時のバイパスなら、出力をローインピーダンスから、ハイインピーダンスへ変えるので、たとえシールド一本でアンプへ繫いでも、その差は伺えるものでした。でもパッシブの音自体も、全然良かったです。

ちなみに、画像のボリュームペダルはWeedによってErnie Ball製へモディファイを施されたもの。ローインピーダンス仕様ですが100kΩの抵抗が使われており、予想に反してパッシブのベースで使ってもハイ落ちは感じません。マニアと言っていいほどボリュームペダルは数多く試してきましたが、長年愛用しているのがこのモデルです。

ボリュームポットとして100kを使用する事例は珍しいかもしれませんが、KensmithがバランサーポットにAC100kを採用しています。中点で100%にブレンドしたかったため、過去にMN250k(もしかすると500k)に換装したことがあります。期待通りに元気いっぱいの音になり、特にレコーディングで良い音を残せましたが、はっきり言ってKensmithという楽器ではなくなってしまった気がしたものです。結構鍵となる数値ではないかと思っています。

というように、それら以外も含めて、Weed製品には共感するポイントが多々あって、いわゆる伏線回収のような流れでdragonflyを検討中であることは事実です。

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