【得する人気者、損する人気者】みんなが気づいてない『人気の秘密』
こんにちは、清水陽介(@smzyuskmental)です。
最近こんな本を読みまして。
今年の8月ごろに出たばかりのミッチ・プリンスタインさんの『POPULAR』という本でございます。
この本ではタイトルにもあるように、『そもそも人気とは何か?』『なぜ人は人気になりたがるのか?』『人気者の特徴って何なの?』などなど、”人気”に関してしっかりと科学的に調べてみましたよー的な話がまとまっております。個人的には今年読んでよかった1冊でもあります。
で、今回は、この本の中で特に重要な部分である『人気者って本当に幸せなの?』みたいなところをざっくりとメモ。
Twitterのフォロワーが増えてそれなりに人気者になったはずなのに、なぜか心は満たされていないって人は、グサっとくる部分があるかもしれません。
今一度、『人気』の在り方について考え直してみましょう。
それではGO!
section①
人気者は本当に幸せなの?問題
まず、『人気者って本当に幸せなの?人気があるからって幸せとは限らなくない?本当に人気者っていい人生歩んでるの?』みたいな話があったりするわけですが、実際のところは『やっぱり人気はあったほうがいい』んだと。
というのも、人気者は『人気があること自体』が人生に様々なメリットをもたらしてくれるんですね。
実際に、人気度合いが人生に及ぼす影響を調べたいくつかの研究によれば、
子供の頃に人気だった人は
・学業の成績が高い傾向がある(1)
・他人と絆を結びやすい(2)
・収入も高い(3)
・肥満になりにくい(4)
・不安やうつの傾向も少ない(5)
・仕事も失敗しにくい(6)
・幸せな結婚生活を送る可能性が高く、人生の幸福度が高い(7)
みたいなことが分かっております。
つまりは、人気者はチヤホヤされて自尊心が満たされるだけではなく、人生全体が上手くいきやすいのだと。
これはまぁ考えれば当然で、例えばTwitterでいうなら、フォロワー1万人のアカウントと100人のアカウントが同時に『誰か今からご飯食べません?』と呟いたとき、相方が見つかる可能性が高いのはどう考えたってフォロワー1万人の方です。これは人生が有利と言わざるを得ません。
この現象は今年流行った『錯覚資産ループ』とも似ています。
要するに、
人気者
↓
周りに人が集まる
↓
求めれば助けてもらえる。チャンスも入って来やすい。
↓
成果や結果が出やすい
↓
その結果が影響力になってさらに人気が集まる
↓
次の仕事につながる
↓
また成果が出て云々
人気者はこんなメカニズムによって人生が有利に進んでいくわけです。
というわけで、ともかくここで言いたいのは『人気者は人生とにかく有利だ!』ということ。人気がほしいほしくないに関わらず、人気者になった方が人生楽だよね〜という話であります。
section②
損する人気、得する人気
とは言っても、ただ単純に『人気者になりましょう!』というわけでもなく。
著者のミッチさん曰く
多くの人が『人気』には2種類あることに気づいていない。
人気には『”ステータス”人気』と『”好感”人気』の二つが存在しているが、多くの人はこの2つを混合している。
と。
これはどういうことかと言いますと、まず前者の『ステータス人気』というのは、『多くの人から認知されている人』のことを言います。
例えば、小学校だったら『お金持ちの家』、中学校だったら『スポーツの出来る人』、高校だったら『学年イチのイケメン男子、美女』、企業であれば『ハイスペリーマン』、Twitterであれば『インフルエンサー』などなど。
つまり、何か優れた特徴や実績(ステータス)があることによって多くの人間から認知されたり支持されることを『ステータス人気』と言います。一般的にイメージする人気はこちらですね。
身近な言葉でいうと『目立つ』『すごい』『みんなの憧れ』『影響力』『有名』あたりの単語が当てはまる感じです。
ではもう一つの『好感』は何かと言うと、これは文字そのまんまで『みんなから好かれている存在』のことです。つまり、目立っていたり優秀なわけではないんだけど、周りから『あの人といると楽しい』『あの人はなんだか好き』と思われる人のことを『好感』タイプの人気と言います。
すなわち、『”すごい”が集まって人気になった』のか、『”好き”が集まって人気になった』のかの違い、という話です。
で、著者のミッチさんによれば
2つはどちらも同じ『人気』と表現されるが、片方の人気は私たちを助けてくれるが、片方の人気は私たちの人生に害を及ぼす可能性がある。
と。つまり、一口に”人気”と言っても人気には2種類あって、それぞれは全く異なる人気だと。
そんなわけで、ここではとりあえず人気には『ステータス』と『好感』の2種類があるよって事だけ覚えて貰えれば大丈夫です。
section③
僕らが目指すべきは
『1人の人間として好かれる人』
では、『じゃあ僕らはどっちの人気を目指せばいいのか』って話ですが、本書では
好意タイプの人気者になろう!
