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黒須遥香20歳生誕プレゼント

えすなし

　AKB48の黒須遥香さんの21歳の生誕祭が8月25日に開催されたので、えすなしが20歳の生誕祭に送ったものを改めて理由も含めて公開する。
　黒須さんが日本史が好きなのと大学に入って「社会学」に興味を持ったということで、ここに絞って本を贈ることにした。
20歳の生誕祭で贈った本が2冊がこちら。​​

『日本近代史』（坂野 潤治）

『社会学の根本概念』（マックス ・ヴェーバー (著), 清水 幾太郎 (翻訳)）

『日本近代史』について

　黒須遥香さんを最初に覚えたのは、日本史が好きで総理大臣を言えるという特技を持っているらしいということだった気がする。
そんな折りにインタビュー記事が出て、この感じなら「日本近代史の本を！」だなと思い、『日本近代史』を選んだ。

黒須遥香：
私は高3でも受験したんですが、今、大学受験を再チャレンジしていて。歴史がすごく好きなので、大学に行って、秀才キャラみたいなものを確立できたらなと思っています。

――歴史は、どの時代が好きなんですか？

黒須遥香：
明治時代です（笑）。総理大臣がよく変わって、人によって政策が変わるところを分析するのが好きなんです。

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　日本近代史の扱いとして、明治維新以降から太平洋戦争の終戦までを扱うことが多いが、実際に出版されている一般書で一気通観した本は少ない。
その中でこの本は、約80年に渡る日本近代史を「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」の六段階に区分し、通観している数少ない本である。

　また、この本が出版されたのは2011年の東日本大震災のあとなのだが、あとがきでそのことに触れつつ、当時（2011年）の状況を日本近代史の視点から批判しており、強烈な印象が残っているとともに歴史を学ぶ意味というのは、こういうことであると教えてくれている。

　日本近代史を1冊で学べ、さらに今の日本の立ち位置を考える上で多くの示唆をあたえてくれる本であるということが一番のポイントである。

『社会学の根本概念』について

　最初はとくに考えていなかったのですが、『国公立大学 by AERA 2021』に単独インタビューされた際にさらっと社会学の話が出てきて、そのへんも大学で勉強してきたので、沸いてしまった感じ。

今年は新型コロナウイルスの影響で入学式も行われず、現在のところ講義はほぼ全てオンライン。そんな状況でも、黒須さんの学習意欲は高まっているようだ。これまでに受講した科目の中では、さまざまな社会問題の背景や問題の構造を考える「社会学」に興味を持ったという。

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　『失恋、ありがとう』のお話会で、社会学の話をしたら、名著であるところのマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を知っていたので、マックス・ヴェーバーの中から選ぶことにした。基本的に社会学はこのヴェーバー社会学しかやってこなかったので、そのためのジャブ的なお話会の内容でもあったのだが、うまくいってよかった。
　ちなみに、お話会を隣で聞いていた知合いのオタクに「お話会でヴェーバーの話するオタクなんているの！？」と驚かれました。その驚きは正しいとは思うけど笑

　ちなみに他候補としては、『理解社会学のカテゴリー』や『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』もあったのだが、ヴェーバーの文章は一文一文が長いうえに、注釈も長いので、読みやすさという点で『社会学の根本概念』にした。
　この本を選んだのは、社会学上の重要な諸概念を定義的に明らかにしようと試みた論文だが、ページ数としては104ページのコンパクトなものになっているからである。価値合理的、目的合理的、理念型など、さまざまな重要概念についてコンパクトにまとまっているため、社会学を学びはじめる上で手に取りやすい1冊である。

　社会学でマックス・ヴェーバーを選んだのはもう一つ理由があって、2020年が新型コロナの始まりの年だったが、マックス・ヴェーバーがちょうど100年前（1920年）に没していたからである。しかも、現代の今と同じように世界中にスペイン風邪（H1N1亜型インフルエンザ）のパンデミックが起きており、それがもとでヴェーバーが亡くなった。
　現在進行形で起きているパンデミックがちょうど100年前にも同じように起きており、その中で今でも名前が残るヴェーバーが亡くなったというのは、歴史的に因縁じみたものを少し感じたので選んだ次第である。


　ちなみに今年の1月のお話会で『日本近代史』を夜の寝る前に読んでいるよというお話をもらいまして、贈ってよかったなと思った次第。　
　今年は21歳の誕生日のときと生誕祭のときそれぞれに本を贈ってので、22歳の生誕祭が開催された後にでも公開しようかなと思う。

　それでは、黒須遥香さんの22歳の生誕祭をお楽しみに！

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