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災害と人災を考える②柳田邦男

前回は、寺田寅彦と吉村昭から、津波について考えました。災害は自然相手のものだから、何十年、何百年の積み重ねた知識が必要。明日起こるかも何十年後に起こるかもわからないものに対して、根気強く備えるのだから、個人の備え以上に、防災を教育など、身近なところに取り入れる必要性を強く感じました。 想定外だから仕方ない?2011年の東日本大震災で原発事故は、まだ記憶に新しいと思います。 当時私は15歳で、中学校から帰ってきてから、爆発の起きた原発の映像をテレビで眺めました。 しかし、それ

    • 災害と人災を考える①寺田寅彦/吉村昭

      繰り返される津波2011年3月に起こった東日本大震災。 それに伴う津波は東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に大きな被害をもたらしました。東北における津波はもちろんそれが初めてではありません。 1933年(昭和8年)と1896年(明治29年)にも、三陸大津波と呼ばれた津波が起きています。前兆から被害、救援の実情まで、詳らかに描かれた吉村昭の「三陸海岸大津波」には、被害に遭った住民や子供の証言も載っており、襲来直後の阿鼻叫喚がひしひしと伝わってきます。 沿岸部で暮

      • 漱石の箴言と文脈

        叡智に溢れた漱石の箴言 現在でもファンや研究者の多い文豪、漱石。代表作の「吾輩は猫である」「坊っちゃん」などで知られているけれど、実は、友人の子規の影響がうかがえる俳句や、漢文の素養溢れる漢詩なども、素晴らしいものを多く残している人物です。  そして個人的には、世間や物事の特徴を、少しねじけた目線からぐっと捉えた箴言や警句、さらにそれに満たないような悪口(あっこう)までも、感嘆させられるような言葉を数多く残しているところが、私の好きな部分であり、あまり本を読まない人や古い作

      災害と人災を考える②柳田邦男