という流れになっております。
まぁ当たり前っちゃ当たり前な気はしますが、実際の研究によれば
・好感人気(お互いを思いやる親密な関係、人間的成長、人助けなど)を求める人は、幸福度が高く、バイタリティーがあり、身体も健康だった
・対して、ステータス人気(名声や権力、過度な健康や美の追求)を求める人は、不満や心配が多く、うつ傾向もあった(8)
って事がわかってるんだそうです。つまりは、僕らはステータスを集めて『すごい人』になることよりも、みんなから『好かれる人』を目指した方がいいと。多くの人が求めるのは『ステータス』なんですがねー。
むしろ、ステータスを追い求める事は虚しくなる一方でありまして、実際の研究によれば、ステータスばかりを追い求める人は以下のような人生を歩むことになることが多いんだそう。
要は、多くの人は最初はステータス(フォロワー数や肩書き)を求めるわけですが、ステータスを手にした後は結局好感を求めるんだと。『本当の私を好きになってほしい!』みたいなやつですね。
となると『だったら最初から好感を求めた方がよくね?』って話になってきます。
まぁ確かに、お金だけたくさん持っていて友達が1人もいない人生ってちっとも楽しくなさそうですからねー。
ともかく、僕らは『ステータス』ではなく『好感』の人気によって人生に満足感を得ることができる、という話であります。
section④
好かれることの多大なるメリット
では『なぜステータスより好感の方が人生にメリットがあるのか?』という話ですが、それは人は社会的な生き物だからだ、とミッチさんはおっしゃいます。
つまり、人は他人とつながり合うことによってメリットを得られる生き物だと。
実際に人と人とが繋がりあうことを調べた研究によれば、
・恋人や親友がいる人は身体的疾患のリスクが低い()
・親友がいる人ほどストレスに強い(コルチゾールレベルが正常)
・孤独は寿命を縮める(前のnote)
・孤独が炎症の原因
・好感で繋がる人はそうでない人より寿命が2倍長い()
・好かれる子供は健康に育つ()
・嫌われる人はうつの確率が高い()
ってな感じで、好かれている人は身近に人が集まり、そのおかげで健康面でも優れると。これは人と人とが繋がった時に分泌されるオキシトシン(愛情ホルモン)の作用だとか。
ともかくは、『好きな人にだけ好かれればいい』と考えて一匹狼になるのも悪くはないけど、まぁ健康のためと考えたらやっぱ好かれる人間になった方がお得だよね、ってところですね。
さらには、好感度の影響は健康だけに止まらず、
・好感タイプの人気者は長期間にわたり、恋人や友人と良好な人間関係を築いていた/ペンシルバニア州立大学
・キャリアや幸福度、収入を予測するのは、好感度だった/スウェーデンに住む一万人超を調査
ってな感じで、他人から『好感』を得て人気者になると心身ともにメリットがあるっていう事が分かっております。こりゃもう好かれた方がお得です。
まとめ
ってなわけで、今回の話をざっくりとまとめますと、
section①人気者は人生得
↓
section②ただし人気には『ステータス』と『好感』の2種類がある
↓
section③僕らが目指すべきは『1人の人間として好かれる人』
↓
section④好感で人気が出ると人との深いつながりが生まれる
といった感じでした。
ともかく、多くの人が求めがちな
・収入
・肩書き
・知名度
・実績
こういうのは僕らを幸せにしないってことですね。
もちろん仕事を有利に進めるにはこういったステータスがあったほうがいいんですが、本当の意味で人生を満たしてくれるのは『好感』なわけで。
僕らが結局求めているのは、すごい人になってたくさんの人に憧れられることではなく、自分を1人の人間として好きでいてくれる人が近くにいること、ってわけです。
ですので、大切なのは、ステータスを集めて『すごい人』になることよりも、『1人の人間として好かれる人』を目指すことだ、ということですねー。
では『じゃあどうしたらみんなに好かれる人になれるんですか?』って話ですが、これについてはまた次回。
今回も最後までありがとうございました。
それではまた。
おしまい。
参考
1記事あたり、ざっくりとリサーチに4時間、構成に30分、執筆に6時間。合計9時間ほど時間を掛けて執筆しております。 『ためになった!』という方は、サポートをいただけると、次のnoteを執筆するモチベーションになります。 気が向いた方だけで構いません。よろしくお願いします。