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1000日チャレンジ 883日目 『なんで洞窟に壁画を描いたの? 美術のはじまりを探る旅』読了記録

ゴールまで117日

★BMI:23.2

◎先日、『なんで洞窟に壁画を描いたの? 美術のはじまりを探る旅』を読了したので記録に残したい

なんで洞窟に壁画を描いたの? 美術のはじまりを探る旅(13歳からの考古学)
五十嵐 ジャンヌ著;新泉社;2021年
(以下、出版社web siteから引用)
☆紹介文
「秋山理乃は歴史が大好きな中学1年生。高校の世界史の先生だったキシローじいちゃんと東京で開かれた「ラスコー展」に行って、謎深い洞窟壁画の魅力にすっかりはまってしまいます。そして、キシローじいちゃんの教え子で、洞窟壁画の研究者・タバタさんの案内で、フランスに本物の洞窟壁画を見に行くことに。
旧石器時代の壁画を見た理乃は、なんで大昔の人はわざわざ真っ暗な洞窟に壁画を描いたのか、という疑問で頭の中がいっぱいになってしまいました。
帰国後も、タバタさんとじいちゃんの協力のもと、洞窟壁画の謎と文化祭で発表する「美術のはじまり」というテーマの答えを求めて、理乃の奔走は続きます……。」
☆出版社からのコメント
「「13歳からの考古学」シリーズの第2弾は、洞窟壁画の謎を探る旅です。
2016年11月~2017年2月に東京の国立科学博物館で開催された「ラスコー展」は、来場者が20万人を突破したほど話題となった展覧会でした。フランスのラスコー洞窟そのままに再現された壁画のすばらしさに、多くの人が魅了されました。
ラスコー洞窟をはじめ、フランス南部に点在する洞窟壁画は、4万年前~1万4500年前にかけて、ヨーロッパの旧石器時代人、クロマニョン人によって描かれました。なぜ彼らは、わざわざ真っ暗な洞窟に壁画を描いたのか? 先史時代の謎の答えを求めて、東京、パリ、ボルドー、レゼジー、ラスコー、そして長野へ、主人公の理乃は旅します。
著者の五十嵐ジャンヌさんは、本物のラスコー洞窟に入った研究者です。紹介する数々の洞窟群は、五十嵐さんが実際に調査に入った洞窟ばかりです。
巻頭の口絵を見ながら読めば、より一層、洞窟壁画を楽しめます。
皆さんも、理乃と一緒に、謎解きの旅に出かけましょう! 巻末につけた洞窟壁画ガイドも必見です!」
☆著者紹介
「五十嵐 ジャンヌ(イガラシ・ジャンヌ)
1968年千葉県生まれ。東京藝術大学美術学部卒業、大阪大学大学院文学研究科修了後、フランス国立自然史博物館にて博士号(先史学)を取得。
2016〜2017年に東京、宮城、福岡で開催された「世界遺産ラスコー展」
の学術協力者。
東京藝術大学、慶應義塾大学、立教大学、実践女子大学の非常勤講師。
共著に、『世界遺産ラスコー展』(海部陽介、五十嵐ジャンヌ、佐野勝宏ほか、毎日新聞社、TBSテレビ、2016年)、『夢みる人のクロスロード 芸術と記憶の場所』(港千尋編、平凡社、2016年)がある。」

【感想】
1年以上積読にしていた本をようやく読了。ここのところの、自分の中での古代史ブーム再来で日の目を見た形。「13歳からの考古学」というシリーズ(既刊3巻)の第2弾ということで、漢字にはすべて読み仮名がついていて、小学校高学年くらいからなら読むことができそう。まず、とてもおもしろかった。ラスコー洞窟の展覧会を観たのをきっかけに、壁画に興味をもった中学一年生が、祖父の教え子で研究者でもある女性の案内で、フランスの洞窟壁画をみる旅に出る。そこで、どうして壁画が描かれたのか、壁画を描くのはヒトだけなのか?ヒトとは何なのか?と疑問をもち、さらに調べ、考察をしていく物語。美術のはじまりとされるヨーロッパの洞窟壁画には、ヒトがどうして美術を必要としたのか?のヒントがある。
中学生が考古学や人類学に興味をもつきっかけにもなると思うが、高校生にとっても、あるいは実際に何かの研究を始めている大学生にとっても、改めて、調べること、研究することの原点を思い出させてくれるような内容の本だった。還暦を前にした美術好き、歴史好きのおじさんにとっても、小さい時に持ち始めた生物や歴史への興味の”最初”を思い出させてくれて、これから先のことを考えるうえでとても役にたつ一冊になった。


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