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Sky presents 舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』観劇記録(一部ネタバレあり)

【日時】2024年2月18日(日)13:00開演
【会場】東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【劇作・脚本 】源孝志
【演出】蓬莱竜太
【出演】藤原竜也 / 市原隼人 / 浅香航大 / 尾上紫 / 廣田高志 / 植本純米 / 古河耕史 / 深澤嵐 / 斉藤莉生 / 今井朋彦 / 池田成志 / 高嶋政宏 / 他
【主催】ホリプロ/TBS/キョードーファクトリー
【特別共催】Sky株式会社
【企画制作】ホリプロ
(以下、ホリプロweb siteからの引用)
藤原竜也が、今度は歌舞伎界でのし上がる!
努力と才覚と不屈の精神で道を切り開いた男の痛快出世物語!

「歌舞伎が黄金期に向かう江戸時代中期、彗星の如く現われた破天荒な歌舞伎役者、初代・中村仲蔵(なかむらなかぞう)。梨園の血縁ではない彼は、四代目・市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げ、一代で「名人仲蔵」と言われるまでの大スターになった。その波乱万丈の人生は、今でも落語や講談でも語り継がれる人気演目である。
この痛快無比の中村仲蔵の物語はドラマ化され、2022年度文化庁芸術祭テレビドラマ部門の大賞をはじめ、数多くのテレビ賞を受賞。その脚本・演出を務めた源孝志が、今回、新たな視点でオリジナルの舞台戯曲として書き下ろす。演出には2017年赤坂大歌舞伎にて新作歌舞伎の作・演出も務めた蓬莱竜太。中村仲蔵役を演じるのは日本を代表する演技派俳優の藤原竜也。
江戸歌舞伎界の表舞台と舞台裏。この両方を連続した人間ドラマとして描く意欲作。現代社会の閉塞感を突き破る、痛快なエンターテインメントに、ぜひご期待ください。」

劇場入口のバナー

【感想】このお話は講談や落語ではおなじみのも。それを2021年にNHK-BSで中村勘九郎主演のスペシャルドラマとして放映された。そのとき、役者役で藤原竜也も出演していた。とても重厚なドラマで印象的だったのをよく覚えている。
そして、今回の舞台、話自体は基本的なところは変わらない。そもそも歌舞伎では、演じる役者は各々が名跡を背負っていて、それ自体がある意味2重構造になっている。つまり、市川團十郎が演じる弁慶とはこういうものというものがあって、それを現在、市川團十郎をなのる役者が演じているのだ。そして、その歌舞伎小屋で起きるドラマを見せるのが今回の舞台なので、3重構造になっている。どうしても本物の歌舞伎の舞台と比較をしてしまうと、やはり、作り物感は否めない。前半はそういう思いに引きずられながら観ていた。・・・・はずだった。しかし、後半に行くにつれて、藤原竜也の外郎売の見事な長台詞や市原隼人の三味線、そして池田成志の狂言回しの巧みさやアドリブの面白みなど、芸達者な役者の演技に魅了されていき、本物かどうかなどどうでもよくなっていた。それぞれの役者に見せ場があって、そのことはこのドラマの主題でもあるのだけれども、それを体現したような舞台になっているのも面白い。
テンポもよく、爽快で人生何度でもやり直しはきくのか、と思わせてくれる舞台だった。


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