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1000日チャレンジ 586日目 英語でアメリカ史を読む「A Little History of the United States」(21. Crossing the Line)

ゴールまで414日

★BMI:24.1

◎James West Davidson著『A Little History of the United States』(Yale University Press; Reprint版 (2016/9/13))を読みながらアメリカ史を勉強してみたい。
21. Crossing the Line
(要約)
奴隷制度の問題は、1787年の憲法制定会議の頃にさかのぼって存在していた。連邦議会に各州から何人の代表を送るかは各州の人口を基準にしたが、その人口に奴隷を入れるか否かで南部と北部は対立した。最終的には奴隷5人を非奴隷3人として計算することで妥協が成立した。この後、この種の境界線と妥協の繰り返しで、何とか連邦は維持されていくことになる。上院議員は各州から2名が選出されており、新しい州を編入する際に、そこが自由州であるのか奴隷州であるのかで、奴隷制度をめぐる上院のバランスが崩れるため、州の分割編入などの妥協がなされることになった。一方で、自由州と奴隷州が存在することで、南部の奴隷が北部に逃走して“人口”にカウントされるようになるというような問題も生じるようになり、南部奴隷州では逃亡に対する罪を重くするような事態を招くこととなった。また、北部においても黒人と白人は居住区が分離されていたことも覚えておく必要がある。1852年のハリエット・ビーチャー・ストウの小説「アンクル・トムの部屋」はベストセラーとなり舞台化もされた。自由州と奴隷州の境界となったカンザス準州では両者の対立が武力闘争にまで発展する。奴隷制度をめぐる議論の中で、北部のホイッグ党員と民主党員の多くが結集して奴隷制度に強く反対する政党・共和党を作った。1859年、奴隷制度廃止論者のジョン・ブラウンがバージニア州で蜂起したが、捕らえられ絞首刑に処されるという事件が発生した。これをきっかけに妥協は崩れた。1860年共和党の大統領候補となったエイブラハム・リンカーンは自由州のみの支持で当選し、奴隷制度の拡大を食い止めることを約束する。これを受けて、サウスカロライナなど南部7州が連邦からの独立を宣言した。

side by side;並んで、一緒に、nail up;くぎ付けにする、lumber;木材、fugitive;逃亡者、decree;(法令で)~を命じる、petition;請願する、forbid;禁止する、fire-eater;喧嘩早い人、segregate;分離する、rioter;暴徒、hostile;敵対的、compelled;強制された、condemned;非難された、gangly;ひょろっとした
the Three-fifths Compromise;5分の3の妥協; 1787年の合衆国憲法制定会議で合意された、州の総人口を決定するための奴隷の数に関する合意。
Fugitive slave laws;逃亡奴隷法;1つの州から他の州へあるいは公有の領土へ逃亡した奴隷の返還を規定。
Bleeding Kansas;血を流すカンザス;19世紀にアメリカ合衆国カンザス準州および隣接するミズーリ州の町で起こった、政治的な一連の暴力的衝突。

◎奴隷制が国を2分する長い戦争につながっていく経緯が説明されている。また、それは、現在につながる2大政党が形成される過程でもあることがわかった。また、リンカーンも最初は必ずしも、すぐに奴隷制度を廃止しようという考えではなかったことも理解することができた。


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