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1000日チャレンジ 407日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day10 ロココから革命へ②ホガース

ゴールまで593日

★BMI:24.3

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『結婚の契約』(18世紀イギリスの画家 ウィリアム・ホガース(William Hogarth、1697 - 1764)が1743年に描いた作品;ロンドン ナショナル・ギャラリー蔵)

Marriage A-la-Mode: 1, The Marriage Settlement(ロンドン ナショナル・ギャラリー蔵)

『当世風結婚』という6枚連作の最初の絵。17世紀にイギリスでは絶対王政に代わって立憲君主制が成立し、経済的・政治的拡張の時代に入っていた。それに伴って、イギリス社会では古い貴族の価値観や嗜好に批判的な風潮がただようようになっていたという。ホガースのこの連作も貴族たちの生活を風刺したものだった。著者は、この作品が、歴史を進歩と捉えるジャン=ジャック・ルソーの啓蒙思想に異を唱え、「富と力があれば幸せになれる」という考えは間違いであり、裕福な人たちも社会の犠牲者になることを浮き彫りにしていると記している。

画面左側にいる婚約者2人をはじめ、人物はロココ調の華やかで彩り豊かな服装をしている。結婚の約束をしようとしているというのに、2人は別の方向を見ているし、だれも楽しそうではない。この連作では、この後、2人は不貞・殺人・自殺と、悲惨な運命が待っている。このような絵が好まれたということは、貴族ではない新たな富裕層が台頭してきたことを意味している。そして芸術のパトロンも変化していったということなのだろう。風刺画であるがロココの華やかな画面は、そのような世界へのあこがれのようなものが依然として存在していたということでもあるのだろうと思う。

burgeoning;急成長する、parliament;議会、relish;嗜好(to get great pleasure from something; to want very much to do or have something)、contemporary;同時代に存在した、dazzling;非常に明るい、idiosyncrasy;独自性、inevitable;免れない、bankruptcy;破産、discredit;信用を落とさせる、privileged;特権のある
(原著Chapter8 p.164-167)


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