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1000日チャレンジ 727日目 東京国立近代美術館「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」④『北條虎吉像』(荻原守衛)

ゴールまで273日

★BMI:24.5

◎先日、東京国立近代美術館で開催中の「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」展に行ってきたので記録を残しておきたい。

【開催期間】(東京公演)2023年4月9日~30日
【場所】東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
【主催】東京国立近代美術館、毎日新聞社、日本経済新聞社
【協賛】損害保険ジャパン、大伸社
(以下、公式web siteより引用)
「東京国立近代美術館は1952年12月に開館し、2022年度は開館70周年にあたります。これを記念して、明治以降の絵画・彫刻・工芸のうち、重要文化財に指定された作品のみによる豪華な展覧会を開催します。とはいえ、ただの名品展ではありません。今でこそ「傑作」の呼び声高い作品も、発表された当初は、それまでにない新しい表現を打ち立てた「問題作」でもありました。そうした作品が、どのような評価の変遷を経て、重要文化財に指定されるに至ったのかという美術史の秘密にも迫ります。
重要文化財は保護の観点から貸出や公開が限られるため、本展はそれらをまとめて見ることのできる得がたい機会となります。これら第一級の作品を通して、日本の近代美術の魅力を再発見していただくことができるでしょう。」

◎『北條虎吉像』(荻原守衛)(重要文化財 1909年 碌山美術館蔵)
荻原守衛;「1879-1910 明治時代の彫刻家。
明治12年12月1日生まれ。32年上京し小山正太郎の不同舎で洋画をまなぶ。アメリカからフランスにわたり,ロダンの「考える人」に感銘をうけ彫刻に転じる。41年帰国。生命感あふれる作品を発表し,日本に近代彫刻への道をひらいた。明治43年4月22日死去。32歳。長野県出身。号は碌山(ろくざん)。作品に「文覚(もんがく)」,「女」(遺作)など。」(デジタル版 日本人名大辞典+Plusより引用)

北條虎吉像(碌山美術館蔵)(※ガラスケース映り込みあり)

★私の大好きな作家である荻原守衛(碌山)の重要文化財指定を受けた2作品のうちの一つ。ブロンズ像ではなく石膏原型が1968年(昭和43年)に重要文化財の指定を受けている。指定理由には、以下の記載がある。『荻原守衛(一八七九-一九一〇)はわが国における近代彫刻の先駆者である。絵画にくらべてかなり立ち遅れていた彫刻における近代の出発が、ロダンに学んだ彼のフランスよりの帰国を契機として開花したことは忘れがたい。「北条虎吉像」は彼のよき理解者であった兄本十の友人の胸像で、彼の唯一にして本格的な肖像彫刻である。実在人物を対象とするだけに、「女」のような文学性が顧慮されていないのはもとよりであるが、造形骨格の強靱な表現はロダンにまさるものがあり、厳しい人間追求に彼独自の境地を示す。面貌はていねいに、着衣はやや対照的に粗いタッチでまとめ、ロダンの継承者にふさわしい生気ある人間把握を行なっているところに彼の真面目を見ることができる。なお絶作「女」は昨年すでに指定された。』

◎碌山ファンとしては、他にもいい作品はあるけどな?というのが正直なところ。実際、この作品が重要文化財になっていることをしっかり認識していなかった。碌山美術館にも何度も行っているが、この石膏原型を観るのは今回が初めてのような気がする。また、先に重要文化財に指定された「女」もこちらも石膏原型が指定対象になっていることも知らなかった。明治以降の彫刻作品で重要文化財は6点だけだが、すべてが石膏原型。しかし、彫刻作品の完成形はブロンズ像ではないのか?と思うが、複製できるからなのか?文化財として保護すべきものは原型の方ということなのか?少し違和感を憶えた。ただ、この作品のブロンズ像に比べると、より対象(モデル)の内面の強さがにじみ出ているようにも感じた。



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