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[poetry]焔の傍にて

すれ違う一方の速度は鳥の羽ばたきの数に幼年の明るさを乗せたくらい
それは常に可能だった  

長い間そうしなかったのは、そうするように思えたのだが、、
それを躊躇うのは呑気さ故の陰湿な教育以外に何があるというのか。すれ違う一方の私に於いて 若しくはあなたの羽に於いて

ぶら下がる多くの眼差しが、不確かな背景にあり、気配が不可として、恐れの幻想の一種を感じ、お互い不具となった

広大なまでの空想が救いとなり、その途中に現在という時間がスライドされ、重なる懐かしさを意図せず映し、ありがちな それが今では正当な陰(映像)となり。


一瞬の事には息がもたない
深く一度、広い黒い海を一息で、夜の純度を薄明かりの喉で感じてみる


不自由さの中の老女が、
庇うが余り、可能性の道を細くし、
機械となり得る感覚で諦念し、魂は日陰の温度を纏い、声はどこへ向けてるのだろうという有り様
それは聞き取れない機械仕掛けの軋んだ呟き

四方を囲む壁
顔面蒼白のTVショー、ライトを浴びて
溜息と笑みが思ってもいない場面から零れ落ちる


怖いものなしの頃が、瞳の中に、少女として覗くことが出来ただろう
閉ざした筈の、諦めた筈の、それが知られてしまうのを恐れているのだろうか、それを知る、というのを私の瞳は映したのか?

意識しすぎた私
ここで言葉は尽きる筈
真っ当な間違いでありながら交わす言葉がない、互いの無言の中では

しかし予感はつねに
植え付けるとは、大地に根を伸ばし、その地下と天上の行き交う方向は一方的であるのか、進みつつ戻りながら一本の樹木は外を我のように感覚する(尽きた言葉の先の分裂)。


月までの巨岩とは言わずに、目に見える月に躓いた君は

満月の夜、絡み合った日々が、ゆっくりと解かれる予感がする
ありのままの間違いが浮上し、街にも間違いが隠されていたのを知ったように

断絶されていた
数多くの
顔、足、手、そこに感覚と表情が
想起されて
それは、成仏したかのように通り過ぎ、若しくは谷に自ら落ちてくれた過去があったと思う程に


今夜、静まり返り
しかし、此処ではない何処かで
火を囲んでいる子供が居るように
頬に、影と焔を半々に映した顔を見せる
誰も、落下する悲しみをなくし

その景色がよぎった君、は。

作家活動としての写真撮影や個展、展示の為のプリント費用等に充てさせて頂きます。サポート支援の程よろしくお願いいたします。