鼻先が冷え紅葉する葉に包まれる頃に思い出すこと
今の恋人と初めて手を繋いだ日のこと覚えてますか?
わたしは今の恋人と初めて手を繋いだ日のことをとても良く覚えています。
秋から冬に変わる頃の奈良の若草山を登っておりてきたあと、人気がなく鹿たちが集まっている場所があるんですけど、そこで初めて突然手が繋がれました。彼が話してることなどはふよふよと宙を舞い、わたしの体は心臓そのものになりドキドキと脈を打ちながらただただだんまりとして通り過ぎる鹿たちを眺め歩きました。
そのあと手が繋がれたのと同じくらい文字通り突然に、手を振り解かれ