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場所を選ばないこの時代に、私は自分を旅立たせてやりたい。


東京にきて一年が経過した。

想像とは違う日々を過ごした。出社することもなく、大勢で遊ぶこともなく、旅行に行くこともなく。会える距離の人ともオンラインで出会うことが多かった。


仕事もほとんどが在宅勤務で、出社は数回しかなかった。むしろその方が安心だし伸び伸びと仕事ができていたと思う。


ただほとんど在宅だと話すと「それなら京都に帰って良いじゃんね〜」と言われるのだ。もちろんその場では「それな〜」と言って返す。だが、私はなぜかこの状況でも京都に帰りたいという思いはないのだ。

一つ言っておくと、私が上京したのは決して関西が嫌いだからではない。親と決別したわけではない。自分が知らない新しい場所、ビジネスが溢れかえる東京に憧れて上京した。


社会人になって、「いつ関西に帰る?」という議題が友人といつも出る。もちろん結婚、出産、子育て、親孝行というイベントを考慮すれば関西にいつか帰るのがベストだからである。私の身の回りの友達は本当に先のことをよく考えている、と痛感させられる。


一方、私は全く考えていない。というか、結婚、子育てに同年代の女性ほど関心が抱けていない。私は、今いかに自分の仕事で後悔しない人生を考えることで精一杯すぎるからだ。


「オンラインなら実家でも良いよねー」と言われる。しかし、私は(もしコロナとか関係なかったら)「オンラインなら海外に住んで平日働いて休日遊ぶとかできるじゃん」と思ったのだ。

今私のキャリアとは関係ない夢の一つに、「世界中を旅しながら仕事をする」というものがある。若いうちに世界をもっと知りたい、自分を連れ回したい。いろんなものを得たいと感じてみたい。そう言った経験全てが、仕事に還元できると思うのだ。


この夢は、きっと「結婚」の前に達成しなければいけない。だからこそ私は20代でかなり努力しないといけないのだ。自分を旅立たせるために、「場所」にとらわれないような社会を作る人材になりたい。


この文章を書いてみると、私がどれだけ自分が同年代の友人と違う考えを持っていることがよくわかる。ただ、人生における幸せは人それぞれである。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。」

この有名すぎる名作コピーを見て、複雑な心境になっている私がいた。どうか歪んでいる私の心を許して欲しい。否定されていない素晴らしいコピーなのに、私には結婚したいと思えない自分が寂しい人間に感じてしまう。こんな自由奔放でわがままな私と幸せになってくれる人が現れるのだろうか。もう多くは求めまい。仕事でなりたい自分を全て描けたら良いのだ。

今はこんなことをほざいているが、いざ結婚したい相手が現れたら、このコピーがとても美しく見えるに違いない。


私は場所を選ばないこの時代、どこまでも自分を連れ出したい。今いる世界から広げていきたい。広げたあとは、もしかしたら子供に伝えたい、と考えるかもしれない。子供が自分のように好奇心旺盛でいろんなことに関心を抱いてほしいと思う。

そんないつか子供にとって誇らしい母親になるために、私はもうしばらく自分が主役の人生をのうのうと生きていく決意をするのだ。

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