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1000日チャレンジ 863日目 棟方志功記念館「生誕120年記念特別展 友情と信頼の障屏画」

ゴールまで137日

★BMI:23.6

★先日、青森市の棟方志功記念館で「生誕120年記念特別展 友情と信頼の障屏画」を観たので、記録として残しておきたい。
【会期】2023年6月20日(火)~ 9月18日(月・祝)
【会場】棟方志功記念館
(以下オフィシャルサイトからの引用)「棟方志功は生涯多くの友人や支援者に恵まれました。故郷青森の芸術家仲間、文学者、民藝運動に関わる人々、実業家など、多方面の人々と親交がありました。彼らとの交流を通して身に付けた幅広い教養、さらには経済的支援、仕事の仲介、制作時の補佐といった様々な支えがあったからこそ、多彩な芸術活動を展開することができたと言っても過言ではありません。
 そんな友人や支援者と育んだ友情を示すものの一つに、障屏画があります。障屏画とは屏風絵や襖絵など日本の伝統的な室内装飾画の総称で、棟方は折々で依頼を受け制作しました。障屏画は、依頼主の元へ赴きそこで直接筆を下ろして描くものであるため、プライベートな場である個人宅の場合は特に、棟方と依頼主との間に強い結びつきがあることを物語っています。特に深い信頼関係を築いていた倉敷の実業家・大原總一郎の邸宅をはじめ、各地の個人宅や寺社に、多くの優れた障屏画を残しました。制作時の棟方の集中力は凄まじく、大画面にもかかわらずわずかな時間で一気に描き上げることもあったといいます。
 棟方志功生誕120年を記念して開催する本展では、障屏画を主とした作品を通して、棟方の多彩な芸術に影響を及ぼした友人や支援者との親交についてご紹介します。倉敷の大原邸に描いた《御群鯉図》や京都の山口邸に描いた肉筆画は本県初公開となります。棟方ならではのダイナミックな筆遣いや豊かな色彩表現をお楽しみください。」

「御群鯉図」(棟方志功;倭画;六曲一双屏風;1940年)(所有者非公開)

御群鯉図(所有者非公開)
御群鯉図(部分)(所有者非公開)

大原美術館を作ったことで知られる実業家・大原孫三郎の長男で倉敷絹織株式会社を率いた大原總一郎の32歳の誕生日祝いとして、32匹の緋鯉を描いたものとされる作品。普段は、所有者も含めて非公開の作品。1963年、大原美術館棟方志功板画館開館の際に竣工式の会場にも展示されたという。

建物の老朽化のために来年3月に閉館するという棟方志功記念館を初めて訪ねた。今回は障壁画を中心とした展示。御群鯉図は、木版画の黒と白のイメージとは真逆といってよいほど、白地に赤色の鯉が鮮やかな作品。躍動的な鯉の表現。それでいて、全体の構成の装飾性も持ち合わせていて、図案としての美しさもある。肉筆画の描写力のすばらしさは、木版画では味わえない別の魅力があるように思った。多くの人たちとの交流の中で、このような肉筆の作品も制作されていたことは初めて知った。
そして、最後に草野新平の有名な詩を書とした作品を紹介しておきたい。

「わだばゴッホになる」(草野新平;書;1974年)(棟方志功記念館蔵)

わだはゴッホになる(棟方志功記念館蔵)

この書は、草野新平が交流のあった棟方志功を讃えて詠んだ詩を棟方の求めに応じて墨書にした作品。
「わだばゴッホになる」 詩:草野心平
鍛冶屋の息子は
相槌の火花を散らしながら
わだばゴッホになる
裁判所の給仕をやり
貉(むじな)の仲間と徒党を組んで
わだばゴッホになるとわめいた
ゴッホにならうとして上京した貧乏青年はしかし
ゴッホにはならずに
世界の
Munakataになった
古稀の彼はつないだ和紙で鉢巻きをし
板にすれすれ獨眼の
そして近視の眼鏡をぎらつかせ
彫る
棟方志功を彫りつける


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