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1000日チャレンジ 424日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day21 1848~1904年のフランス美術②エドゥアール・マネ

ゴールまで576日

★BMI:24.3

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『オランピア』(19世紀フランスの画家 エドゥアール・マネ(Édouard Manet、 1832 - 1883))が1863年に描いた作品。オルセー美術館蔵。

Olympia(オルセー美術館蔵)

近代絵画の父とよばれるマネが1863年にサロンに出品したこの作品は、激しい非難を浴びることになった。この作品、構図は、ティツィアーノの『ウルビーノのビーナス』やゴヤの『裸のマヤ』を手本にしているが、娼婦とおぼしき裸体姿の女性は、純潔・生命力といったものを象徴しているというよりも、堂々として鑑賞者を見つめている。このような直接的な表現は、手本とした先人の絵画を風刺したかのようだと受け取られた。オランピアという名も当時のパリの高級娼婦を代表する名前で、画面に黒人を登場させたことも、ハーレムを連想させ、サロンにふさわしくないという非難を浴びた。
一方で著者は、絵画の技法にも注目している。陰影と鮮やかな色彩の組み合わせ、中間色を抑えた色遣いによるコントラストなどは後の世代の画家たちに革新的ととらえられたと記している。
とても平面的で写真を見ているような絵だというのが第一印象だった。横たわる女性と黒人の女性の大きさは、遠近法的には破綻しているようにも思う。しかし、鑑賞者側から強い光が当たっているかのような光の表現は、この後の印象派のがたたちに影響を及ぼしたのだろう。マネの革新は、題材と技法の両方にあったのだということが、よく理解できる作品だと思う。

fascination;興味、applaud;称賛する、attitude;態度、satirize;風刺する、exploitative;搾取的な、spectator;観客、conquettish;なまめかしい、disturbingly;心をかき乱すほど、brazen;ずうずうしい、bestial;野蛮な、arrogance;尊大さ、dazzling;まばゆいばかりの
(原著 Chapter10 p.208-209)

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