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1000日チャレンジ 427日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day22 1848~1904年のフランス美術⑤ポール・セザンヌ

ゴールまで573日

★BMI:24.2

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『レ・ローヴから見たサント=ヴィクトワール山』(19-20世紀フランスの画家 ポール・セザンヌ(Paul Cézanne、1839 - 1906)が1904年に描いた作品。フィラデルフィア美術館蔵。

Mont Sainte-Victoire(フィラデルフィア美術館)

サント=ヴィクトワール山はセザンヌが生涯にわたって描き続けたモティーフである。著者は、この作品をセザンヌ自身の書簡を引用しながら解説している。セザンヌの世代になると、印象派のイノベーションをどのように受け継ぐのかが課題となっていた。セザンヌは、エミール・ベルナール宛の手紙の中で、絵の要素はシンプルな幾何学に縮約されるべきだと語っている。すなわち、自然を円筒と球と円錐とで処理すること、自然の色彩は赤と黄色、空の印象を表現する適量の青で描かれると。この絵では、全体的な表面のパターンを壊さずに、平面的な筆のストロークを使いながらも奥行きのある空間を描ききっていることを高く評価している。
この絵ではもはや形と色彩は分離してしまったかのように抽象化されていながら、全体としての奥行きのある空間は保たれている。この感じが、ピカソたちに引き継がれ、複数の視点を再構成して描くキュビズムへと繋がっていくといくことなのだろう。

encounter;直面する、concrete;具体的な(a concrete object is one that you can see and feel)、grandeur;気高さ
(原著 Chapter10 p.217-218)

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