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1000日チャレンジ 414日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day16 19世紀美術ー1765~1840年のロマン主義③ターナー

ゴールまで586日

★BMI:24.3

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『吹雪』(18-19世紀イギリスの画家 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(Joseph Mallord William Turner、1775 - 1851)が1842年に描いた作品。テート・ブリテン蔵。

Snow Storm - Steam-Boat off a Harbour’s Mouth(テート・ブリテン蔵)

著者はこの本の中で「ロマン主義」について、以下のように解説している。ロマン主義とは一つの明確なムーヴメントとして定義づけられるものではない。中世以降、フランス語で書かれた物語を「ロマンス」と呼んでいた。18世紀に芸術や文学を取り巻く環境が大きく変わる中で、個人の感性と調和した芸術を指す言葉として使われるようになったと。一方で、どうしてこの時期にロマンス主義が台頭したかについては、単に政治的な変化やブルジョワ階級の台頭ということだけでは説明できないとしている。産業革命による大量生産の時代になって、近代化による自然破壊が目立つようになり、人々はその弊害を感じるようになった。実際、この時期に都市内の大きな公園が整備されるようになっている。すなわち自然に癒しを求めるような気持が、ノスタルジックな遠い過去や遠方の国、牧歌的な田園地帯といったものの「崇高さや美しさ」への感受性という形でロマン主義につながったのだと指摘している。
ターナーはこの絵を描くのに船の帆柱に4日間も自身を縛り付けて吹雪を観察して描いたという。彼は数学者や気象学者から得た知識を背景に、この絵を記録として描いている。ターナーは科学者ファラデーの研究成果などを熟知していたとみられ、磁場エネルギーがこの絵の画面のように渦をまくことを知っていたという。彼は生涯にわたって、このような自然の破壊力に魅了され続けた。

残念ながら、著者はこの絵について、絵画上の技法などについて、ほとんどコメントしていない。この時点ではターナーは、自分の見たものをありのままに描いているのかもしれないが、この絵は明らかにこの後のモネらに直接的な影響を与えているし、さらには抽象絵画の先駆けでもあるように思う。

tranquil;静かな、穏やかな、idyll;牧歌、ferocity;凶暴性、blurred;ぼやけた、prevalent;流行している(that exists or is very common at a particular time or in a particular place)、devastating;破壊的な、evocative;呼び起こす、meteorology;気象学、sublime;卓越した
(原著 Chapter9 p.175-183)
Romanticism;ロマン主義(a style and movement in art, music, and literature in the late 18th and early 19th century, in which strong feelings, imagination, and a return to nature were more important than reason, order, and intellectual ideas)

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