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ピアノ音源を探す

リモート鍵盤のNektar Impact GXP61を購入した時点で、スタンドアロンで動作する比較的軽めのピアノ音源はないかと探し始めました。無料のNuma Playerを落として一旦は用をなしたのですが、まず鍵盤に満足せず後悔し、本格的なタッチの鍵盤を欲しくなるとともに、それに見合う音源は何か、と新しい課題が生じました。業が深くて嫌になります。また買い物に熱を上げているというわけで、暇を割いてはネットで情報を拾っているので日記を上げることもできません。これが近況です。

木製鍵盤というキーワードから、ハードウェアの方は目星をつけました。それについては後日(たぶん月が変わってから)報告できるかと思うのですが、音源の方は、Numaを拾う前から調査を開始しているので、まるで未知の分野でしたが、だいぶ明るくなってきました。

Logic(それがapple純正になる前はCubas)を長く使っているものの、サードパーティのプラグインを一切使用すること無く、日常の作業に満足してきたので、その大海原をほとんどやんわりとしか(岸に立って水平線を眺めるくらいにしか)把握していませんでした。90年代までのmidiが主戦場だった時代に職人的に動いた経験から、DAWの世界へは意識して立ち入らないようにしておりました。制作にあたることは皆無に等しく、録音物の波形編集で使うくらい、これまでアレンジなどは全てFinaleで行っておりました。

さて、人気の高いピアノ音源の筆頭はSynthogyのIvoryでしょうか。アレンジャーの友人が大変参考になる動画を上げてくれています。

これを見たらピアノテックでいいじゃないかと思いました。iMacが古いので軽い方が良いというのがその理由で、ひとまず十分と考えました。ここで聴ける音色の中で、好きなのはNoire、アップライトなのでメインにしませんがCuba(本当にキューバ音楽から聞こえてくる音)の二つでした。彼に感想を伝えて相談すると、そこにはないIvoryを勧められました。定番であるとか、普及の度合いとかも加味しての意見と思います。

Ivoryと言ってもサンプルされている元のピアノはいくつかあります。どのピアノを選ぶべきかは以下のサイト(公式)で聴くことができます。ちなみにSynthogyはボストン所在の会社です。ソフトウェア音源は、製作者の出身地がテイストを分けているのではないかと想像しますので、選ぶ際には少しだけ考慮したくなります。

さて、Youtubeが大変貴重な情報源であり、日々様々な音源を動画から探っているうち、まず二つのアプリ(プラグイン)が俎上に上がります。ここでは自分の嗜好を明確にする意図ですので、その製品を購入するか否かは、また別の観点からの調査を行った上で判断することになります。

大まかなところでサンプリングされるグランドピアノのメーカーはスタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファ−、ヤマハ、ファツィオリでしょうか。カワイは目にしたことがありません…。

欲しくなったピアノの一つ目はBest ServiceのGalaxy Vintage Dというものです。日本のディストリビューターによるお品書きを引用させて頂きます。『GALAXY VINTAGE Dは、ドイツにある"Bauer Studios"で実際に使われている 1920年製のSteinway「D-274」をレコーディングしたピアノ音源です。
マイルス・デイヴィスバンドでの活躍で知られる「Keith Jarrett(キース・ジャレット)」や「Chick Corea(チック・コリア)」をはじめとする何人もの著名なピアニストによって実際に演奏されてきた個体のサウンドを収録しています。』その実像はこちらから確認できます。

ジャズプレイヤーの名前が広告に使われているだけあって、個人的にはピアノとして想像する、まずはデフォルトといって過言では無い音色が聞こえてきます。これを家で再生できるだけで、かなり幸せな気分に浸れるでしょう。

そうこうしているうちに出会うのがGarritanのCFX Concert Grandです。Garritanは以前Finaleにバンドルされていて使ったことがあります。これより以前のiMacに入れていて、代替えで処分してしまったときにライセンスを失ったかもしれません。探してみても現在使用中のパソコンには関連ファイルがありませんでした。何をやってるんでしょう!まぁ10年経っているのでしかたありません。

CFXはヤマハのピアノで、アビーロードスタジオにあるものです。この画像のピアノでしょう。

https://www.abbeyroad.com/gear-instruments

Garritanのサイトでは、キャプチャーへの執拗な拘りが語られており、Youtubeでもその様子が伝えられています。

個人的に、これらの動画(関連するものが4本あります)に熱狂することになり、そうか、ヤマハか、となります。CFXをサンプルした音源は他にもあるけれど、多くのデモを見る限りGarritanが最強の仕上がりと思えます。しかもマイキングが限定されますがLiteバージョンが安価に求められるので、この時点で私の気持ちはGalaxyのVintage DかAbbey Road CFX Liteの二者択一に絞られたような気持ちでした。ピアノテックは、もう頭から消えています。モデリング<サンプリングかなと傾きが次第に固まってきたようです。

私自身がピアノ奏者ではなく、現物よりも、やはり音楽を聴いてきた環境で作られた音色イメージが強固ですから、じゃぁ録音物の中で好きなピアノ(の音)といったらなんだろう、と考えてみます。ファツィオリを弾くステファノ・ボラーニが一番好きかもしれません。

もう何百回も聴いた大好きなアルバム(2008年)で、オーディオのサウンドチェック用にも使っています。この音楽に、この音色が大きな効果を添えているのは間違いありませんが、今改めて確認すると、これって主流として存在し続けて来たピアノサウンドとは一線を画しているような気がしてきました。1曲目から、シングルノートで紡ぐソロの美しさと言ったら至高以外の何物でもないですが。

少し記憶を遡って、人生にも強く影響したであろうピアニストを想起すれば、私はジョー・サンプルを上げないわけにはいきません。ずっと彼の音楽を愛してきました。セルフカバーによるベスト盤"Sample This"(1997年)がアルバムとしては一番気に入っていて、この中の数曲はトランスクライブ(採譜)しました。弾けないくせに。

これもオーディオのサウンドチェックに使う1枚(ついでに言えば、それらとカーペンターズの『カーペンターズ』、ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』『モーフ・ザ・キャット』の5枚でテストします)になります。冒頭のピアノが、目前にリアルに存在するかどうかでスピーカーのセッティングを決めます。

というわけで『サンプル・ディス』のCDライナーにピアノが明記されているかどうか確認してみましょう。本日はここまでで。


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