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エフェクターボードっぽいのを少し の2

標題の画像、左側が数日前にボード上へセッティングしたリグになります。信号経路は2/11のライブで使用した時と同じで、各パラメータは少し動かしていています。まずA1FDへのループ・リターンで50:50にしています。アウトボードの真空管セクションを通過する信号とバイパス音を等分に混ぜました。Hartkeのヘッドアンプと同じような考え方ですかね。ブレンドした方がA1FDのトーンコントロールを思い切りよく設定することができて美味しい気がしました。そして歌伴にエフェクトは必要ないので頭のEQだけは残して他はバイパスしました。もちろんエクスプレッションペダルでのボリューム操作はできるようにしてあります。というのが昨日のリハーサルで使った物。

反省と題する記事で表明したように、常時ピッチの正誤を確認できないのが従来の仕事の仕方からすると不安を呼びました。というか、ライブなどもそうですが、演奏開始前にピッチを合わせて、数曲はそのまま行って、ちょっと思い立って途中確かめること数回、という感じでワンステージ過ごすのが当たり前なのを、私の仕事の流儀として、絶えず自分の音を正確に保つことを、それが1曲の中ででも、きちんと監督してこそ楽な気分で演奏できる、というのをすっかり忘れていたのでした。まず、この時点で何か解決方法を考える必要がありました。

あとは、レンタルのトレース・エリオット、そのアンプヘッドというより、スピーカーの癖かとも思いますが、平板な鳴りが気に入らず、家でも先日のライブでも気にはなりませんでしたが、もしかするとこのデジタルシステムがそれを助長させているのではないかと疑いを持ちました。検証が必要です。そこで、一昨年中まで稼働させていたミニマムなペダルボードを、すでにバラしてありましたが組み直してテストする必要を感じました。

まず部材から説明します。トップ画像の右側のセット、その右下、これが要でMesa/boogieのHigh-wireというバッファーです。in/outのジャンクションボックスとしても有用です。これに入るとsendでバッファー、returnでもバッファー、outでもバッファー、tuner outもバッファーと、全ての出力に対して(独立ではありませんが)ローインピーダンス化を(劣化を避けるための)必要な分だけ行います。音質変化を与えないことが目的ですので、実際アクティブ臭くなりません。フットスイッチはループon/offではなく、上のポットで設定できるブースターのon/offです。その下にミニスイッチがあり、ブーストしてない時の設定として、ユニティゲインか+3dBかを選択できます。音が最高かどうかはわかりませんが、まず使い勝手の点で、私にとっては唯一無二の頼れる機材です。このループ内にボリュームペダルを入れることで、その劣化も多少抑えられます。チューナーセンドも常時出力で、チューナーを稼働したまま、弾いている音を逐一追随してピッチのチェックをしてくれます。ボスを選んだのは場所を取らないためです。これに替わるものも他に見当たりません。

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配線すると上の通りです。メサからのループセンドでLehleのBasswitch Clean Boostに入ります。3バンドのEQ/プリアンプですが、Lowが100Hzなので使っています。Basswitchシリーズは上品な音がお気に入りで、他にClassic BoostとCompressorも持っています。Crewsの5弦に後付けしたプリアンプがJohn Eastのもので、勝手に100Hzを6dBブーストしてしまいます。悪くはないのですが迫力が有りすぎるのでアウトボードで逆特性を与えてフラットに戻します。HX stompで最初のエフェクトブロックにEQを入れているのも同じ理由からです。Crews(John East入れたやつを)使わない時には、どちらのシステムでもスルーにします。

そこからErnie Ballへ行きますが、Weedチューンというやつで100kΩのポットに交換されています。10種以上のボリュームペダルを試してきましたがアクティブのベースで使った時のサウンドが一番良かったのがこれです。良かったと言っても劣化は有ります。その我慢をしないですむかと思ってデジタル化を試みた次第ですが…。ボリュームペダルからメサのリターンへ戻し、そこからアンプへ繫ぎます。

ホールでのコンサートに持っていくアンプは悩みました。当初別のもので考えていましたが、昨日のリハを踏まえてAcoustic ImageのClarus2 series2とBergantinoのHS210を連れて行くことに決めました。 このキャビは2台持っていて410にもできますが、どうでしょう、たぶん1台にします。

アンプヘッドはパワーアンプとしてのみ使用するつもりで、プリアンプとしては、ここで試用させていただいているFloatia DesignsのTFDI-02を使います。アコイメのch2のリターンへ挿して、アンプ内部のプリアンプセクションをジャンプする使い方です。

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D-classアンプはいやだと声を張って主張しましたが使います。一番癖のない音、という観点なら依然うちでは一番な気がします。250Wでも、このスピーカーキャビネットなら大丈夫と思います。ていうか、ちょっと後で別のD級も試してみよう。1200Wだったかな。WWは古いものなので今回は使用しないことにします。重責なので。

そんなこんなで本番を想定してのチェックをしてみたわけですが。私も甘いですね。HX StompはオールバイパスのコマンドがあってDSPを通過しない音が出せます。まずそれがシールド直アンよりも全然ローゲインなのです。HXをプログラムする時なども、まず機材ありきで接続を済ませてから音作りを始めるので、DSPを通過した音量はバイパスと等しくなるように設定します。まずこの段階でめちゃ信号が小さいわけです。こんなことに今更気付きました。"Analog Bypass"の表記ですが、いわゆるTrue Bypassではないですね、音量変化が有りますので。

しかし、このバイパスを切り替えて使うことはありません。ですから、DSPを通過した状態での「バイパス」設定を作り、それをアン直のレベルに合わせておけば違和感なく使用できるので、その意味では私はアウトのレベルをもっと上げておくべきでした。

使い慣れたアナログのボードは、それに較べ気持ちは幾分楽です。座って弾く時には必須の「足台」であり、譜めくり時のミュートボタンも兼ねる、私の仕事には何を置いても不可欠なボリュームペダルの音質劣化を受け入れてでも、ついでにピッチを常時監視できるシステムですから、今回の仕事はこちらを使うことに決めました。HX stompはリバーブを掛けたい時に有効ですからライブ用、フレットレス用、練習用に向きます。

なお、本番でTFDIがDIとしてライン送りに使用できるか否かは、当日その場になってみないとわかりません。この装置でのボリューム加減はアンプの音量を変更すると同時にPAの方も連動して動かしてしまいます。クララスにはマスターボリュームが有り、忘れずにそこで増減すれば問題は起きません。ただし、ラインドライブできる信号を、先様が受けられるかどうかが心配です。昨日のリハーサルでは、音響機材はスタジオ備品でした。隣席のギタリストさんのガットギターがコンデンサーマイク→マイクプリアンプと繋がっていて、その信号をサウンドチェックでは下げてくれとリクエストされていました。ホールで当日に使われる卓の運用され方次第では、ラインレベルの送りが拒否される可能性もあり、その際には用意されたDIを使用することになるでしょう。なかなか難しいですね。


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