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1000日チャレンジ 658日目 ポーラ美術館「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」①アンリ・マティス

ゴールまで342日

★BMI:24.5

◎先日、箱根のポーラ美術館で開催中の「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」展を観覧したので、記録の残しておきたい。
会期:2023年1月28日(土)~ 2023年7月2日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1, 3
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
出品作家:ベルト・モリゾ、ヴィルヘルム・ハマスホイ、ピエール・ボナール、エドゥアール・ヴュイヤール、アンリ・マティス、草間彌生、ヴォルフガング・ティルマンス、髙田安規子・政子、佐藤翠+守山友一朗

「部屋のみる夢 ― ボナールからティルマンス、現代の作家まで」

(以下、美術館公式siteから引用)「パンデミック以降、私たちの生活様式は大きく変化しました。移動が制限された状況で誰もが多くの時間を過ごしたのが、「部屋」という空間です。安心をもたらす室内での生活は、外の世界からの隔絶がゆえに閉塞感と隣り合わせのものでした。他方、閉じられた空間で紡がれた親しい人たちやかけがえのないものとの関係は、日常を生き抜くためだけではなく、変化の乏しい生活に彩りを添えるのに、欠かせないものであったと言えるでしょう。本展覧会では、19世紀から現代に至るまでの、部屋にまつわる表現に特徴のある作家を取り上げ、この小さな世界のなかで織りなされる親密な記憶や夢想のありようを、あらためて見つめ直します。個性にあふれた作家たちによる多彩な室内の表現は、ステイホームの経験を通じて静かに変容した私たちの心のなかで、新たな像を結び始めるでしょう。」

★念願だったポーラ美術館。コレクションを中心に”部屋のみる夢”をテーマに近代絵画の巨匠から、新進の現代作家まで、楽しい構成の展示だった。外はあいにくの雨だったが、雨の中にかけこんだお家に思いがけず夢の中のような部屋があったという感じ。広い館内を贅沢に使った空間演出が心地よい。
マティスが大好きな私としては、どうして、今まで来てなかったのか?と改めて思うほど、素敵なマティス作品が並んでいる。

◎アンリ・マティス;Henri Matisse, 1869年12月31日 - 1954年11月3日;フランス生まれの20世紀を代表する画家。

◎アンリ・マティス「窓辺の婦人」

窓辺の婦人

★まず展覧会の入り口で迎えてくれた作品。マティスの作品の中では、めずらしく直線がしっかり描かれた作品。カーテン、テーブル、壁、床は連続的で、女性の肌色はベランダの鉢や窓の外に見える家の壁の色とシンクロしているよう。アンニュイの女性の表情と何も置かれていないテーブルが、南仏のゆっくりと流れる時間を感じさせてくれている。

◎アンリ・マティス「リュート」

リュート

★これまで別の展覧会で見たことのある作品。我が家の玄関にはこの絵の絵葉書が飾られている。これぞ、”色彩の魔術師”マティス!という色使い。壁もテーブルも床も赤で塗ってしまうところ、常人ではない、その感覚が大好きだ。リュートってこんなに大きな楽器だったかな?というくらい、女性の頭に比べて大きく描かれている。テーブルの脚の配置も何だか不安定。画家にとっては、形を描くよりも色彩を含む装飾で、彼女の奏でる音楽を2次元に表現することが大事なことだったのかもしれない。

◎アンリ・マティス「室内:二人の音楽家」

室内:二人の音楽家

★この作品は以前、パナソニック汐留美術館でルオーの作品と一緒に展示されていたのを観たことがあった。比較的、立体性が保たれた表現だが、部屋の壁と床の境界は曖昧で、同系色で連続的に描かれている。2人の女性と、手前のテーブルのクロスが、その壁や床の対比として鮮やかな色で塗分けられている。

◎アンリ・マティス「紫のハーモニー」

紫のハーモニー

★女性はベッドにでも寄りかかっているのだろうか?壁紙と連続して同系の色で塗られている。壁紙に描かれた花と女性の上着の紫がまさにハーモニーを奏でている。女性の胸元の白い肌色がアクセントになっている。

◎アンリ・マティス「中国の花瓶」

中国の花瓶

★壁紙の白、描かれた花のピンク、女性の上着の黄、花瓶の青、花瓶の花の赤、そして、それらに組み合わせとなった配色のテーブルクロス、すべてが絶妙のバランスで描かれた作品。そして柱なのか?画面右端の茶色が画面全体を引き締めているようだ。ずっと眺めていたくなるような作品。

◎アンリ・マティス「襟巻の女」

襟巻の女

★壁と女性の持つひざ掛けに直線として描かれた格子と女性の首の巻かれた襟巻の曲線の対比が心地よい作品。青、黄、赤、黒と平面的に塗り分けられた画面は作品全体を装飾性の高いものにしている。


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