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1000日チャレンジ 401日目『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day5 17世紀のオランダ美術②ヴァニタス

ゴールまで599日

★BMI:24.3

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『ヴァニタス』(ハルメン・ステーンウェイク( Harmen Steenwijck、1612頃-1656頃)が1640年頃に描いた作品(ラーケンハル美術館所蔵)。

Vanitas(ラーケンハル美術館所蔵)

ヴァニタス(vanitas)とはラテン語で「空虚」とか「むなしさ」を意味する言葉。中世における静物画は何かしらの意味(寓意)を持ったものとして認識されており、ヴァニタスの意味を伝えるために、「メメント・モリ(memento mori)すなわち「死を忘れるな」「人は必ず死ぬ」という意味を暗示するモチーフとしての髑髏が描かれた。ヴァニタスを表す静物画においては、そのほかに、十字架、書物、砂時計、時計、ロウソクの炎、消えたロウソク、腐りかけの果物がモチーフとして用いられた。それらは、限られた命という意味とともに世俗的な快楽とその所有の儚さも示している。ハルメン・ステーンウェイクのこの絵にも、いくつかのモチーフが使われている。当時は、こういう虚しさが結局、それを救済する唯一の道が、イエス・キリストなのだと再認識させる意図もあったようだ。

◎寓意とは別に、この絵には日本刀が描かれていることが注目される(原書ではそのことには触れられていないが)。当時、日本はオランダとの貿易は行っていましたので、そのような貿易で得た富の象徴として描かれたのかもしれない。

mortality;死の必然性、死すべき運命、intend;~を意図する、rotting;腐っている、explicitly;明確に、ephemeral;つかの間の、rudimentary;基本的な、tumbl;倒れる、endeavour;努める
(原著Chapter5、p100-101)

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