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1000日チャレンジ 918日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 13 Round and Round: Harvey

ゴールまで82日

★BMI:22.8

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 13 Round and Round: Harvey
★主な内容
血液の循環を発見したのは16-17世紀イングランドの医師ウイリアム・ハーベイであった。彼の医学の師・ファブリキウス(1537-1619)は、アリストテレスの考え、すなわち、動植物の器官に一定の形態・構造があるのは、その器官に定まった機能があるからだ、という考えを出発点としていた。ハーベイもその考えに基づいて、人間の様々な器官の動きを理解しようとした。また、アリストテレスの鶏の卵の観察から、心臓が生命の中心であると考えを引き継ぎ、心臓を主な研究対象とした。彼らは心臓にある弁の働きについて、注意深く観察し心臓の鼓動について理解しようとした。彼は腕に止血帯を強く結ぶと腕に血液が行かなくなることから、血液が一定の圧力で流れていることに気がついた。そして、心臓から押し出される血液の量は全身の血液の量よりも多いのではないかと考えた。心臓が新しい血液を作り続けているとは考えにくく、彼は、血液が循環しているのではないかとの考えに至った。1628年、ハーベイは『心臓と血管の運動』という著作をあらわす。彼は生きた動物を使って自説を裏付けようとしていた。
しかし、ハーベイの説には穴があった。末梢の細い動脈から細い静脈に入って心臓に戻るのかを解明できていなかったのだ。このことは、マルチェロ・マルピーギが顕微鏡を使って、毛細血管を発見したことで説明がつき、血液の循環が証明される。

★単語
migrate
;移動する、pupil;弟子、contraction;収縮、fertilized egg;受精卵、pummeling;殴打、systole;心臓の収縮期、loosen;ほどく、緩める

★フレーズ
for instance
;例えば、on one occasion;ある時、かつて、ground-breaking;革新的な

※ウイリアム・ハーベイ;William Harvey;1578-1675「イギリスの生理学者。中世以来支配的であったガレノスの説をやぶり、血液循環説を提唱。実験生理学を再興・進展させ近代生物学・生理学の先駆者となった。主著「動物における心臓と血液の運動に関する解剖学的研究」」(精選版 日本国語大辞典より引用)
マルチェロ・マルピーギ;Marcello Malpigh;1628-1694;「イタリアの解剖学者。顕微鏡を用いて人間や動物の組織・昆虫の気管などの微細構造を研究、肺の毛細血管をはじめ数々の発見をした。」(精選版 日本国語大辞典より引用)

◎ウイリアム・ハーベイさん、この方のことも存じ上げておりませんでした。ごめんなさい。血液の循環の発見も素晴らしいが、それだけでなく、医学の世界にも”実験”の概念を持ち込んだことが素晴らしいと思う。


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