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言葉は世界をちょっと良くするチカラがある。【THE CREATIVE ACADEMY #4】


本日は、THE CREATIVE ACADEMYの第4回目の講義だった。

今回は、DE.Inc CO-CEOの牧野さんの「言葉」の講義。

THE CREATIVE ACADEMYとはThe Breakthrough Company GOが開催するクリエイティブディレクターの養成講座である。詳しくはこちら。


超実践コースでは、「あなたが一番期待している講義」について書く欄があった。その際、私は牧野さんの講義と回答した。きっかけは無料講座でarcaの辻愛沙子さんの社会課題に打ち込む姿に感銘を受けたことから牧野さんを知った。牧野さんはTwitterやnoteでも世の中への考えをしっかりと発信されている。また文鳥文庫や旬八青果店といった昔からあるコミュニケーションに着眼点を置いたプロダクトが自分にはない発想だと感じていて、今日講義を受けることを楽しみにしていた。


残念ながら緊急事態宣言の関係で本日はオンラインのみでの開催となったが、オンラインでも得られる内容自体に変わりはないので、モチベーション自体は下がっていなかった。むしろどんな話をされるのかという期待や、課題が難しすぎて「早く講評が聞きたい」気持ちで一杯だった。


【コピーライターとは?】

牧野さんのお仕事の経歴や成果の紹介が一通りされた後に、「コピーライターとは」というお話になった。

コピーライターとは?
ー「言葉を基点」に
 アイデアを考えて、
 「言葉を終点」に
 着地させるプロ。

前回の鶴見さんの講義でも、コピーライティングはスタートとゴール両方に影響を与えることができるというお話があった。
また、お二方に共通して「表現する言葉に説明責任を持つ」ということがフレーズとして登場していた。コピーライターの方は技術や技巧といったところよりその言葉の考えや表現を意識されていることが明らかである。


今回受講された方であれば、企業と社会の課題解決を両方行うことを目指す必要があると牧野さんが考えていることが印象的だったはずだ。

三ツ矢サイダーの「守りたい夏」のアイデアの基点がかなり感銘を受けた。「夏=災害の季節」という課題認識は言われてみれば、といった感じで全く発想になかった。常に社会への課題認識を持つ姿勢の差が明白だと感じた。


【「言葉」から発想する。「言葉」から企画する。】

言葉からアイデアを生み出すという話は聞いていてワクワクした。文字でみるだけでワクワクするし自分でも考えたら何か新しい言葉遊びができるのではないかと感じている。ダジャレなども画期的なアイデアの基点になるかもしれないと思うと馬鹿にはできない。


【モノは言いよう】

「ワーカホリック」と「ビジネスアスリート」と言い換えるように、言葉を変えるだけで受け手の捉え方は一変する。言い方を変えれば大きな課題認識を持たせたりポジティブに受け取れる一面を見せたりできる。言葉は世界をちょっとだけ良くさせる魔法のような力がある。

牧野さんの事例で限定カバーをプレミアムカバーと言い換えたお話があった。例年と比較して装丁も変わったが、もしかしたらプレミアムカバーという名前も売上に影響したかもしれないとお話されていた。私は「プレミアムカバーという名前にしたから装丁がプレミアムになっている」と感じた。つまり、言葉がデザインや結果に影響を与えた事例だと思ったのだ。

言葉を使った「発想力」「定着力」は馬鹿にできない。実際に講義中に出たサラダチキンの話も共感しかなかった。友人達が食べていて「でもそれサラダじゃないよね・・・?野菜入ってないよね・・・?」と密かに疑問に思っていた。よかった私だけじゃなかった。少し過去の自分が救われた気がした(大袈裟)。


【アイデアとは?】

アイデアとは?
-「常識」「当たり前」「普通」の概念を壊しアップデートする。

アイデアは、世の中の出来事をどこかで違った視点になってみる。現実を受け入れない視点を自分の中に持っておくことが大事である。

以前、ADBOXの牧野さんの回で「我が儘でいることに意味がある」というお話が出ていたことを思い出した。個人が社会に殺されてしまう時代、だから世の中がつまらなくなっている。その中でも、自分の生きる意味、意味ある活動を通して自分が生きる意味を見つける。牧野さんは我が儘であることによって世の中を良くしようとしている。私も、自分の目線・価値観を持って常識の枠から出られる人間になりたい。そう感じた。

