世帯人数別の家の広さの適正は計算式で求められる?

広い部屋への引っ越しもそうですが、マイホーム購入で今と将来の自分たちに必要な家の広さが想像できない人は多いものです。

実際に物件を見て回っていると感覚で分かってくるものですが、予算やエリア決めにも影響するので、できれば探し初めにの段階で検討を付けておく方が無駄がなくスムーズです。

今回は計算式で求める、世帯人数と部屋の広さについてのお話です。

※SmuUで読む場合はこちらか▼

https://smuu.jp/knowhow/tekisetsunahirosa/

■計算式をご紹介

令和3年に国土交通省が発表した「住生活基本計画」というものがあります。

住生活の安定、向上を促進することを目的に、豊かで多様な生き方をするために必要になると考えられる住居の広さの目安を示したものです。

健康で文化的な住生活を送るために必要不可欠(必要最低限)な面積として、
・単身者で25㎡
・複数人世帯で10㎡×世帯人数+10㎡
という目安を示すとともに、
よりフレキシブルなライフスタイルを送るための目安として、
2つの水準が示されています。

・都市の中心とその周辺における共同住宅(マンション)の目安

「都市居住型誘導居住面積水準」として定められた共同住宅への居住を想定したものです。

①単身者:40㎡
②複数人世帯:20㎡ × 世帯人数 + 15㎡

※子供がいる場合、3歳未満は0.25人、3歳~6歳未満は0.5人、6歳~10歳未満は0.75人として算定。世帯人数が2人未満の場合は2人に切り上げ。

これを基にすると、夫婦と2歳,5歳の子供の4人世帯の場合、70㎡程度が多様なライフスタイルに対応する面積の目安ということになります。

・都市の郊外と都市部以外の地域の戸建住宅の目安

「一般形誘導居住面積水準」として定められた戸建住宅への居住を想定したものです。

戸建ての床面積には階段の面積が含まれため、必要な床面積はマンションよりも大きくなります。

①単身者:55㎡
②複数人世帯:25㎡ × 世帯人数 + 25㎡

※子供がいる場合、3歳未満は0.25人、3歳~6歳未満は0.5人、6歳~10歳未満は0.75人として算定。世帯人数が2人未満の場合は2人に切り上げ。

夫婦と2歳、5歳の子供の4人世帯の場合、95㎡程度が目安の床面積ということになりました。

■現実はどうか

地域によっては不動産相場の観点から、目安とされる広さを確保することが難しい場合もあります。

特に東京都心のファミリー世帯では前述の目安よりも一回り小さくし、
マンション:65~70㎡の2~3LDK
戸建て:80~100㎡の3~4LDK
という物件の取引が多く、探されているお客様の条件もココが一番多いゾーンです。

一般に「ファミリータイプ」と呼ばれ人気のあるマンションの広さも、東京と周辺県では異なっています。

例えば千葉、埼玉、神奈川のファミリータイプのマンションは80~90㎡前後の物が人気で、建てられるマンションもニーズに合わせて広めに作られています。

都内の物件より一回り大きくても、売買代金は都心より安くすむことと、出勤の機会が減ったこともあり、都内の会社に勤務していても周辺県に家を購入する人が増えてきています。

■教育方針、仕事に合わせたプラスアルファ

・子供部屋をどう考えるか

子供に一人部屋を与えるかどうかで、必要な間取りや将来の計画が大きく変わってきます。

教育方針と子供の性別にもよりますが、日本では子供に一人部屋を与える年齢は10歳前後という家庭が多い印象です。
(海外では未就学時から部屋を分けたりします)

また、男の子なら10歳前後で部屋を与えるけど、二人とも女の子だと高校生になるまで相部屋にする、という家庭も多いです。

これをもとに考えると、
子供が男,女もしくは男,男なら上の子が10歳前後になった時点で、主寝室+子供部屋×2の3LDK以上は必要になりそうですし、
女,女の構成なら、高校生くらいになるまでは2LDKでも大丈夫という考え方ができるかもしれません。

実際、子供成長をきっかけに間取りを変えたり広い物件に買い替えたりするのは、子供が10歳~15歳になるタイミングで行われることが多い印象です。

子供が生まれて間もない、もしくは子供はこれからという夫婦の場合、将来的に買換える前提なら60㎡2LDKのマンションでも当分は問題なく生活できるように思います。

もちろん将来的な買替えや引っ越しをしないのなら、最初から予算を増やして一生暮らせそうな広い家を探すというのも手でしょうが、1坪ウン百万円する都心ではなかなかそうもいかないので、「手狭になったら買替える」という考え方が多い印象です。

・リモートワークをする仕事部屋

以前はリビングの一角などに多かったワークスペースも、コロナ渦をきっかけに生活と分けることができる仕事部屋として設けられることが増えました。

ワークスペースは必要以上に広くすると生活空間が犠牲になってしまうため、3帖以下のものが多いです。

3帖は4.95㎡ですから、前述の目安広さに仕事の空間を加えた場合、4人暮らし70㎡(3LDK)ではなく、75㎡(3LDK+ワークスペース)程度が、生活を犠牲にしないプラスアルファと考えることができます。


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