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欧州MBA現地就活記_運について

 今回は、その現地就職で大事なことの1つ、「運」をどのように引き寄せるのかについて書きます。ネットワーキングについて書いていたのですが、ネットワーキングがなぜ必要なのか、という話にも繋がるので先にこちらを書くことにしました。
 現地就職は結局半分は運によると考えています。その「運」を3つに分類し、それらをどう引き寄せるかについて書きます。

1_時の運→胆力と財力

 当たり前ですが、求人が存在しなければ応募できないので、そもそも自分の就職時期に求人が出てくる運が必要です。時の運は、最もどうしようもないタイプの運になります。
 しかし、求人が存在しなくとも、会長や社長等、強力なパワーを持ってる人に認められ(気に入られ)採用したいと思われることで内定を得るケースもあり、実のところピュアな運でもないです。例えば、イーロンマスクが採用したいと思ってくれれば、どんな市況だとしてもテスラで働けるはずです(現実味ないですが)。組織内の最上位クラスへの有効なネットワーキングが出来た場合にはこの運を手繰り寄せることができます。
 基本的にこの運を手繰り寄せることは難しいですが、就職活動を長くやればその「時の運」をを引き寄せられます(当たり前)。そのためには、絶対に現地就職をするんだという覚悟を持ち、就職活動を長期間継続する胆力を保つことがキーになります。言ってしまえば、気合いです。どんな状況でも「俺/私ならこの状況を打開できる」という強い自信を持っていることです。過去の成功体験や、絶対に世界で活躍したいという野心、元々の性格等個人差があり、人から言われて育まれるタイプのものではないと考えます。
 胆力と同じくらい重要な要素として財力も挙げられます。貯金残高が減れば減るほど日本という選択肢が魅力的に見えてきます。その日本の魅力は少しずつ現地就職に対する覚悟を削っていきます。特に、2023年は年間を通して円が安くなっていき、想像をはるかに超えるスピードで自分の残高がなくなっていきました。途中心が折れ、卒業までに見つからなかったら帰国することにしました。予想できない為替レートを考慮しつつ、日々残高のことを考えることは想像以上にストレスな生活でした(腹を括って現地通貨に全て変えてしまうもの手かもしれません)。
 就活が本格化するたった6か月間で自分に合うような職が生まれそれをモノにする運を引き寄せるのは至難の業です。長期的な就職活動をすると腹を括り、最低でも卒業後3か月間は現地に残れるレベルの資金余力を持って渡航をする必要はあるのではないかと思います。

2_巡り合う運→シニア層へのネットワーキング

 求人が生まれるだけでなく、その求人に巡り合う必要があります。ネットワーキングは巡り合う可能性を高めてくれます。
 そもそも欧州は50%が非公開求人と言われております。非公開のままそのポジションが埋まるケースもあれば、既に候補者が決まっているにも関わらず法令に遵守するために掲載する見せ求人も存在しています。
 そのような非公開求人にアクセスするには、ネットワーキングを通して自分のことを意思決定者レベルの人に知ってもらうくらいしかないと思います。仮に非公開求人にアクセスできなかったとしても、求人が公開された瞬間に関係者を見つけ意思決定者にアプローチすることで3つ目の勝ち取る運を高めることに繋がります。ネットワーキングなしで職を得るには、非常に優秀な経歴/超ニッチな経験/日本語必須求人に絞られるのではないかと思います。
 ネットワーキングについては次回ちゃんと書こうと思いますが、ネットワーキングの大変さは、最終的にそのネットワーキングが役に立つかは結果や求人が出るまで分からないことにあります。なんの役に立つか分からないけどベットし続ける努力が求められ、これは試験勉強等の成果が見えやすい努力とはまた違ったものになります。それゆえ上述の通り、胆力が重要になってきます。

3_勝ち取る運→情報を得るためのネットワーキング

 求人に巡り合えたとしても、よりフィットする候補者がいる場合は採用されることはありません。そういう意味で巡り合えた求人を勝ち取れるか否かについても最終的には運になります。残念ながら自分の経歴は入学後には変えられないので、この勝ち取る運を引き寄せるためにできることは、面接の回答の質を高めるしかないでしょう。
 ネットワーキングはそのためにも必要になります。今やインターネットに情報が溢れているので時間さえかければ会社の理解ができ、誰でもそれくらいの対策はしてくるでしょう。他の候補者から抜きんでるためには、ネットワーキングを通して、社内の人しか知りえないその組織固有の課題やこれからの方針などを把握し、自分がそのポジションでどう貢献できるかを暗に示すことだと感じました。最終的に内定には至りませんでしたが、どう役に立ったのかを今後事例を交え書こうと思っています。

 なお、2_巡り合う運では、力を持つ人へアプローチが大事と書きましたが、3_勝ち取る運では、職位関係なく社内の情報を持つ人へのアプローチを意識しました。意思決定権者と話す前に社内の情報を取っておくことは印象を高めるだけでなく、会社やポジションを勘違いしていないかの確認が可能になりました。そのため、求人が見つかった後は、意思決定者だけでなく社内の情報を持つ人達への両方向のネットワーキングを意識していました。

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