牧野さんは先日「広告がなくなる日」という書籍を出版された。以前青山ブックセンターで買ってなかなか読めていなかったが、講義の直前までになんとか読み終えることができた。
事例を通して広告が社会課題を解決する必要性、これからの広告へのラブレターだと感じた。これはAmazonでは買えない(という暗黙の了解)ので、書店に行く機会がある方は手に取ってみていただきたい。

この本も縦開きで読むというつくりになっていることで読者が広告となってくれるという仕組みが非常に面白いと感じた。常識を覆すことでメッセージ性が出る。こんなプロダクトを出してみたい、と素直に思えた。


【きづき。発想。企画。表現。】

気づきのタネを集めることで、結びつきがアイデアになる。
カラスにゴミを漁られて街の清掃が必要になるなら、カラスが活動しない夜中のうちにゴミを回収すればいいじゃない。たったこれだけなのに斬新なアイデアに見える。
気づきを得るために、現実や常識を取っ払うことは非常に大切である。


【企画とは?】

良い企画とは?
ーオリジナルであること。
 ボールドであること。
 シャープであること。

「どっかでみたな」とならない斬新さがアイデアである。フィアレスガールはシャープさだけでなく、街の場所に銅像一つというオリジナルさと力強さ(ボールド)がある。オリジナル、ボールド、シャープという視点が世の中を変えるアイデアとなる。

お話で出た佐藤夏生さんの名言がかなり強烈だった。

・「割引はアイデアとして最低だ」・・・顧客でも思いつくし、割引だけのアイデアは顧客のビジネスを圧迫するから

・「発見がないねえ」・・・どっかで見た仕事をやらない

・・・この2つの言葉は常に心に刻んでおきたい。

講義は「企業の課題解決から社会の課題解決へ」というメッセージで締め括られた。広告はどちらも実現できる。社会の課題解決をしている企業、良いものを作る企業はみんなが応援し拡散してくれる。そう考えると非常にアイデアで勝負できる世の中になった。世の中を良くするために、自分が仕事で力になる場所を見つけたいと改めて感じた。


【課題の振り返り】

今回の課題では、優秀者のスライドを後半戦前にみることができたが、あまりのクオリティの高さに「この課題にこんなアプローチができるなんて・・・!!」とショックを受けた。

私も今回課題の分野について勉強するにつれて「日本やばくね?」という課題認識を持った。ただ、その課題を解決する前にまずは目の前の課題をどんな形であれ若者の態度変容を促すための施策を考える必要がある。私は今回2点反省点がある。

・コンセプトを練るあまり企画自体に魅力が足りなかった
・「オリジナリティ」がなかった(どこかで見たことあるような企画)

入賞した企画は、どれも「その発想はなかった」と口を揃えて言いたくなるアイデアだった。どうやって出たんだ・・・とPCの前で頭を抱えていた。

課題の講評終了後、インプットのコツや気づきへの質問がほとんどだった。牧野さんのアンサーとしては「量」だった。情報収集などはコツなどはない。ただ徹底的に調べること、調べて積み重ねた「量」が企画の回路をつくる。近道や楽することなんて考えても無駄。ただ積み重ねが街中での気づきを増やしアイデアが生まれる。

絶対に私の今回の敗因はインプットの不足だ。やはり他の受講生と比較してもインプットが足りていない。課題の直接的なジャンル以外のインプットも積極的に行おう。広告業界にいないなら広告の事例やアイデアも行おう。本気度がまだまだ足りていないのだ。そう痛感させられた。


最後は、「社会課題の解決になぜクリエイティブか必要か?」だった。

牧野さんは「言葉一つで受け取り方を変えることができるから」と述べていた。2回「言葉」の講義を通じて、言葉は誰でも挑戦できる、誰にでも伝わる、解釈することができる武器だと感じた。また、表現次第で世界の常識・見方を変化させる。それが少し世の中を救うことができるかもしれない。クリエイティブとは社会課題の突破口になる価値がある。人間の一番の才能はクリエイティブなのかもしれない。

また、三浦さんは①見方をかえて別の方向性を見つける力があるから社会課題解決と相性が良い、②クリエイティブが課題解決を必要としている、③クリエイティブであらゆる課題は少し良くなると回答されていた。

同じクリエイティブを使って企業・社会の課題解決をされている方でも価値観に少し違いがあることが興味深かった。それでも、クリエイティブディレクターがクリエイティブで世の中を良くしようとしている、できると信じているという姿勢は共通している。

いつか、私もこの仲間になる日が来るだろうか。おそらく待っていても来ない。このTHE CREATIVE ACADEMYでのインプットやアウトプットだけでなく、日常生活から意識の変化をもっと行わないといけない。今一度さらなる覚悟を決める必要がありそうだ。

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