1000日チャレンジ 726日目 東京国立近代美術館「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」③『騎龍観音』(原田直次郎)
ゴールまで274日
★BMI:24.5
◎先日、東京国立近代美術館で開催中の「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」展に行ってきたので記録を残しておきたい。
【開催期間】(東京公演)2023年4月9日~30日
【場所】東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
【主催】東京国立近代美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社
【協賛】損害保険ジャパン、大伸社
(以下、公式web siteより引用)
「東京国立近代美術館は1952年12月に開館し、2022年度は開館70周年にあたります。これを記念して、明治以降の絵画・彫刻・工芸のうち、重要文化財に指定された作品のみによる豪華な展覧会を開催します。とはいえ、ただの名品展ではありません。今でこそ「傑作」の呼び声高い作品も、発表された当初は、それまでにない新しい表現を打ち立てた「問題作」でもありました。そうした作品が、どのような評価の変遷を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかという美術史の秘密にも迫ります。
重要文化財は保護の観点から貸出や公開が限られるため、本展はそれらをまとめて見ることのできる得がたい機会となります。これら第一級の作品を通して、日本の近代美術の魅力を再発見していただくことができるでしょう。」
◎『騎龍観音』(原田直次郎)(重要文化財 1890年 東京国立近代美術館蔵)
原田直次郎;「1863-1899 明治時代の洋画家。
文久3年8月30日生まれ。原田一道の次男。原田豊吉の弟。高橋由一(ゆいち)らにまなび,明治17年ドイツに留学。帰国後,22年画塾鍾美(しょうび)館をひらき,明治美術会創立にくわわった。明治32年12月26日死去。37歳。江戸出身。東京外国語学校(現東京外大)卒。作品に「靴屋の阿爺(おやじ)」「騎竜観音」など。」(デジタル版 日本人名大辞典+Plusより引用)
★この作品は東京国立近代美術館で何度も観ているが、実は、どういう作品なのかきちんと見たことはなかった。今回、改めて少し調べてみた。作者の原田直次郎は、父親が幕府蕃書調所に勤め、留学経験もあり開明的な父親の影響もあって、幼いころから外国語教育を受けていた。20歳の時に高橋由一に師事し、21歳でドイツに留学した。ミュンヘンでは森鴎外らと親交をもち、鴎外の『うたかたの記』の主人公のモデルともいわれている。この作品は、1890年、第三回内国勧業博覧会出品し、多くの集めたにもかかわらず、賞を受けることはなかった。本作品を巡っては、画題にストーリーとしての典拠の希薄さを批判され、森鴎外などからの援護も加わって、大きな論争にもなったらしい。確かに、洋画で仏画を描くという意外性とリアルな描写と観音像という取り合わせ、歴史画を思わせるものの、具体的な逸話に拠らないことなどつっこみどころは多そうな作品だと思う。近代化の揺り戻しでの洋画の厳しい状況の中で、歴史画や仏画に活路を求めようとする、日本洋画界の過渡期を示す重要な作品ということが、重要文化財指定につながったのかもしれない。
2007年(平成19年)に重要文化財に指定されている。
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