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欧州MBA現地就活記_量派vs質派

量派と質派

 現地就職のアドバイスを求めると大きく2つのアドバイスを受けることになります。1つは応募する量を増やすこと、もう1つは応募の質を高めることです。私は、前者を主たる戦略に据える人々を量派、後者を質派と呼んでいます。
 量派は文字通り応募数を増やすことで就職確率を高めようとしますが、質派の手段は多岐に渡ります。ネットワーキングを通してリファーラルを貰うのはもちろん、会社の公開情報やアナリストレポートを読み込み、CVとカバーレターをカスタマイズする、ネットワーキングを通して社内の人しか知りえないような情報を把握する、CxOクラスに直接ネットワーキングしてポジションを作ってもらう等、ありとあらゆる手が含まれます。

私の就活戦略

 私のバックグラウンドはBig4で監査とM&A valuationをやってきた会計士という、ヨーロッパ人にとっても理解しやすいものでした。アカウンティングとファイナンスという、ポータブルな非言語スキルだったことも自分のバックグラウンドの利点だったと思います。入学前は自分は非言語スキルに依拠したスキルだから、現地語の壁はそこまで問題にならないのではないか、とまで楽観的に考えていました。
 しかしながら、このようなキャリアを歩んできたヨーロッパ人は数多おり、就活を進めていく中で、私はその人達との競争で抜きんでることが非常に困難であることに気付きました。最後の最後まで、VISAもなければ現地語も話せない私が、正面から戦って採用される気が全く湧きませんでした。
 念のため、就活序盤に100%自分のバックグラウンドに合致しているポジションや明らかにオーバースペックなポジションに応募し、箸にも棒にも掛からないことを確認しました。そこで欧州における自分の市場価値を把握でき、質を高める就職活動を中心に据えることにしました。
 なお、例外的にオンキャンに関しては量を追求しました。キャンパスに来ている時点で、MBAの価値を理解してくれており、ネットワーキングを重点的に行うことができなくとも面接に呼ばれやすいです。関心がない会社でも、自分の経験と関連があるポジションには全て出しました。
 もちろん、バックグラウンド次第では量を追求することも可能と思います。自分が量派になれるかどうかは、就活が本格化する前にいくつかのポジションを応募することでざっくり把握しておくとよいと思います。バットを振らないと(ある程度、量を追求しないと)打てるホームランも打てないと言いいますが、そもそも自分は打席に立てているのかを確認するべきだと思っています。ベンチでバット振ってるだけではホームランは出ません。

結局、気合い。

 本来的には質派か量派か決めることなく(自分の可能性を狭めることなく)、どちらも追求するべきです。というか、極東でしか働いたことがないアジア人がヨーロッパの労働市場に入りたいなら、やれることはすべてやりきるしかない。結局、気合いです。パワー!
 
その点、私は覚悟も気合いも足りていなかったと思ったりもします。言い訳になりますが、質を追求しようとすると1社にかける時間がどうしても増えていき、就活終盤では、時間的制約やコスパの観点から可能性を感じないポジションのためには時間を殆ど割けず、マッチ度が非常に高い求人ですら質を高めることができないと判断した場合には見送ることにしました。

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